このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策 ~H30-17 予算制約と消費者の選択行動(2)エンゲル曲線~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H30-17 予算制約と消費者の選択行動(2)エンゲル曲線~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

需要の所得弾力性(η:エータ)

「需要の所得弾力性」とは「所得」が「1%」増減したときに「需要」がどれだけ反応するかを表しており、「所得の変化率」に対する「需要の変化率」として求めることができます。

 

 

「所得」が増加したときに「需要」が増加する場合「需要の所得弾力性」は「プラス」となり、「所得」が増加したときに「需要」が減少する場合「需要の所得弾力性」は「マイナス」となります。

また、「需要の所得弾力性」が大きいほど「所得」が増加したときに「需要」が大幅に増加することを示しています。

 

上級財・中立財・下級財

消費者の所得が増加または減少したときに需要がどのように変化するかによって、財は「上級財(正常財)」「中立財」「下級財(劣等財)」に分類されます。

財の分類は、一般論として決まっている訳ではなく、消費者の嗜好や所得により変わってきます

 

大分類 説明 需要の所得弾力性(η) 小分類 需要の所得弾力性(η)
上級財
(正常財)
所得が増加(減少)すると需要が増加(減少)する財 η > 0 奢侈財 η>1
必需財 0<η<1
中立財 所得が増加(減少)しても需要が変わらない財 η = 0
下級財
(劣等財)
所得が増加(減少)すると需要が減少(増加)する財 η < 0

 

上級財(正常財)

「上級財(正常財)」とは「所得が増加(減少)すると需要も増加(減少)する財」のことをいいます。
所得が増加(減少)すると需要も増加(減少)するということは「需要の所得弾力性(η)」が「プラス」であることを表しています。

 

  • 所得が増加(減少)すると需要も増加(減少)する財
  • 「需要の所得弾力性(η)」が「プラス」である財

 

さらに「上級財(正常財)」は「需要の所得弾力性(η)」の大きさにより「奢侈財」と「必需財」に分類されます。

 

奢侈財(しゃしざい)

「奢侈財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が高い「需要の所得弾力性」が「1」より大きい財( η>1 )のことをいいます。

「奢侈財」には、所得が増加して生活に余裕が出てくれば需要が大幅に増加しますが、所得が減少して生活が厳しくなれば需要が極端に減少する「ブランドバック」などの贅沢品が該当します。(ブランドバックに魅力を感じない消費者の場合は除く。)

 

  • 所得が増加(減少)すると需要が大幅に増加(減少)する財
  • 「需要の所得弾力性(η)」が「1」より大きい財

 

必需財

「必需財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が低い「需要の所得弾力性」が「1」より小さい財( 0<η<1 )のことをいいます。

「必需財」には、所得が増加したからと言って需要が大量に増加するわけでもなく、また所得が減少したからといって需要を極端に減少することもできない「お米」などの生活必需品が該当します。

ただし、「必需財」が常に「必需財」であるとは限りません。所得の大幅な増加により外食などが増えて需要が減少するようであれば「お米」は「上級財(必需財)」から「下級財」に変化する可能性があるということに注意が必要です。

 

  • 所得が増加(減少)しても需要が少ししか増加(減少)しない財
  • 「需要の所得弾力性(η)」が「0」より大きく「1」より小さい財

 

中立財

「中立財」とは「所得が増加(減少)しても需要が変わらない財」のことをいいます。
所得が増加(減少)しても需要が変わらないということは「需要の所得弾力性(η)」が「ゼロ」であることを表しています。

 

  • 所得が増加(減少)しても需要が変わらない財
  • 「需要の所得弾力性(η)」が「ゼロ」である財

 

下級財(劣等財)

「下級財(劣等財)」とは「所得が増加(減少)すると需要が減少(増加)する財」のことをいいます。
所得が増加(減少)すると需要が減少(増加)するということは「需要の所得弾力性(η)」が「マイナス」であることを表しています。

 

  • 所得が増加(減少)すると需要が減少(増加)する財
  • 「需要の所得弾力性(η)」が「マイナス」である財

 

エンゲル曲線

「エンゲル曲線」とは、縦軸に「財の需要」を、横軸に「所得」を取ったグラフで表される「ある消費者の所得と財の需要の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。

