事例Ⅲ ~平成26年度試験問題一覧~

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本ブログに掲載している平成26年度の「事例Ⅲ」に関する記事の対応表を以下に示します。

2018年10月29日 08:00現在

目次

全体構成の理解

事例Ⅰ~事例Ⅲの問題では、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることをお薦めします。

平成26年度の問題では、【C社の生産概要】の最後の段落に記述されている「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」というC社の問題を切り分けるのが非常に難しくなっています。

試験問題の全体像を把握せずに問題を解き始めると、「第3問(設問1)」においてこの問題を解答に取り入れるという発想はしないと思います。また、「第3問(設問2)」の解答を検討する際においても、「第3問(設問2)」は「納期」に関する問題なので「コスト」に関する観点は解答内容に盛り込まないという判断をする可能性があります。

その結果、与件文には「C社のコストに占める原材料費の割合は高い」ことが「問題視されている」と明確に記述されているにも関わらず、この問題を解決するための対策を解答に取り入れるのを忘れてしまうというミスをしてしまう可能性があります。

こういったミスを起こさないためにも、最初に、試験問題の全体像を把握して、それぞれの問題で与件文のどこを参考にして解答するかを考えることが非常に重要です

 

 

本ブログの対応表

問題 配点 問題概要 該当記事
第1問 10点 精密小型部品加工業界におけるC社の強みと弱み 事例Ⅲ 第1問
第2問 20点 加工不良率を改善するために必要な具体的対応策 事例Ⅲ 第2問
第3問 40点 部品在庫管理および受注・発送業務の移管によるC社のメリット 事例Ⅲ 第3問
(設問1)
部品在庫管理および受注・発送業務を移管するために必要なC社の生産計画や資材調達計画の改革 事例Ⅲ 第3問
(設問2)
第4問 30点 X社との取引を高める一方で、X社以外の販路開拓をする方針を実現するための提言 事例Ⅲ 第4問

 

事例Ⅲの出題の趣旨

「中小企業診断協会」のWebサイトに公開されている出題の趣旨を以下に示します。

 

 

第1問(配点10点)

X社からの受注を拡大してきたC社の事業の変遷を把握し、C社の強みと弱みを分析する能力を問う問題である。

 

第2問(配点20点)

C社の切削工程の作業方法や設備メンテナンス方法の課題を把握し、問題視されている加工不良率を解決する能力を問う問題である。

 

第3問(配点40点)

 

(設問1)

X社の国内調達先の集約と在庫管理業務および発送業務の移管が行われることによって得られるC社のメリットを分析する能力を問う問題である。

 

(設問2)

X社からの在庫管理業務および発送業務の移管に対応するために必要となるC社の生産計画や資材調達計画の課題を把握し、解決する能力を問う問題である。

 

第4問(配点30点)

X社1社への依存状態にあるC社の現状を把握し、今後C社がX社依存状態から脱却を図るために必要な戦略を提案する能力を問う問題である。

 

解答例一覧

平成26年度(事例Ⅲ)の解答例一覧を以下に示します。
それぞれの問題に関する解説は、該当の記事を参照してください。

 

第1問(配点10点)

C社の創業からの事業変遷を理解した上で、精密小型部品加工業界におけるC社の強みと弱みを60字以内で述べよ。

強みは評価が高い技術力と精密部品の一貫生産体制を有すること。弱みは売上・技術面でX社依存度が高く経営基盤が脆弱であること。(60文字)

 

第2問(配点20点)

C社の切削工程で問題視されている加工不良率の増加について、その改善を図るために必要な具体的対応策を100字以内で述べよ。

対応策として、故障予防に主眼を置いた自動旋盤のメンテナンス実施頻度等に関する基準の設定と、IE等によるメンテナンス作業手順の標準化・マニュアル化と設備オペレーター教育によって、自動旋盤の精度を向上させる。(100文字)

 

第3問(配点40点)

C社では、主要取引先X社精密部品事業部の国内部品調達および物流の合理化計画に対応するための対策が検討されている。この課題について、以下の設問に答えよ。

 

(設問1)

C社がX社の唯一の国内調達先となり、部品在庫管理および受注・発送業務の移管が行われると、C社にはどのようなメリットがあるのか、100字以内で述べよ。

メリットは、X社の国内部品調達先集約による受注量の増加と業務委託費の獲得による収益増加、受注・組立・出荷業務のノウハウ習得、3カ月分の発注情報に基づく大量発注資材の標準仕様化による原材料費削減である。(100文字)

 

(設問2)

X社からの業務の移管に対応するためには、C社の生産計画や資材調達計画を今後どのように改革していくことが必要となるのか、160字以内で述べよ。

ITによるシステム化により、オンラインで受信する顧客からの発注情報を生産計画や資材調達計画に即座に反映する。生産計画は、全行程を対象に3カ月・1カ月・1週間単位で立案して、品種ごとの生産統制により納期を管理する。資材調達計画は、発注間隔を1週間単位として1回当たりの発注量を小ロット化することにより在庫量を削減する。(157文字)

 

第4問(配点30点)

C社社長は、主要取引先X社で進められている国内部品調達先の集約化の動きに対応して、X社との取引を高める一方で、X社以外の販路開拓を行う方針である。この方針を実現するためには、中小企業診断士としてどのような提案を行うか、C社の経営資源に注目して160字以内で述べよ。

超精密小型部品の需要が高い海外市場においてX社と取引関係のない精密機器メーカーをターゲットとして販路開拓を行うよう提案する。営業力を強化するため顧客からの受注業務を担当している製造部の従業員で営業部を構成して、C社の技術力を訴求するためX社の承諾を得て世界市場で著名な精密機器の構成部品となっていることを売り文句とする。(160文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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