運営管理 ~H30-35 物流センター管理(2)物流センター運営~

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今回は、「運営管理 ~H30-35 物流センター管理(2)物流センター運営~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

物流センター運営 -リンク-

本ブログにて「物流センター運営」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

ピッキング

「ピッキング」とは、作業者(ピッカー)が、伝票や指示書にしたがって、保管場所から必要な商品を取り出す作業のことをいいます。

 

ピッキングの種類

「ピッキング」は、「トータルピッキング(種まき方式)」と「シングルピッキング(摘み取り方式)」の2種類の方法に分類されます。

 

 

トータルピッキング(種まき方式)

「トータルピッキング」とは、複数の出荷先からの出荷オーダーの商品をまとめてピッキング(取り出す)した後、個別の出荷オーダーごとに商品を仕分ける作業方法のことであり、「種まき方式」とも呼ばれています。

同一商品を何度もピッキングする無駄を省くことができるため作業員の移動距離を短くすることができるというメリットがありますが、商品の仕分け作業に熟練度を要するというデメリットもあります。

 

仕分け

「仕分け」とは、物品を品種別、送り先方面別、顧客別などに分ける作業のことをいいます。

 

シングルピッキング(摘み取り方式)

「シングルピッキング」とは、1つの出荷オーダーごとに保管場所から商品をピッキング(取り出す)する最も基本的な作業方法のことであり、「摘み取り方式」「オーダーピッキング」とも呼ばれています。

作業内容がシンプルのため作業精度を高く維持できるというメリットがありますが、同一商品を何度もピッキングするため作業員の移動距離が長くなるというデメリットもあります。

 

デジタルピッキング

「デジタルピッキング」とは、保管棚に取り付けたデジタル表示器の指示にしたがって、作業者が商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

作業者はライトの付いた保管棚に行って、デジタル表示器に表示された数量をピッキングするため、商品知識が無くても正確に仕分け作業を実施することができます。

 

ピッキングカートシステム

「ピッキングカートシステム」とは、台車(カート)に表示された指示にしたがって、作業者が保管棚から商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

 

3PL(Third Party Logistics)

「3PL(サードパーティーロジスティクス:Third Party Logistics)」とは、荷主企業の視点に立って第三者である企業が物流戦略の企画立案や物流システムの構築について提案を行い、包括的に受託して実行することをいいます。

「3PL(Third Party Logistics)」は「アセット型(アセットベース型)」と「ノンアセット型(ナレッジベース型)」に分類することができます。

「アセット型(アセットベース型)」では、倉庫や車両などの施設や設備を所有している業者が物流戦略の企画立案から物流業務まで実行します。一方、「ノンアセット型(ナレッジベース型)」では、倉庫や車両などの施設や設備を所有しない業者が物流戦略の企画立案や物流システムの構築を行い、実際の物流業務は別の業者が実行します。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第35問】

チェーン小売業の物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 3PL(Third Party Logistics)事業者は、倉庫や車両などの施設や設備を自ら所有しなければ、荷主に対してサービスを提供することができない。

イ デジタルピッキングは、人の手を介さずにピッキング作業を自動化する装置である。

ウ ピッキング作業は、ピッキングする商品品目数がオーダー数より多い場合は摘み取り方式で、少ない場合は種まき方式で行うのが一般的である。

エ マテハン機器のうち、ソーターは保管用の機器であり、フローラックは仕分用の機器である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

物流センターの運営に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「3PL(サードパーティーロジスティクス:Third Party Logistics)」とは、荷主企業の視点に立って第三者である企業が物流戦略の企画立案や物流システムの構築について提案を行い、包括的に受託して実行することをいいます。

「3PL(Third Party Logistics)」は「アセット型(アセットベース型)」と「ノンアセット型(ナレッジベース型)」に分類することができます。

「アセット型(アセットベース型)」では、倉庫や車両などの施設や設備を所有している業者が物流戦略の企画立案から物流業務まで実行します。一方、「ノンアセット型(ナレッジベース型)」では、倉庫や車両などの施設や設備を所有しない業者が物流戦略の企画立案や物流システムの構築を行い、実際の物流業務は別の業者が実行します。

 

「3PL(Third Party Logistics)」事業者は、「ノンアセット型(ナレッジベース型)」のように、倉庫や車両などの施設や設備を所有しない業者が物流戦略の企画立案や物流システムの構築を行い、実際の物流業務は別の業者が実行する形で荷主に対してサービスを提供することができるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「デジタルピッキング」とは、保管棚に取り付けたデジタル表示器の指示にしたがって、作業者が商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

保管棚から商品をピッキングする作業自体は、人の手を介するため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「トータルピッキング(種まき方式)」とは、複数の出荷先からの出荷オーダーの商品をまとめて取りだした後、個別の出荷オーダーごとに商品を仕分けする作業方法のことです。

「シングルピッキング(摘み取り方式)」とは、1つの出荷オーダーごとに保管場所から商品を取りだす最も基本的な作業方法のことです。

 

 

「ピッキングする商品品目数が多い場合」は「多品種少量の配送」に該当するため「シングルピッキング(摘み取り方式)」が適しています。また、「ピッキングする商品品目数が少ない場合」は「少品種多量の配送」に該当するため、「トータルピッキング(種まき方式)」が適しています。

したがって、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「マテハン」とは「マテリアルハンドリング」の略称であり、生産拠点や物流拠点内の原材料、仕掛品、完成品の全ての移動にかかわる取扱いのことをいい、「マテハン機器」とは、運搬や荷役作業といった物流業務を効率化するために用いられる作業機械のことをいいます。

 

「ソーター」とは、物品を、品種別、発送方面別、など所定の場所に仕分する機械のことをいい、人の手を介さずに短時間に大量の仕分けを正確に行うことができます。

テレビなどでよく見かける、ベルトコンベアーの上を流れてきた野菜がサイズなどの条件によって自動的に仕分されていくあの仕組みです。

 

「フローラック」とは、傾斜している保管棚のことであり、先入れ先出しに便利で、入出庫の時間を短縮することができます。

コンビニなどで冷蔵庫から飲み物を取ると、後ろの飲み物が自動的に前にスライドしてくるあの仕組みです。(冷蔵庫なので保管棚とは違いますがイメージしやすいかと)

あの冷蔵庫は、「背面(バックヤード)」から店員が品物を補充し「前面(店舗内)」から顧客が商品を取り出すことを想定して庫内に傾斜がつけられています。顧客が商品を取り出すと自動的に商品が前にずれてくれるため、「店員が商品を前にずらす」という作業の手間を省くことができています。

 

マテハン機器のうち、ソーターは仕分用の機器であり、フローラックは保管用の機器であるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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