「所得消費曲線」においては、ある消費者の所得が変化したときの2つの財の「最適消費点」の変化を表していますが、「エンゲル曲線」は1つの財を対象としているため、直感的で分かりやすいと思います

 

上級財(正常財)

所得が増加(減少)すると需要も増加(減少)する「上級財(正常財)」の「エンゲル曲線」は右上がりの曲線となります

なお、「奢侈財」や「必需財」の場合は「エンゲル曲線」の形状が異なります

 

 

奢侈財(しゃしざい)

「奢侈財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が高い「需要の所得弾力性」が「1」より大きい財( η>1 )のことをいいます。

「奢侈財」の「エンゲル曲線」は、以下の図のように傾きが徐々に増加する右上がりの曲線となります

 

 

必需財

「必需財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が低い「需要の所得弾力性」が「1」より小さい財( 0<η<1 )のことをいいます。

「必需財」の「エンゲル曲線」は、以下の図のように傾きが徐々に減少する右上がりの曲線となります

 

 

 

「エンゲル曲線」の角度は関係なく「右上がりの曲線(直線)」となっている場合は「需要の所得弾力性」が「1」の財( η=1 )であることを示しています。

 

 

 

中立財

所得が増加(減少)しても需要が変わらない「中立財」の「エンゲル曲線」は水平の曲線(直線)となります

 

 

下級財(劣等財)

所得が増加(減少)すると需要が減少(増加)する「下級財(劣等財)」の「エンゲル曲線」は右下がりの曲線となります

なお、形状に関係なく、以下のような「エンゲル曲線」は全て「下級財(劣等財)」であることを示しています。

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第17問】

下図には、所得と財の需要量の関係を表すエンゲル曲線が描かれている。これらの図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

 

[解答群]

ア 下級財に関するエンゲル曲線は右図である。
イ コメなどの食料品は、一般的に生活必需品であるので、右図のようなエンゲル曲線を描くことができる。
ウ 左図のエンゲル曲線は、需要の増加の程度が、所得の増加の程度より小さくなることを示している。
エ 左図は、需要の所得弾力性が1より小さい場合のエンゲル曲線である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

エンゲル曲線に関する知識を問う問題です。

 

「エンゲル曲線」とは、縦軸に「財の需要」を、横軸に「所得」を取ったグラフで表される「ある消費者の所得と財の需要の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。

 

(ア) 適切です。

所得が増加(減少)すると需要が減少(増加)する「下級財(劣等財)」の「エンゲル曲線」は右下がりの曲線となります

なお、形状に関係なく、以下のような「エンゲル曲線」は全て「下級財(劣等財)」であることを示しています。

 

 

したがって、下級財に関するエンゲル曲線は右図であるため、選択肢の内容は適切です

 

(イ) 不適切です。

「必需財」には、所得が増加したからと言って需要が大量に増加するわけでもなく、また所得が減少したからといって需要を極端に減少することもできない「お米」などの生活必需品が該当します。

「必需財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が低い「需要の所得弾力性」が「1」より小さい財( 0<η<1 )のことをいいます。

「必需財」の「エンゲル曲線」は、以下の図のように傾きが徐々に減少する右上がりの曲線となります

 

 

したがって、コメなどの食料品は、一般的に生活必需品であるので、右図のようなエンゲル曲線とはならないため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「奢侈財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が高い「需要の所得弾力性」が「1」より大きい財( η>1 )のことをいいます。

「奢侈財」の「エンゲル曲線」は、以下の図のように傾きが徐々に増加する右上がりの曲線となります

 

 

したがって、左図のエンゲル曲線は、需要の増加の程度が、所得の増加の程度より小さくなるのではなく大きくなることを示しているため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

「奢侈財」とは「上級財」の中で「所得の変化率」よりも「需要の変化率」の方が高い「需要の所得弾力性」が「1」より大きい財( η>1 )のことをいいます。

「奢侈財」の「エンゲル曲線」は、以下の図のように傾きが徐々に増加する右上がりの曲線となります

 

 

したがって、左図は、需要の所得弾力性が1より小さい場合ではなく1より大きい場合のエンゲル曲線であるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ア)です。


 

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