今回は、「運営管理 ~R3-36 輸配送管理(13)ユニットロード~」について説明します。
目次
運営管理 ~令和3年度一次試験問題一覧~
令和3年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
ユニットロード・パレチゼーション・複合一貫輸送・モーダルシフト・パレット・箱/容器 -リンク-
本ブログにて「ユニットロード」「パレチゼーション」「複合一貫輸送」「モーダルシフト」「パレット」「箱/容器」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
- ユニットロード・パレチゼーション・複合一貫輸送・モーダルシフト・パレット・箱/容器のまとめ
- R4-32 輸配送管理(14)輸送手段の特徴
- R4-33 輸配送管理(15)ユニットロード
- R3-33 輸配送管理(11)輸送手段
- R2-36 輸配送管理(9)輸送手段
- R2-37 輸配送管理(10)ユニットロード
- R1-34 輸配送管理(7)輸送手段の特徴
- H30-33 輸配送管理(2)ユニットロード
- H29-35 輸配送管理(3)輸送手段
- H29-36 輸配送管理(4)ユニットロード
- H28-35 輸配送管理(6)ユニットロード
ユニットロードシステム
「ユニットロードシステム」とは、輸送する物品や包装貨物を「パレット」や「コンテナ」などでユニット化して、輸送や保管を効率化する仕組みのことをいい、「パレット」や「コンテナ」などでユニット化された貨物のことを「ユニットロード」といいます。
「パレット」を用いてユニット化することを「パレチゼーション」といい、「コンテナ」を用いてユニット化することを「コンテナリゼーション」があります。
一貫パレチゼーション
複数の物品や包装貨物を「パレット」に積載してユニット化することを「パレチゼーション」といい、複数の物品や包装貨物を同一の「パレット」に乗せたまま、出発地から到着地まで輸送・保管することを「一貫パレチゼーション」といいます。
「一貫パレチゼーション」によって、輸送や保管に関わる要員の作業費用を削減したり、荷役に関する作業時間を短縮することができます。
また、輸送工程の途中で「ユニットロード」を積み崩す必要がないため、荷物に付くキズなどを防止することもできます。
問題点
- 「一貫パレチゼーション」により「輸送効率」を向上することができますが、「パレット」を積載したときに隙間ができるなど「積載効率」や「保管効率」が悪くなります。
- 「JIS」によって、「パレット」の規格が定められてはいますが、業界ごとに別の標準規格が定められているなど、「パレット」の統一規格が普及していないため、発送元の企業と受取先の企業が異なる規格の「パレット」を利用しているケースにおいては「一貫パレチゼーション」を実現できません。
- 貨物の輸送に使用した「パレット」を到着地から回収する必要があります。また、「パレット」を回収するまでの間にも別の荷物を貨物しなければならず「パレット」を余計に準備する必要があるなど、「パレット」の「回収コスト」や「保有コスト」が高くなってしまいます。
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【令和3年度 第36問】
物流におけるユニットロードに関する以下の文章において、空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ユニットロードシステムとは、パレットやコンテナなどの機材を用いて貨物をユニットロードにすることにより、[ A ]を機械化し、輸送や保管などを一貫して効率化する仕組みである。ユニットロードシステムの構築には、物流のモジュール化が必要であり、ユニットロードの標準的な[ B ]を決定する必要がある。
一方、ユニットロードシステムには対処すべき問題が発生する可能性がある。例えば、平パレットを利用して貨物をトラックで輸送する場合、トラックの積載効率が低下したり、[ C ]ことがある。
[解答群]
ア A:荷役 B:寸法 C:貨物をトラックから取り卸す時間が長くなったりする
イ A:荷役 B:寸法 C:納品後の平パレットの回収などの管理が必要になったりする
ウ A:荷役 B:販売価格 C:貨物をトラックから取り卸す時間が長くなったりする
エ A:包装 B:寸法 C:納品後の平パレットの回収などの管理が必要になったりする
オ A:包装 B:販売価格 C:納品後の平パレットの回収などの管理が必要になったりする
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
ユニットロードに関する知識を問う問題です。
ユニットロードシステム
「ユニットロードシステム」とは、輸送する物品や包装貨物を「パレット」や「コンテナ」などでユニット化して、輸送や保管を効率化する仕組みのことをいい、「パレット」や「コンテナ」などでユニット化された貨物のことを「ユニットロード」といいます。
一貫パレチゼーション
複数の物品や包装貨物を「パレット」に積載してユニット化することを「パレチゼーション」といい、複数の物品や包装貨物を同一の「パレット」に乗せたまま、出発地から到着地まで輸送・保管することを「一貫パレチゼーション」といいます。
「一貫パレチゼーション」によって、輸送や保管に関わる要員の作業費用を削減したり、荷役に関する作業時間を短縮することができます。
また、輸送工程の途中で「ユニットロード」を積み崩す必要がないため、荷物に付くキズなどを防止することもできます。
「一貫パレチゼーション」の実現に向けた問題点を以下に示します。
- 「一貫パレチゼーション」により「輸送効率」を向上することができますが、「パレット」を積載したときに隙間ができるなど「積載効率」や「保管効率」が悪くなります。
- 「JIS」によって、「パレット」の規格が定められてはいますが、業界ごとに別の標準規格が定められているなど、「パレット」の統一規格が普及していないため、発送元の企業と受取先の企業が異なる規格の「パレット」を利用しているケースにおいては「一貫パレチゼーション」を実現できません。
- 貨物の輸送に使用した「パレット」を到着地から回収する必要があります。また、「パレット」を回収するまでの間にも別の荷物を貨物しなければならず「パレット」を余計に準備する必要があるなど、「パレット」の「回収コスト」や「保有コスト」が高くなってしまいます。
穴埋め文章
上述の内容に基づき、問題文を穴埋めすると以下の文章となります。
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ユニットロードシステムとは、パレットやコンテナなどの機材を用いて貨物をユニットロードにすることにより、荷役を機械化し、輸送や保管などを一貫して効率化する仕組みである。ユニットロードシステムの構築には、物流のモジュール化が必要であり、ユニットロードの標準的な寸法を決定する必要がある。
一方、ユニットロードシステムには対処すべき問題が発生する可能性がある。例えば、平パレットを利用して貨物をトラックで輸送する場合、トラックの積載効率が低下したり、納品後の平パレットの回収などの管理が必要になったりすることがある。
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答えは(イ)です。
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