ハードな2次試験、本当にお疲れ様でした。しばらくはゆっくり休みましょう。口述試験の準備は少し休んでから始めても十分に間に合います。

財務・会計 ~H26-21 ポートフォリオ理論(2)リスク~

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今回は、「財務・会計 ~H26-21 ポートフォリオ理論(2)リスク~」について説明します。

 

財務・会計 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

ポートフォリオ理論 -リンク-

「ポートフォリオ理論」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

 

リスク

一般的に「リスク」とは「危険」を表す言葉として認知されていますが、正確には「リスク」とは「不確実性さ」を意味しています

例えば、「ハイリスクハイリターン」な金融商品とは、大損をする可能性もあれば大儲けできる可能性もある商品のことをいいますが、これは「危険が大きければ儲けも大きくなる可能性がある」のではなく「不確実な度合いが大きければ儲けも大きくなる可能性がある」ということを意味しています。

 

投資のリスク

投資家は、利益を得るために投資を行いますが、投資には損失を被るという「投資のリスク」もあります。

「投資のリスク」は、複数の投資先への「分散投資」によって低減することができますが、損失を被るリスクをすべて回避することはできません。

それは、「投資のリスク」に、個別銘柄に起因する「アンシステマティック・リスク」と、市場そのものに起因する「システマティック・リスク」があり、「分散投資」をしても「システマティック・リスク」を回避することはできないためです。

 

アンシステマティック・リスク

「アンシステマティック・リスク」は「個別銘柄リスク」とも呼ばれ、「銘柄固有の理由によるリスク」であり「分散投資によって低減できるリスク」です。

 

  • 銘柄固有の理由によるリスク
    企業の業績動向など銘柄固有の理由により、株式等の価値が下落するリスクです。
  • 分散投資によって低減できるリスク
    「アンシステマティック・リスク」は、複数の銘柄への分散投資によって「投資のリスク」を低減することができます
    例えば、「企業A」「企業B」「企業C」の株式で構成しているポートフォリオでは、「企業A」の業績が著しく悪くて株式の価値が下落しても、「企業B」や「企業C」の株式が価値を維持している場合は、ポートフォリオへの影響は「企業A」の株式だけを保有しているよりも低減することができます。

 

システマティック・リスク

「システマティック・リスク」は「市場リスク」とも呼ばれ、「市場全体が影響を受けるリスク」であり、「分散投資によって低減できないリスク」です。

 

  • 市場全体が影響を受けるリスク
    海外市場の変動、金利の上昇や下落、政府要人の発言、災害・テロの発生などにより、市場全体が影響を受けるリスクです。
  • 分散投資によって低減できないリスク
    複数の銘柄に分散投資をしても、市場全体が受ける影響を回避することはできないため、投資のリスクを低減することはできません

 

企業のリスク管理

企業としては被る損失を事前に回避したり軽減できるようリスクを管理する必要があります。

企業にとってのリスクは、「災害リスク」「システムリスク」「法的リスク」「損害賠償リスク」など多岐にわたりますが、以下では「財務・会計」に関連するリスクについて説明します。

 

信用リスク

「信用リスク」とは、取引相手先の信用状況の変化(債務超過、倒産など)により、債権回収ができなくなるリスクです。

海外企業が取引先だった場合、戦争や革命などが起きて債権が回収できなくなる「カントリーリスク」も含まれます。

 

市場リスク

「市場リスク」には「為替変動リスク」や「金利変動リスク」があります。

 

為替変動リスク

「為替変動リスク」とは、為替相場の変動により、外貨取引で為替差損を被るリスクです。

輸入や輸出など海外企業と取引を行う企業は、デリバティブ取引(為替予約、オプション取引)を活用して、為替相場の変動による損失を回避します。

 

金利変動リスク

「金利変動リスク」とは、金利の変動により債券などの資産価値が減少するリスクです。

債券は金利変動による影響を受けやすく、市場の金利が高くなれば債券の価値は下がり、市場の金利が低くなれば債券の価値が上がります。

 

