運営管理 ~R4-36 物流センター管理(19)物流センター運営~

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今回は、「運営管理 ~R4-36 物流センター管理(19)物流センター運営~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~令和4年度一次試験問題一覧~

令和4年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

物流センター運営 -リンク-

本ブログにて「物流センター運営」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

ABC分析

「ABC分析」では、横軸に在庫の品目を金額または量の多い順番に並べて、縦軸に在庫の金額または量を描いた「ABC曲線」により、在庫の品目をグルーピングして、A品目、B品目、C品目に該当するグループごとに在庫管理方法を決定していきます。

 

ABC分析のイメージ

「ABC分析」は「パレート分析」と同様のグラフを使います。
横軸に品目を取る場合は「ABC分析」といい、横軸に問題や課題を取る場合は「パレート分析」といいます。

 

 

在庫管理方式の適用例

「ABC分析」によってグルーピングされた在庫の品目ごとに「在庫管理方式」を採用して在庫管理を行います。あくまで一例ですが、「A品目」に分類されたものについては、重点的に在庫を管理する必要があるため「定期発注方式」を採用して、在庫管理を行います

 

  • A品目:定期発注方式
  • B品目:定量発注方式
  • C品目:ダブルビン方式

 

ABC分析

多くの在庫品目を取り扱うときそれを品目の取り扱い金額又は量の大きい順に並べて、A、B、Cの3種類に区分し、管理の重点を決めるのに用いる分析。(JISZ8141-7302)

 

ピッキング

「ピッキング」とは、作業者(ピッカー)が、伝票や指示書にしたがって、保管場所から必要な商品を取り出す作業のことをいいます。

 

ピッキングの種類

「ピッキング」は、「トータルピッキング(種まき方式)」と「シングルピッキング(摘み取り方式)」の2種類の方法に分類されます。

 

 

トータルピッキング(種まき方式)

「トータルピッキング」とは、複数の出荷先からの出荷オーダーの商品をまとめてピッキング(取り出す)した後、個別の出荷オーダーごとに商品を仕分ける作業方法のことであり、「種まき方式」とも呼ばれています。

同一商品を何度もピッキングする無駄を省くことができるため作業員の移動距離を短くすることができるというメリットがありますが、商品の仕分け作業に熟練度を要するというデメリットもあります。

 

仕分け

「仕分け」とは、物品を品種別、送り先方面別、顧客別などに分ける作業のことをいいます。

 

シングルピッキング(摘み取り方式)

「シングルピッキング」とは、1つの出荷オーダーごとに保管場所から商品をピッキング(取り出す)する最も基本的な作業方法のことであり、「摘み取り方式」「オーダーピッキング」とも呼ばれています。

作業内容がシンプルのため作業精度を高く維持できるというメリットがありますが、同一商品を何度もピッキングするため作業員の移動距離が長くなるというデメリットもあります。

 

デジタルピッキング

「デジタルピッキング」とは、保管棚に取り付けたデジタル表示器の指示にしたがって、作業者が商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

作業者はライトの付いた保管棚に行って、デジタル表示器に表示された数量をピッキングするため、商品知識が無くても正確に仕分け作業を実施することができます。

 

ピッキングカートシステム

「ピッキングカートシステム」とは、台車(カート)に表示された指示にしたがって、作業者が保管棚から商品をピッキングする仕組みのことをいいます。

 

ASN(Advanced Shipping Notice)

「ASN(Advanced Shipping Notice)」とは、供給者が商品を出荷する前に、納品先に「納品予定日」「発注番号」「商品コード」「数量」などの情報を通知する電子データ(事前出荷明細)のことをいいます。

供給者が商品を出荷する前に、納品先に「納品予定日」「発注番号」「商品コード」「数量」などの情報を通知すること、またはその仕組みのことを「ASN」ということもあります

 

納品先は、「ASN(事前出荷明細)」により、納品される商品の情報を事前に把握することができるため、検品作業を効率化したり、納品予定の商品を在庫として引き当てることができます

納品先では、1種類の商品を梱包した外箱に印字された「ITFシンボル」や、混載の場合に外箱に貼付された「SCMラベル」を、供給者から事前に受け取った「ASN(事前出荷明細)」と照合することで瞬時に検品することができます。

また、「通過型物流センター(TC)」において、ベンダーから入荷した貨物(商品)を、物流センターで開梱することなく、パレットやケース単位で仕分けてトラックの積み替えのみを行って出荷する「クロスドッキング」を運用する場合は、「ASN(事前出荷明細)」の活用が欠かせません

 

3PL(Third Party Logistics)

「3PL(サードパーティーロジスティクス:Third Party Logistics)」とは、荷主企業の視点に立って第三者である企業が物流戦略の企画立案や物流システムの構築について提案を行い、包括的に受託して実行することをいいます。

