今回は、「財務・会計 ~R3-10 財務指標の計算(14)~」について説明します。
ただし、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要な「財務指標」は限られているため、あらかじめ確認(事例Ⅳ ~①経営分析~)してから、一次試験の勉強に取り組みましょう。
目次
財務・会計 ~令和3年度一次試験問題一覧~
令和3年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
財務指標の計算 -リンク-
本ブログにて「財務指標の計算」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
- 財務指標
- R2-11 財務指標の計算(13)
- R1-11 財務指標の計算(12)
- H29-11 財務指標の計算(1)
- H28-9-2 財務指標の計算(2)
- H27-11 財務指標の計算(3)
- H26-9 財務指標の計算(4)
- H26-10 財務指標の計算(5)
- H25-5 財務指標の計算(7)
- H24-17-1 財務指標の計算(8)
- H24-20-2 財務指標の計算(9)
- H23-9 財務指標の計算(10)
- H22-8 財務指標の計算(11)
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【令和3年度 第10問】
以下の貸借対照表と損益計算書について、下記の設問に答えよ。
貸借対照表(2020年度末)(単位:千円) 資産の部 負債および純資産の部 Ⅰ 流動資産 40,000 Ⅰ 流動負債 50,000 現金・預金 2,000 Ⅱ 固定負債 34,000 受取手形・売掛金 16,000 商品 9,000 Ⅲ 純資産 その他 13,000 株主資本 66,000 Ⅱ 固定資産 110,000 資産合計 150,000 負債・純資産合計 150,000
損益計算書(2020年度)(単位:千円) Ⅰ 売上高 220,000 Ⅱ 売上原価 160,000 売上総利益 60,000 Ⅲ 販売費・一般管理費 50,000 営業利益 10,000 Ⅳ 営業外収益 受取利息 4,000 Ⅴ 営業外費用 支払利息 1,000 その他 1,000 税引前当期純利益 12,000 法人税、住民税及び事業税 3,600 当期純利益 8,400
(設問1)
固定長期適合率として、最も適切なものはどれか。
ア 60%
イ 110%
ウ 150%
エ 167%
(設問2)
インタレスト・カバレッジ・レシオとして、最も適切なものはどれか。
ア 4倍
イ 11倍
ウ 12倍
エ 14倍
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答(設問1)
「固定長期適合率」は、長期の安全性を分析するための指標です。
返済期限が1年以上である固定負債と返済の必要がない自己資本(純資産)に対する固定資産の割合で求めることができ、数値が低い方が優れていることを示しています。固定長期適合率が100%を超える場合は、固定資産の調達を返済期限が1年以内の借入金などの負債で賄っていることを意味するため、資金繰りが厳しく、安全性が低いと判断されます。
問題文で与えられた「貸借対照表」の数値を用いて「固定長期適合率」を算出します。
- 固定長期適合率
= 固定資産 ÷( 固定負債 + 純資産 )
= 110,000 ÷( 34,000 + 66,000 )× 100
= 110%
答えは(イ)です。
考え方と解答(設問2)
「インタレスト・カバレッジ・レシオ」は、以下の計算式で算出される指標です。
「インタレスト・カバレッジ・レシオ」は、本業の利益である事業利益(営業利益+受取利息+受取配当金など)が、支払利息などの金融費用の何倍であるかを表しており、数値が高い方が好ましいとされています。
問題文で与えられた「損益計算書」の数値を用いて「インタレスト・カバレッジ・レシオ」を算出します。
- インタレスト・カバレッジ・レシオ
=( 営業利益 + 受取利息 )÷ 支払利息
=( 10,000 + 4,000 )÷ 1,000
= 14倍
答えは(エ)です。
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