財務・会計 ~H26-10 財務指標の計算(5)~

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今回は、「財務・会計 ~H26-10 財務指標の計算(5)~」について説明します。

 

「財務指標」は、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要となる知識です。
ただし、二次試験(事例Ⅳ)の第1問(経営分析)で必要な「財務指標」は限られているため、あらかじめ確認(事例Ⅳ ~①経営分析~)してから、一次試験の勉強に取り組みましょう。

目次

財務・会計 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

財務指標の計算 -リンク-

本ブログにて「財務指標の計算」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第10問】

特定の資産を費用化することによる財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、純利益は自己資本よりも小さいものとする。

a 他の条件を一定とすると、自己資本純利益率は不変である。
b 他の条件を一定とすると、総資本純利益率は下落する。
c 他の条件を一定とすると、負債比率は上昇する。
d 他の条件を一定とすると、流動比率は上昇する。

 

[解答群]

ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

まずは問題文の「特定の資産を費用化する」について考えてみます。

資産には、固定資産と流動資産の2種類がありますが、問題文では「特定の資産」としか指定されておらず、固定資産と流動資産のどちらの資産なのか判断することができません。

結論としては、固定資産または流動資産の減少により、純利益が減少するため、自己資本が減少する。という結果となります。

 

固定資産を費用化する場合

固定資産を費用化する例として、減価償却費を考えてみます。
固定資産を減価償却して費用化した場合に、財務諸表にどういう変化が起きるかを整理すると、以下の通りとなります。

  • 貸借対照表で「固定資産が減少する」
  • 損益計算書で「減価償却費(費用)が増加する」
  • 損益計算書で「純利益が減少する」
  • 貸借対照表で「自己資本の繰越利益剰余金が減少する」

 

流動資産を費用化する場合

流動資産を費用化する例として、前払費用を考えてみます。
前払費用は、いまだ提供されていない役務(サービス)に対して支払われた対価のうち決算日の翌日から1年以内に費用になるものが計上されています。
前払費用が費用化した場合に、財務諸表にどういう変化が起きるかを整理すると、以下の通りとなります。

  • 貸借対照表で「前払費用が減少する」
  • 損益計算書で「費用(売上原価、販売費、一般管理費など)が増加する」
  • 損益計算書で「純利益が減少する」
  • 貸借対照表で「自己資本の繰越利益剰余金が減少する」

 

これを踏まえて、各選択肢を確認していきます。

 

(a)不適切です。

自己資本純利益率は「純利益 ÷ 自己資本」で求めることができます。

固定資産を費用化する場合でも、流動資産を費用化する場合でも、純利益(分子)と自己資本(分母)が減少します。

自己資本(分母)の方が純利益(分子)より金額が大きく、かつ資産の費用化による減少金額は分子と分母で同額であることを踏まえると、自己資本純利益率は下落することとなります。

したがって、選択肢は不適切です。

 

(b)適切です。

総資本純利益率は「純利益 ÷ 総資本」で求めることができます。

固定資産を費用化する場合でも、流動資産を費用化する場合でも、純利益(分子)と総資本(分母)が減少します。

総資本(分母)の方が純利益(分子)より金額が大きく、かつ資産の費用化による減少金額は分子と分母で同額であることを踏まえると、総資本純利益率は下落することとなります。

したがって、選択肢は適切です。

 

(c)適切です。

負債比率は「負債 ÷ 自己資本」で求めることができます。

固定資産を費用化する場合でも、流動資産を費用化する場合でも、負債は変動しませんが、自己資本は減少するため、負債比率は上昇することとなります。

したがって、選択肢は適切です。

 

(d)不適切です。

流動比率は、「流動資産 ÷ 流動負債」で求めることができます。

固定資産を費用化する場合は、流動資産(分子)も流動負債(分母)も変動しないため、流動比率は不変です。

また、流動資産を費用化する場合は、流動資産(分子)は減少しますが、流動負債(分母)は変動しないため、流動比率は下落することとなります。

いずれの場合でも、流動比率は上昇することはないため、選択肢は不適切です。

 

答えは(ウ)です。


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