事例Ⅳ ~④限界利益と貢献利益による分析~
目次
限界利益と貢献利益による分析
「限界利益と貢献利益による分析」とは、限られた経営資源で、企業の営業利益を増やすために「製品」や「事業部門」の採算性を分析することをいいます。
「限界利益分析」と「貢献利益分析」は、以下のように使い分けられます。
- 「限界利益分析」は、限られた経営資源で、企業の営業利益を最大にするために、販売(生産)する製品の最適な販売比率(最適セールスミックス)を求めるために活用されます。
- 「貢献利益分析」は、製品ラインナップや事業部門の採算性を見極め、企業全体の利益に貢献していない製品の生産を中止したり、事業部門を廃止する判断をするために活用されます。
二次試験において、「限界利益と貢献利益による分析」に関する問題を解くために必要な知識として「財務会計と管理会計」「変動費と固定費」「限界利益」「最適セールスミックス」「貢献利益」「事業部門の廃止」など、順番に説明しています。
ブログへの掲載記事
本ブログに掲載している「限界利益と貢献利益による分析」に関する記事の対応表です。
「限界利益と貢献利益による分析の説明」と「試験問題の解説」を行っています。
限界利益と貢献利益による分析の説明
- 限界利益と貢献利益による分析(1)(財務会計と管理会計)
- 限界利益と貢献利益による分析(2)(変動費と固定費)
- 限界利益と貢献利益による分析(3)(限界利益)
- 限界利益と貢献利益による分析(4)(最適セールスミックス)
- 限界利益と貢献利益による分析(5)(貢献利益)
- 限界利益と貢献利益による分析(6)(事業部門の廃止)
過去問題の解説
- 平成23年度 解答例(4)(限界利益分析)
- 平成23年度 解答例(5)(貢献利益分析)
- 平成26年度 解答例(5)(限界利益分析/貢献利益分析)
- 平成26年度 解答例(6)(限界利益分析/貢献利益分析)
- 平成28年度 解答例(6)(貢献利益分析)
一次試験と二次試験の違い
二次試験の事例Ⅳでは「商業簿記」に関する知識はあまり必要とされません。
昨年の試験では、連結財務諸表に関する知識が求められましたが、与件文に出てきた「圧縮記帳」については記述試験の中で問われませんでした。おそらく、口述試験で「圧縮記帳によりD社の業務成績にどのような影響があるか?」などの質問をするために挿入されたものだと想定されます。(口述試験であれば、記述試験の合格通知が来てから勉強すれば十分に間に合います。)
つまり、二次試験は「工業簿記」を中心に勉強を進めれば、合格圏に近い得点を取ることができます。「工業簿記」は、ロジカルな思考でじっくりと読んでいけば理解することができ、あとは何度も何度も問題を繰り返して体で覚えていけば解けるようになっていきます。
もちろん、二次試験に向けて勉強すべきなのは「工業簿記」だけではありませんが、以下の図に示すように、「商業簿記」は「論述問題」を中心に「工業簿記」は「計算問題」を中心に意識して勉強していくことをお薦めします。
二次試験の中で「事例Ⅰ~事例Ⅲ」は正解のない試験なので、試験当日の自身の体調や、たった一つの勘違いによって得点が大きくぶれる可能性がありますが、「事例Ⅳ」の試験問題は半分以上が計算により正解を求める試験なので、得意科目にしておけば、自信をもって試験に臨むことができますし、ある程度安定した得点を取ることができます。