事例Ⅲ ~③標準化とマニュアル化~

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今回は、中小企業診断士の二次試験(事例Ⅲ)において、よく出題されている「標準化とマニュアル化」について説明します。

 

目次

作業の標準化・マニュアル化・教育の実施

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」は、生産現場の作業手順を統一化することによって、作業品質の安定(Q)、生産コストの低減(C)、生産リードタイムの短縮(D)を実現します。

 

 

標準化とマニュアル化の過去問題

「標準化とマニュアル化」に関する過去問題の解説記事を以下に示します。

本ブログでは、平成23年度以降の過去問題について解説を掲載していますが、平成23年度と平成30年度を除いて毎年出題されていることが分かります。

 

 

与件文における問題点の表現方法

与件文に、以下のような問題点が記述されている場合は、対策として「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」を実施することによって、問題点を解決することができます。

 

  • 作業の標準化やマニュアル化が行われていない。
  • 作業者によって作業手順が異なっており、所要時間も変動している。
  • 作業者によって技術レベルや作業品質にばらつきがある。
  • 作業者の経験に基づき作業を実施している。
  • 作業者の判断により作業を実施している。
  • 作業のルールが確立されていない。
  • 特定の作業者しか機械を操作できない。

 

対策の実施

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」の実施手順を以下に示します。
「標準化」⇒「マニュアル化」⇒「教育の実施」という流れとなりますが、文字数制限が厳しいようであれば「教育の実施」は省略しても大丈夫だと考えられます

 

標準化

IE等により、各工程の作業内容や作業手順を洗い出したり、その作業手順の標準時間を測定することによって、作業の標準化を行います。

 

ポイント

「IE等により」という文言を追加するだけで、採点者から見ると、受験者がIEに関する知識を持っているような印象を与えることができるため、枕詞として入れておくと加点要素となる可能性があります。

 

マニュアル化

標準化された作業のマニュアルを作成します。

 

教育の実施

作成したマニュアルを用いて、作業者に体系的に教育することによって、生産現場に作業手順を浸透させていきます。

 

効果

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」による効果を以下に示します。

 

  1. 無駄な作業を無くすことができるため、誰が作業を実施しても適正な時間(標準時間)で作業を実施することができる。
  2. 作業者による技術レベルの差をなくすことができるため、作業品質を安定させることができる。
  3. 作業者を多能工化することができるため、工程間の柔軟な相互支援体制を確立することができる。
  4. 工程間の柔軟な相互支援体制の確立によって、工程間負荷のバラツキを低減することができるため、生産リードタイムを短縮することができる。
  5. 工程間の柔軟な相互支援体制の確立によって、工程間負荷のバラツキを低減することができ、無駄な手持ち時間が解消され、残業時間を抑制することができるため、コストを削減することができる。

 

過去問題の解答例(平成23年度~平成30年度)

本ブログで解説している試験問題の解答例の中から「標準化とマニュアル化」に関する内容を抜粋して以下に紹介しますので、参考としてください。

 

平成24年度 第2問

課題は、清掃・洗浄・消毒時間の短縮による人件費の削減、適正な製品在庫水準の維持による過大在庫と欠品の防止である。改善策は、IEにより清掃・洗浄・消毒作業を標準化・マニュアル化して作業者に教育すること、確定注文を反映した生産計画に基づき製品毎に適切なロットサイズで生産することである。(140文字)

 

平成25年度 第2問(設問2)

具体的には、CAD使用手順の標準化と部品のような設計要素のライブラリ化とCAD設計データの共有化を行い、属人化した設計業務の汎用化とライブラリ活用による設計業務の簡易化とCAD設計データの再利用による設計時間の短縮を実現して、設計業務を効率化する。(120文字)

 

平成26年度 第2問

対応策として、故障予防に主眼を置いた自動旋盤のメンテナンス実施頻度等に関する基準の設定と、IE等によるメンテナンス作業手順の標準化・マニュアル化と設備オペレーター教育によって、自動旋盤の精度を向上させる。(100文字)

 

平成27年度 第2問

問題点は、機械加工工程の設備稼働率が低いため、ネック工程となり日常的に残業が生じていることである。改善策は、機械調整作業の外段取り化による停止時間の短縮と製品脱着作業の標準化による空転時間の短縮である。(100文字)

 

平成28年度 第3問

着目するクレームは①カット形状不均一②鮮度劣化③異物混入であり、具体的対策は①全社を通じた設備メンテナンスルールとカット作業手順の標準化②仕掛品削減による製品出荷までの工場内放置時間の短縮③衛生管理ルールの整備と従業員への継続的教育である。(120文字)

 

平成29年度 第2問

課題は、担当する機械の他は操作できない多くの作業者を多能工化して工程間の支援体制を確立することである。対応策として、IE等により機械の操作方法や加工方法に関する技術情報の標準化とマニュアル化を行い、作業者が複数機械を操作できるよう教育を行う。(120文字)

 

「標準化とマニュアル化」は、毎年のように出題されている論点なので、確実に対応できるようにしておきましょう。

 


 

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