「3PL(Third Party Logistics)」は「アセット型(アセットベース型)」と「ノンアセット型(ナレッジベース型)」に分類することができます。

「アセット型(アセットベース型)」では、倉庫や車両などの施設や設備を所有している業者が物流戦略の企画立案から物流業務まで実行します。一方、「ノンアセット型(ナレッジベース型)」では、倉庫や車両などの施設や設備を所有しない業者が物流戦略の企画立案や物流システムの構築を行い、実際の物流業務は別の業者が実行します。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和4年度 第36問】

物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 3PLは、荷主が物流事業者に代わって物流センターを運営することである。

イ ASNは、出荷する商品に誤りがないかを確認する出荷検品に利用される。

ウ 在庫管理の重点を決める手法として、ABC分析が利用される。

エ 種まき方式ピッキングは、オーダー別に商品を一品ごとに集品する方法である。

オ マテハン機器のうち、パレタイザは保管用の機器であり、AGV(Automatic GuidedVehicle)は仕分用の機器である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「物流センターの運営」に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「3PL(サードパーティーロジスティクス:Third Party Logistics)」とは、荷主企業の視点に立って第三者である企業が物流戦略の企画立案や物流システムの構築について提案を行い、包括的に受託して実行することをいいます。

 

したがって、選択肢には「3PLは、荷主が物流事業者に代わって物流センターを運営することである」と記述されていますが、3PLは、荷主企業の視点に立って第三者である企業が物流戦略の企画立案や物流システムの構築について提案を行い、包括的に受託して実行することであるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「ASN(Advanced Shipping Notice)」とは、供給者が商品を出荷する前に、納品先に「納品予定日」「発注番号」「商品コード」「数量」などの情報を通知する電子データ(事前出荷明細)のことをいいます。

供給者が商品を出荷する前に、納品先に「納品予定日」「発注番号」「商品コード」「数量」などの情報を通知すること、またはその仕組みのことを「ASN」ということもあります

 

したがって、選択肢には「ASNは、出荷する商品に誤りがないかを確認する出荷検品に利用される」と記述されていますが、ASNは、供給者が商品を出荷する前に納品先の事業者に納品情報を通知すること、またはその仕組みのことをいい、出荷する商品に誤りがないかを確認する出荷検品に利用されるものではないため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「ABC分析」では、横軸に在庫の品目を金額または量の多い順番に並べて、縦軸に在庫の金額または量を描いた「ABC曲線」により、在庫の品目をグルーピングして、A品目、B品目、C品目に該当するグループごとに在庫管理方法を決定していきます。

 

 

したがって、在庫管理の重点を決める手法として、ABC分析が利用されるため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「ピッキング」は、「トータルピッキング(種まき方式)」と「シングルピッキング(摘み取り方式)」の2種類の方法に分類されます。

 

 

「トータルピッキング」とは、複数の出荷先からの出荷オーダーの商品をまとめてピッキング(取り出す)した後、個別の出荷オーダーごとに商品を仕分ける作業方法のことであり、「種まき方式」とも呼ばれています。

「シングルピッキング」とは、1つの出荷オーダーごとに保管場所から商品をピッキング(取り出す)する最も基本的な作業方法のことであり、「摘み取り方式」「オーダーピッキング」とも呼ばれています。

 

したがって、選択肢には「種まき方式ピッキングは、オーダー別に商品を一品ごとに集品する方法である」と記述されていますが、種まき方式ピッキング(トータルピッキング)は、複数オーダーの商品をまとめてピッキングした後、オーダー別に商品を仕分ける方法であり、オーダー別に商品を一品ごとに集品する方法とは、摘み取り方式ピッキング(シングルピッキング)のことであるため、選択肢の内容は不適切です

 

(オ) 不適切です。

「マテハン」とは「マテリアルハンドリング」の略称であり、生産拠点や物流拠点内の原材料、仕掛品、完成品の全ての移動にかかわる取扱いのことをいい、「マテハン機器」とは、運搬や荷役作業といった物流業務を効率化するために用いられる作業機械のことをいいます。

 

「パレタイザ」とは、箱詰めされた荷物をパレット上に積み上げる作業を自動化する装置のことをいいます。

「AGV(Automatic Guided Vehicle)」とは、倉庫や工場において、人の代わりに搬送作業を行う無人搬送車のことをいいます。

 

したがって、選択肢には「マテハン機器のうち、パレタイザは保管用の機器であり、AGV(Automatic GuidedVehicle)は仕分用の機器である」と記述されていますが、パレタイザは箱詰めされた荷物をパレット上に積み上げる作業を自動化する装置(保管用の機器ではない)であり、AGV(Automatic GuidedVehicle)は倉庫や工場における無人搬送車(仕分用の機器ではない)であるため、選択肢の内容は不適切です

 

過去に、マテハン機器の「保管用の機器(フローラック)」と「仕分用の機器(ソーター)」について出題されていますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

 

答えは(ウ)です。


 

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