運営管理 ~H27-34 物流センター管理(7)物流センター運営~

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今回は、「運営管理 ~H27-34 物流センター管理(7)物流センター運営~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

物流センター運営 -リンク-

本ブログにて「物流センター運営」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

ロケーション管理

「ロケーション管理」とは、物流センター内における商品の保管場所(ロケーション)に関する運用方法のことをいい、商品を保管する場所(ロケーション)をあらかじめ決めておく「固定ロケーション」と、商品を入荷する都度、最適な場所(ロケーション)を選んで保管する「フリーロケーション」の2種類の方法があります。

「ロケーション管理」では、物流センター内におけるスペースの保管効率や、商品の入出庫状況・在庫状況を管理することが重要です。

 

 

固定ロケーション

「固定ロケーション」とは、商品を保管する場所(ロケーション)をあらかじめ決めておく運用方法です。

「ABC分析」を行い、出荷頻度の高い商品を作業開始位置や出荷口付近に配置するなど、定期的に商品の保管場所を見直すことにより、作業効率と保管効率を向上することができます。

 

  • メリット
    商品の保管場所を固定するため、ピッキングで商品を探す時間が短縮され、作業効率が高くなる。
  • デメリット
    保管する商品がなくても場所をキープしておかなければならないためスペース効率が低い。
    商品の入替が頻繁に発生する場合は、保管場所を変更するオペレーションが頻繁に発生する

 

フリーロケーション

「フリーロケーション」とは、商品を保管する場所をあらかじめ決めておくのではなく、商品を入荷する都度、最適な場所(ロケーション)を選んで保管する運用方法です。

「フリーロケーション」では、空いているスペースに入荷した商品を保管していくため、商品の保管場所が決まっておらず、作業員がピッキングするには商品がどこにあるかを探す手間がかかります。そのため、「自動倉庫システム」を導入するなどの手段によって管理を自動化することが前提とされています。

 

  • メリット
    空いているスペースに入荷した商品を保管していくことができ、保管スペースを効率的に活用することができる
  • デメリット
    商品の保管場所が決まっておらず、商品がどこにあるかを探す手間がかかるため、人によるピッキング作業の効率が悪くなる

 

ダブルトランザクション

「ダブルトランザクション」とは、「固定ロケーション」と「フリーロケーション」を組み合わせたロケーション管理方法のことをいいます。

「ダブルトランザクション」では、商品の保管場所を「ピッキングエリア」と「ストックエリア」に区分して、ピッキングエリアは「固定ロケーション」で、ストックエリアは「フリーロケーション」で運用します。

「ピッキングエリア」では「固定ロケーション」のメリットであるピッキングの作業効率の高さを享受して、「ストックエリア」では「フリーロケーション」のメリットであるスペースの保管効率の高さを享受することができますが、デメリットとして定期的に「ストックエリア」から「ピッキングエリア」に商品を補充する作業が発生します。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第34問】

物流センター内のエリア管理に関する記述として、最も適切なものはどれか、

 

ア エリアごとに作業員を決める固定ロケーション管理は、人別の業務評価がしやすい。

イ 固定ロケーション管理は、在庫量を一定に保ちやすい。

ウ フリーロケーション管理では、保管スペースの有効活用がしやすい。

エ フリーロケーション管理は、固定ロケーション管理よりも人によるピッキング作業の効率がよい。

オ ロケーション管理では、物流センター内の人員配置を適切にマネジメントすることが重要である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

物流センターの「ロケーション管理」に関する知識を問う問題です。

「ロケーション管理」とは、物流センター内における商品の保管場所(ロケーション)に関する運用方法のことをいい、商品を保管する場所(ロケーション)をあらかじめ決めておく「固定ロケーション」と、商品を入荷する都度、最適な場所(ロケーション)を選んで保管する「フリーロケーション」の2種類の方法があります。

 

 

(ア) 不適切です。

「固定ロケーション」とは、商品を保管する場所(ロケーション)をあらかじめ決めておく運用方法です。

「固定ロケーション」を採用している物流センターにおいて、商品ごとに保管する場所(エリア)を決めてエリア毎に作業員を割り当てたとしても、エリア毎の業績(業務量)は作業員の成果によるものではなく、取り扱う商品の売れ行きなどにより異なってくるため、人別の業務評価は容易ではありません。したがって、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「固定ロケーション」とは、商品を保管する場所(ロケーション)をあらかじめ決めておく運用方法です。

商品をあらかじめ決められた場所に保管する「固定ロケーション」を導入すれば、在庫量を容易に管理することができるようになりますが、それだけでは物流センターで扱う商品の在庫量を一定に保つことはできないため、選択肢の内容は適切です

物流センターで扱う商品の在庫量を一定に保つためには、小売店舗と商品の在庫情報や販売情報を共有する仕組みを導入して入手した正確な需要予測に基づく調達計画を立案したり、「WMS」を導入して物流センター内の商品の入出庫・保管状況の正確な管理体制を確立する必要があります。

ちなみに、ここまで管理できるようになれば、「固定ロケーション」ではなく、保管スペースをより効率的に活用できる「フリーロケーション」を採用することも可能となります。

 

WMS(Warehouse Management System)

「WMS(Warehouse Management System)」は「倉庫管理システム」と呼ばれ、物流センター内における貨物の入出庫・保管状況を管理して、業務の効率性と正確性を向上させる仕組みのことをいいます。

「WMS」を導入することにより、貨物の在庫数量をリアルタイムに管理できるだけでなく、貨物の保管場所(ロケーション)なども管理することができるため、商品を保管する場所をあらかじめ決めておく「固定ロケーション」ではなく、商品を入荷する都度、最適と判断できる場所を選んで保管する「フリーロケーション」を導入できるようになります

 

(ウ) 適切です。

「フリーロケーション」とは、商品を保管する場所をあらかじめ決めておくのではなく、商品を入荷する都度、最適な場所(ロケーション)を選んで保管する運用方法です。

 

  • メリット
    空いているスペースに入荷した商品を保管していくことができ、保管スペースを効率的に活用することができる

 

したがって、「フリーロケーション」では、保管スペースの有効活用がしやすいため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「フリーロケーション」とは、商品を保管する場所をあらかじめ決めておくのではなく、商品を入荷する都度、最適な場所(ロケーション)を選んで保管する運用方法です。

「フリーロケーション」では、空いているスペースに入荷した商品を保管していくため、商品の保管場所が決まっておらず、作業員がピッキングするには商品がどこにあるかを探す手間がかかります。そのため、「自動倉庫システム」を導入するなどの手段によって管理を自動化することが前提とされています。

 

  • デメリット
    商品の保管場所が決まっておらず、商品がどこにあるかを探す手間がかかるため、人によるピッキング作業の効率が悪くなる

 

したがって、「フリーロケーション」では、固定ロケーション管理よりも人によるピッキング作業の効率が悪くなるため、選択肢の内容は不適切です

 

(オ) 不適切です。

「ロケーション管理」とは、物流センター内における商品の保管場所(ロケーション)に関する運用方法のことをいい、商品を保管する場所(ロケーション)をあらかじめ決めておく「固定ロケーション」と、商品を入荷する都度、最適な場所(ロケーション)を選んで保管する「フリーロケーション」の2種類の方法があります。

「ロケーション管理」では、物流センター内の人員配置を適切にマネジメントするよりも、物流センター内におけるスペースの保管効率や、商品の入出庫状況・在庫状況をマネジメントすることの方が重要であるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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