財務・会計 ~H30-16 ポートフォリオ理論(5)~

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今回は、「財務・会計 ~H30-16 ポートフォリオ理論(5)~」について説明します。

財務・会計 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

ポートフォリオ理論 -リンク-

「ポートフォリオ理論」については、過去にも説明していますので、以下のページにもアクセスしてみてください。

投資のリスク

投資家は、利益を得るために投資を行いますが、投資には損失を被るという「投資のリスク」もあります。

「投資のリスク」は、複数の投資先への「分散投資」によって低減することができますが、損失を被るリスクをすべて回避することはできません。

それは、「投資のリスク」に、個別銘柄に起因する「アンシステマティック・リスク」と、市場そのものに起因する「システマティック・リスク」があり、「分散投資」をしても「システマティック・リスク」を回避することはできないためです。

アンシステマティック・リスク

「アンシステマティック・リスク」は「個別銘柄リスク」とも呼ばれ、「銘柄固有の理由によるリスク」であり「分散投資によって低減できるリスク」です。

  • 銘柄固有の理由によるリスク
    企業の業績動向など銘柄固有の理由により、株式等の価値が下落するリスクです。
  • 分散投資によって低減できるリスク
    「アンシステマティック・リスク」は、複数の銘柄への分散投資によって「投資のリスク」を低減することができます
    例えば、「企業A」「企業B」「企業C」の株式で構成しているポートフォリオでは、「企業A」の業績が著しく悪くて株式の価値が下落しても、「企業B」や「企業C」の株式が価値を維持している場合は、ポートフォリオへの影響は「企業A」の株式だけを保有しているよりも低減することができます。

システマティック・リスク

「システマティック・リスク」は「市場リスク」とも呼ばれ、「市場全体が影響を受けるリスク」であり、「分散投資によって低減できないリスク」です。

  • 市場全体が影響を受けるリスク
    海外市場の変動、金利の上昇や下落、政府要人の発言、災害・テロの発生などにより、市場全体が影響を受けるリスクです。
  • 分散投資によって低減できないリスク
    複数の銘柄に分散投資をしても、市場全体が受ける影響を回避することはできないため、投資のリスクを低減することはできません

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第16問】

分散投資によるポートフォリオのリスク減少の様子を示した以下の図と、図中の①と②に当てはまる用語の組み合わせのうち、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]

ア 図A
①:システマティック・リスク
②:非システマティック・リスク

イ 図A
①:非システマティック・リスク
②:システマティック・リスク

ウ 図B
①:システマティック・リスク
②:非システマティック・リスク

エ 図B
①:非システマティック・リスク
②:システマティック・リスク

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

分散投資によるポートフォリオのリスク減少に関する知識を問う問題です。

①と②のリスクの種類

「アンシステマティック・リスク」は「個別銘柄リスク」とも呼ばれ、複数銘柄への分散投資によって投資のリスクを低減することができますが、「システマティック・リスク」は「市場リスク」とも呼ばれ、海外市場の変動、金利の上昇や下落、政府要人の発言、災害・テロの発生などにより市場全体が影響を受けるリスクであり、複数銘柄に分散投資しても、市場全体が受ける影響を回避することはできないため、投資のリスクを低減することはできません

図Aと図Bのグラフにおいて、①は「組込銘柄数を増やすことによって低減することができるリスク」を、②は「組込銘柄数を増やしても取り除くことができないリスク」を表しています

したがって、① と ② は以下のリスクを示しています。

  • ① アンシステマティック・リスク(非システマティック・リスク)
  • ② システマティック・リスク

これで、選択肢は(イ)と(エ)に絞られました

アンシステマティック・リスクに関するグラフの形について

選択肢をさらに絞り込むために「図A」と「図B」のグラフの形の違いについて考えていきますが、「①アンシステマティック・リスク」における「組込銘柄数」と「リスク」の関係をグラフで表現した場合、結論から言うと「図B」の形で推移するため、選択肢(エ)が解答となります。

これ以降の記事は、「①アンシステマティック・リスク」における「組込銘柄数」と「リスク」の関係を示したグラフが「図B」になることが直感的に理解できる方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。

ある投資家が総額100万円を株式に投資している状況において、「企業A」が倒産してしまった場合の投資金額の現在価値がどのように変化していくかについて考えていきます。

なお、「企業A」以外の株式の価値は一切増減していないと仮定します。

投資先が1企業であり、当該の企業が倒産した場合

投資先が2企業であり、企業Aが倒産した場合

投資先が3企業であり、企業Aが倒産した場合

投資先が4企業であり、企業Aが倒産した場合

投資先が5企業であり、企業Aが倒産した場合

組込銘柄数と株式の現在価値の関係

「組柄銘柄数」と「投資金額の現在価値」をグラフで表すと以下の通りとなります。

組込銘柄数とアンシステマティック・リスクの関係

総額100万円を投資している投資家にとって、ポートフォリオの現在価値が低いほど(組込銘柄数が少ないほど)リスクが高いということを表しているため、「組込銘柄数」と「アンシステマティック・リスク」のグラフは以下の通りとなります。

したがって、「①アンシステマティック・リスク」における「組込銘柄数」と「リスク」の関係を示したグラフは「図B」となるため、選択肢(エ)が解答となります。

答えは(エ)です。


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