財務・会計 ~平成29年度二次試験 事例Ⅳ 解答例(1)~

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皆様、二次試験本当にお疲れさまでした。
事例Ⅰ、事例Ⅱ、事例Ⅲと、頭をフル回転させた後の事例Ⅳは集中力を維持するのも難しく、とても疲れるので、まずは試験が終わり、ほっとしているのではないかと思います。

口述試験に向けた準備はもう少ししてから始めれば間に合います。

今はゆっくりと休んでください。

私としては、Webサイトに公開された二次試験の問題を見てると、解きたくなってきましたので、少しずつ二次試験の解答(例)も説明していこうと思います。

既に一部の業者から解答速報が出ていますが、私なりの思考ロジックに基づく解答(案)を以下に説明しますので、参考にしてもらえればと思います。

第1問 設問1(経営分析)

毎年同じですが、与件文と財務諸表に基づき、経営分析を行う問題です。

「収益性」「効率性」「安全性」の3つの視点からそれぞれ1つずつ、合計3つの適切な財務指標を選択して回答する必要があります。

以下に示す内容は、この問題を解いていくにあたっての私の思考の流れに沿って記載しています。

【安全性(貸借対照表)】

安全性については、貸借対照表だけを確認すれば状況を把握することができます。

【考察】
  • 流動資産が多いけど流動負債も多いから流動比率はそれほど変わらない。(-)
  • 固定資産が多すぎる。(×)
  • 負債(特に固定負債)が多すぎる。(×)
  • 純資産は少なすぎる。(×)
【検討結果】
  • 固定比率が高すぎる。(×)
  • 負債比率が高すぎる。(×)
    ⇒負債比率が高いと収益性の売上高営業費用比率も高くなるはず。
  • 自己資本比率が低すぎる。(×)

固定比率、負債比率、自己資本のどれを選択すべきか悩む。


【収益性】

収益性を示す財務諸表の多く(総資本経常利益率を除く)は、損益計算書だけを確認すれば状況を把握することができます。

【考察】
  • 売上高総利益率が低い。(×)
    与件文によると、得意先からの価格交渉により適正な利益を確保できていないこと、および加工コストの削減が課題として挙げられているため、選択すべき財務指標の一つと考える。
  • 販売費及び一般管理費は少ない。(〇)
    与件文を読むと営業面の課題が記載されているため、効率的な営業ができているわけではなく、悪い意味で販管費が少ないように見受けられるため、回答には採用しない。
  • 営業利益は高いが、売上高の比較結果に比べるとそれほど突出はしていない。(-)
  • 当然ながら、営業外費用が多い。(×)
    ⇒負債比率が高いため、売上高営業外費用比率が高くて当然である。
  • 減損と工場閉鎖で、特別損失を出してる。(×)
  • 当期純利益が低すぎる。(×)
【検討結果】
  • 売上高総利益率が低い。(×)
  • 売上高営業外費用比率が高い(×)
    「安全性」で負債比率が高いので、当然そうなる。
    安全性で固定比率を選択するようであれば、売上高営業外費用比率を選択してもよいが「負債比率(または自己資本比率)」を課題として取り上げるのであれば、内容が重複するため選択しない。
  • 売上高当期純利益率が低い(×)
    特別損失も出しているため、候補として残しておく。

売上高総利益率、売上高営業外費用比率、売上高当期純利益率が候補か。


【効率性】

財務諸表一覧(効率性)

効率性については、財務諸表をぱっと見ただけでは確認できないため、指標を全て計算してみます。

上述の通り、収益性と安全性ともに課題を示しているため、効率性ではきっと同業他社に比べて優れた財務指標があると推定されます。

財務指標(効率性) D社 同業他社 比較
総資本回転率 1.25回 1.16回
売上債権回転率 9.95回 7.63回
棚卸資産回転率 22.95回 14.05回
固定資産回転率 1.82回 1.77回
有形固定資産回転率 1.93回 1.82回

【考察】
  • 棚卸資産回転率が高い(◎)
    ここしか優れている点は見つからないが、与件文にもあまり直接的な表現はない。
    あえて探すとすれば、子会社と連携して加工から発送までの体制を有しているため、在庫を持つことなく、商品の回転率を高く保っている。という感じか。
  • 売上債権回転率が高い(〇)
    優れているかもしれないが棚卸資産回転率ほどではない。
    与件文にも関連するような記載は見当たらない。
  • 固定資産回転率(-)と有形固定資産回転率(-)は同業他社とあまり変わらない。
    この2つの財務指標が同業他社と変わらないということは、安全性の固定比率が高い理由は固定資産が多いからではなく、自己資本が少なすぎるからと結論付けることができる。そのため、安全性で選ぶべき指標は、固定比率ではなく、負債比率(または自己資本比率)であると考える。
【結果】
  • 「棚卸資産回転率」を同業他社と比べて優れている指標として選択する。


最終結果

効率性
  • 優れている指標として「棚卸資産回転率(効率性)」を選択する。
安全性
  • 固定資産回転率(-)と有形固定資産回転率(-)が同業他社とあまり変わらないということは、安全性の固定比率が高い理由は固定資産が多いからではなく、自己資本が少なすぎるからと結論付けることができる。そのため、安全性で選ぶべき指標は、固定比率ではなく、負債比率または自己資本比率であると考える。
  • 同業他社より営業利益は高いのに経常利益が低いのは、営業外費用が高いことが理由である。つまり、負債が多いことがD社の課題であると判断し、課題を示す指標として「負債比率(安全性)」を選択する。
収益性
  • 安全性で「負債比率」を選択するため、収益性で「売上高営業外費用比率」を選択することはない。とした場合、売上高総利益率と売上高当期純利益率のいずれを選択するかが悩ましい。
  • 与件文を確認すると、営業面と生産面の課題が総原価に関する内容を明示していること、および特別損失は一時的なものであり恒久的に発生するものではないことから、課題を示すもう一つの指標として「売上高総利益率(収益性)」を選択する。

第1問 設問2(経営分析)

設問2では、同業他社と比較した場合の特徴を求められています。

考え方

特徴には、「収益性」「効率性」「安全性」の3つの観点を入れるのが鉄則です。

  • 効率性は高いが営業面と生産面で課題が多く収益性が低い。借入金が多く安全性が低い。

回答

これまでの説明内容から、私だったら以下の通り解答します。

(設問1)

(a) (b)
売上高総利益率 12.70(%)
負債比率 403.14(%)
棚卸資産回転率 22.95(回)

⇒②ですが、TACの解答を見ると純資産から非支配株主持分が控除されていますね。
それは意識していなかった。

(設問2)

効率性は高いが営業面と生産面の課題が多く収益性が低い。借入金が多く安全性が低い。
(40文字)


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