事例Ⅲ ~令和元年度試験問題一覧~
本ブログに掲載している令和元年度の「事例Ⅲ」に関する記事の対応表を以下に示します。
2019年11月13日 08:00現在
目次
全体構成の理解
事例Ⅰ~事例Ⅲの問題では、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることをお薦めします。
令和元年度の試験問題では、試験問題の全体像を把握せずに「第1問」から順番に解いていくと、「生産の概要」と「自動車部品機械加工の受託生産計画」に記述されている内容の多くが「第2問」で問われている「生産面での効果とリスク」のように感じてしまうため、「第2問」で何を答えたらよいのか迷ってしまうはずです。
試験問題の全体像を把握して「第3問(設問1)」と「第3問(設問2)」に関連する箇所を与件文から抜き出してしまえば、与件文において「第2問」に関連する箇所が非常に少ないことが分かります。
このように、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることが非常に重要です。
本ブログの対応表
問題 | 配点 | 問題概要 | 該当記事 |
第1問 | 20点 | 事業変遷を理解した上での C社の強み | 事例Ⅲ 第1問 |
第2問 | 20点 | X社からの機械加工の受託生産に応じる場合のC社における生産面での効果とリスク | 事例Ⅲ 第2問 |
第3問 | 40点 | X社から求められている新規受託生産の実現に向けた生産性を高める量産加工のための新工場の在り方 | 事例Ⅲ 第3問 (設問1) |
X社から求められている新規受託生産の実現に向けて生産管理上どのような検討が必要なのか | 事例Ⅲ 第3問 (設問2) |
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第4問 | 20点 | 新工場が稼働した後のC社の戦略 | 事例Ⅲ 第4問 |
事例Ⅲの出題の趣旨
「中小企業診断協会」のWebサイトに公開されている出題の趣旨を以下に示します。
第1問(配点20点)
金属熱処理業として創業し事業拡大を図ってきたC社のこれまでの事業変遷を把握して、C社の強みを分析する能力を問う問題である。
第2問(配点20点)
X社からの新規受託生産に応じる場合のC社の生産面における効果とリスクについて、分析する能力を問う問題である。
第3問(配点40点)
(設問1)
C社社長の方針に基づいた新規受託生産のための新工場の在り方について、助言する能力を問う問題である。
(設問2)
X社とC社間で後工程引取方式の構築と運用を進めるために、C社で必要な生産管理上の検討内容について、助言する能力を問う問題である。
第4問(配点20点)
新工場が稼働し、X社からの新規受託生産が開始された後のC社の戦略について、助言する能力を問う問題である。
解答例一覧
令和元年度(事例Ⅲ)の解答例一覧を以下に示します。
それぞれの問題に関する解説は、該当の記事を参照してください。
第1問(配点20点)
C社の事業変遷を理解した上で、C社の強みを80字以内で述べよ。
創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工ができること、多品種少量の受注生産に対応できる設計部門とスキルの高い作業者による機械加工と熱処理加工体制を有すること。(80文字) |
第2問(配点20点)
自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果とリスクを100字以内で述べよ。
効果は本格的量産体制により機械加工部門の生産量が現在の約2倍となるため設備の稼働率が高まり生産性が向上すること、リスクは大きな加工能力が必要となるため工作機械に対する多額の設備投資が発生することである。(100文字) |
第3問(配点40点)
X社から求められている新規受託生産の実現に向けたC社の対応について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
C社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のための新工場の在り方について120字以内で述べよ。
CNCの指令により工具を自動交換すればX社以外の部品も量産できるマシニングセンタの導入と、作業者のスキルに頼った作業の標準化を進めた後、作業方法の教育により作業者の多能工化を図り、セル生産方式のU字ラインで編成された工程レイアウトに配置する。(120文字) |
(設問2)
X社とC社間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるために、これまで受注ロット生産体制であったC社では生産管理上どのような検討が必要なのか、140字以内で述べよ。
C社で検討が必要なのはX社向け部品とその他の加工品で異なる生産管理体制である。X社向け部品では納品予定内示の見直しを反映した日程計画に基づく材料の発注と3日前に確定する短納期を遵守するための生産統制について、その他の加工品では機械加工部と熱処理部の一元的な生産管理について検討する。(140文字) |
第4問(配点20点)
新工場が稼働した後のC社の戦略について、120字以内で述べよ。
C社の戦略は、営業部を設置するなど営業力の強化を図り、量産の機械加工ができる新工場と自動車部品専用の熱処理設備を活用して自動車部品メーカーの新規顧客を獲得することによって、設備の追加投資とX社への売上依存を抑えながら事業を拡大することである。(120文字) |