事例Ⅲ ~平成28年度試験問題一覧~

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本ブログに掲載している平成28年度の「事例Ⅲ」に関する記事の対応表を以下に示します。

2018年10月14日 08:00現在

目次

全体構成の理解

事例Ⅰ~事例Ⅲの問題では、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることをお薦めします。

例えば、平成28年度の第1問目では、「カット野菜業界におけるC社の強みと弱み」を求められていますが、与件文を読んでいくと、C社は、販売先からは通年取引の要望にも応えられておらず、製造グループの人事異動も行われておらず、営業利益もマイナスであり、クレームも多く、衛生管理の管理レベルにも課題がある、という風に課題が多くありすぎて、どれを弱みとして取り上げればよいか迷ってしまいます。

二次試験の問題では、与件文に記載されている問題や課題を網羅的に解答のどこかに盛り込むべきですが、試験問題の全体像を把握せずに、第1問で「衛生管理の管理レベル」に関する課題だけを取り上げて解答してしまうと、問題全体を通して「通年取引の要望にも応えられていない」という課題について触れる箇所がなくなってしまいます。

実際の試験では、自分の解答の中で「通年取引の要望にも応えられていない」という課題について触れていないことにすら気が付かないでしょう。

こういった失敗を起こさないためにも、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることが非常に重要です

 

 

本ブログの対応表

問題 配点 問題概要 該当記事
第1問 20点 カット野菜業界におけるC社の強みと弱み 事例Ⅲ 第1問
第2問 30点 収益改善を早急に図るための生産管理面での対応策 事例Ⅲ 第2問
第3問 20点 クレーム改善活動を最も効果的に実施するために、着目するクレーム内容と具体的な対応策 事例Ⅲ 第3問
第4問 30点 新事業の提案とその事業を成功に導くために必要な社内対応策 事例Ⅲ 第4問

 

事例Ⅲの出題の趣旨

「中小企業診断協会」のWebサイトに公開されている出題の趣旨を以下に示します。

 

第1問(配点20点)

X農業法人時代の事業経過、およびC社の現在の事業内容を把握し、カット野菜業界におけるC社の強みと弱みを分析する能力を問う問題である。

 

第2問(配点30点)

C社が収益改善を図るために必要な生産管理面での対応策を提案する能力を問う問題である。

 

第3問(配点20点)

C社の生産現場の課題を把握し、クレームを削減する改善活動を最も効果的に実施する方法として、着目するクレーム内容とその解決策を提案する能力を問う問題である。

 

第4問(配点30点)

C社の顧客動向など外部環境を把握し、今後野菜の加工事業を強化して収益拡大を図るために必要な戦略について、助言する能力を問う問題である。

 

解答例一覧

平成28年度(事例Ⅲ)の解答例一覧を以下に示します。
それぞれの問題に関する解説は、該当の記事を参照してください。

 

第1問(配点20点)

カット野菜業界におけるC社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。

 

(a)強み
X農業法人の100%子会社であり、同社から一定量の規格外野菜を安価に調達できること。(40文字)

 

(b)弱み
通年取引ができず衛生管理レベルに課題があるなど販売先の要望に応えられていないこと。(40文字)

 

第2問(配点30点)

現在C社が抱えている最大の経営課題は、収益改善を早急に図ることである。生産管理面での対応策を160字以内で述べよ。

対応策として、各製造グループが行っている注文受付、生産計画、原材料調達、出荷を全社で一元的にQCD管理する。具体的には、原材料の一括調達による原材料費の削減、加工スキルの横展開による歩留りの改善、製品の共同出荷による輸送費用の削減、注文状況に応じた製造グループ間の相互支援による労務費の削減を行うことによって収益改善を図る。(160文字)

 

第3問(配点20点)

C社では、クレームを削減する改善活動を計画している。このクレーム改善活動を最も効果的に実施するために、着目するクレーム内容、それを解決するための具体的対応策を120字以内で述べよ。

着目するクレームは①カット形状不均一②鮮度劣化③異物混入であり、具体的対策は①全社を通じた設備メンテナンスルールとカット作業手順の標準化②仕掛品削減による製品出荷までの工場内放置時間の短縮③衛生管理ルールの整備と従業員への継続的教育である。(120文字)

 

第4問(配点30点)

C社社長は、経営体質の強化を目指し、今後カット野菜の新事業による収益拡大を狙っている。またその内容は、顧客からの新たな取引の要望、およびC社の生産管理レベルや経営資源などを勘案して計画しようとしている。この計画について、中小企業診断士としてどのような新事業を提案するか、その理由、その事業を成功に導くために必要な社内対応策とともに160字以内で述べよ。

一般消費者向けのカット野菜パック事業を提案する。理由は、国内の野菜需要全体に占めるカット野菜需要の割合が年々増加しているため収益の拡大が見込めることと新たな設備投資を必要とせず現在の製造工程や製造技術で対応できることである。対応策は、通年取引ができるように規格外野菜を調達できるX農業法人以外の業者を確保することである。(160文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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