流動性リスク

「流動性リスク」には「市場流動性リスク」や「資金調達リスク」があります。

 

市場流動性リスク

「市場流動性リスク」とは、市場における取引ができなくなったり、通常より著しく不利な価格でしか売ることができなくなるリスクです。

そのような事態が発生するのは、そもそも市場での取引量が少ない商品(流動性が低い商品)の場合や、大暴落、システム停止、災害、戦争などにより取引自体ができなくなるケースが考えられます。

 

資金調達リスク

「資金調達リスク」とは、通常より著しく不利な価格でしか資金を調達できなくなるリスクです。

例えば、上述した「市場流動性リスク」により資金を回収できなかったり、通常より著しく高い金利でしか借入ができなかったりというケースが考えられます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第21問】

システマティック・リスクの意味として、最も適切なものはどれか。

 

ア 先物価格と現物価格との差が理論値からかい離することにより損益が変動するリスク。
イ 市場全体との相関によるリスクであり、分散化によって消去できないリスク。
ウ 市場で取引量が少ないために、資産を換金しようと思ったときにすぐに売ることができない、あるいは希望する価格で売ることができなくなるリスク。
エ 取引相手に信用供与を行っている場合に、取引相手の財務状況の悪化や倒産により利払いや元本の受取が滞ってしまうリスク。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

システマティック・リスクに関する知識を問う問題です。

 

(ア)不適切です。

「先物価格と現物価格との差が理論値からかい離することにより損益が変動するリスク」とは、「ベーシス・リスク」の代表的な例です。

「ベーシス」とは先物価格と現物価格との差を意味しており、理論的には現物を先物の受渡期日まで保有したときの費用に等しく、受渡期日が近づくにつれて徐々に小さくなり受渡期日にはゼロになりますが、現実的には先物市場と現物市場のそれぞれが独立して変動するため、「ベーシス」が理論値から離れて変動します。この変動リスクのことを「ベーシス・リスク」といいます。

 

したがって、先物価格と現物価格との差が理論値からかい離することにより損益が変動するリスクとは「ベーシス・リスク」のことを表しているため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ)適切です。

投資のリスクは、企業に起因するもの(アンシステマティック・リスク/非市場リスク)と、市場そのものに起因するもの(システマティック・リスク/市場リスク)に分類されます

「システマティック・リスク」は「市場リスク」とも呼ばれ、「市場全体が影響を受けるリスク」であり、「分散投資によって低減できないリスク」です。

 

  • 市場全体が影響を受けるリスク
    海外市場の変動、金利の上昇や下落、政府要人の発言、災害・テロの発生などにより、市場全体が影響を受けるリスクです。
  • 分散投資によって低減できないリスク
    複数の銘柄に分散投資をしても、市場全体が受ける影響を回避することはできないため、投資のリスクを低減することはできません

 

したがって、市場全体との相関によるリスクであり、分散化によって消去できないリスクとは「システマティック・リスク」のことを表しているため、選択肢の内容は適切です

 

(ウ)不適切です。

市場における取引ができなくなったり、通常より著しく不利な価格でしか売ることができなくなるリスクのことを「市場流動性リスク」といいます

そのような事態が発生するのは、そもそも市場での取引量が少ない商品(流動性が低い商品)の場合や、大暴落、システム停止、災害、戦争などにより取引自体ができなくなるケースが考えられます。

 

したがって、市場で取引量が少ないために、資産を換金しようと思ったときにすぐに売ることができない、あるいは希望する価格で売ることができなくなるリスクとは「流動性リスク(市場流動性リスク)」のことを表しているため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ)不適切です。

取引相手先の信用状況の変化(債務超過、倒産など)により、債権回収ができなくなるリスクでのことを「信用リスク」といいます。

海外企業が取引先だった場合、戦争や革命などが起きて債権が回収できなくなる「カントリーリスク」も含まれます。

 

したがって、取引相手に信用供与を行っている場合に、取引相手の財務状況の悪化や倒産により利払いや元本の受取が滞ってしまうリスクとは「信用リスク」のことを表しているため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(イ)です。


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