今回は、「運営管理 ~H30-32 輸配送管理(1)配送経路(セービング法)~」について説明します。
目次
運営管理 ~平成30年度一次試験問題一覧~
平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
トラック運送・船舶輸送・貨客混載 -リンク-
本ブログにて「トラック運送」「船舶輸送」「貨客混載」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
- トラック運送・船舶輸送・貨客混載のまとめ
- R5-34 輸配送管理(17)中継輸送
- R4-32 輸配送管理(14)輸送手段の特徴
- R4-35 輸配送管理(16)トラックの積載率
- R3-33 輸配送管理(11)輸送手段
- R3-34 輸配送管理(12)共同輸送
- R2-36 輸配送管理(9)輸送手段
- R2-38 物流センター管理(15)物流センター運営
- R1-34 輸配送管理(7)輸送手段の特徴
- R1-35 輸配送管理(8)輸送形態
- R1-37 物流センター管理(12)物流センター運営
トラック運送
配送計画の最適化
トラック事業者としては、距離が最短となる経路で貨物を配送することができれば物流コストを抑えることができます。
配送先が少なければ、物流コストを抑える最適な配送経路(最短距離)を設定することは比較的簡単ですが、配送先が多くなると最適な配送経路(最短距離)を設定することが難しくなります。
配送先が多くなったときに最適な配送経路(最短距離)を設定する方法には、「セービング法」や「グリーディー法」といった「ヒューリスティック技法」があります。
セービング法
「セービング」とは、2つの配送先への輸送方法を「ピストン輸送」から「ルート輸送」に変更した場合に短縮(節約)できる配送距離のことをいい、「セービング法」は、配送先が多数あるとき、2つの配送先ごとに節約できる配送距離(セービング値)を算出して、この値が最大となるルートを結合して最適な配送経路を求めていく方法です。
セービング値の算出例
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【平成30年度 第32問】
下図は、配送元P、配送先A、Bの各拠点間における2種類のトラックの配送方法を表している。矢印は始点から終点へとトラックが走行することを表し、数字は配送距離である。配送元Pから配送先A、Bへと、配送方法(Ⅰ)は2運行、配送方法(Ⅱ)は1運行で配送した場合を表している。
トラックの最適な配送ルートを選定する方法の1つにセービング法がある。セービング法の考え方に基づき、配送方法(Ⅰ)と(Ⅱ)を比較したときの配送距離の節約量(セービング)として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
[解答群]
ア 3
イ 6
ウ 10
エ 16
オ 20
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
輸配送管理において最適な配送経路を求める「セービング法」に関する知識を問う問題です。
トラック事業者としては、距離が最短となる経路で貨物を配送することができれば物流コストを抑えることができます。
配送先が少なければ、物流コストを抑える最適な配送経路(最短距離)を設定することは比較的簡単ですが、配送先が多くなると最適な配送経路(最短距離)を設定することが難しくなります。
配送先が多くなったときに最適な配送経路(最短距離)を設定する方法には、「セービング法」や「グリーディー法」といった「ヒューリスティック技法」があります。
「セービング」とは、2つの配送先への輸送方法を「ピストン輸送」から「ルート輸送」に変更した場合に短縮(節約)できる配送距離のことをいい、「セービング法」は、配送先が多数あるとき、2つの配送先ごとに節約できる配送距離(セービング値)を算出して、この値が最大となるルートを結合して最適な配送経路を求めていく方法です。
今回の問題では、ピストン輸送である「配送方法(Ⅰ)」とルート輸送である「配送方法(Ⅱ)」の配送距離を計算した後、その差分を計算することによって、「配送距離の節約量(セービング)」を求めることができます。
- 配送方法(Ⅰ):7+7+6+6=26
- 配送方法(Ⅱ):7+3+6=16
- 配送距離の節約量(セービング):26-16=10
答えは(ウ)です。
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