事例Ⅲ ~令和元年度 解答例(3)(第2問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~令和元年度 解答例(3)(第2問)~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~令和元年度試験問題一覧~

令和元年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第2問

第2問(配点20点)

 

自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果とリスクを100字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第2問では、自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合のC社における生産面での効果とリスクを分析する能力を問われています。

 

「自動車部品機械加工の受託生産計画」に記述されている内容を参考にして、生産面での効果とリスクを解答していきますが、「第3問」も「自動車部品機械加工の受託生産計画」に記載されている内容に関連しているため、「第2問」の解答で抽出すべき箇所がどこなのかを明確にしてから解答を構成することが重要です。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、2ページ目の後半に記述されています。

 

「第2問」と「第3問(設問1)」と「第3問(設問2)」で解答すべき内容と、与件文に記述されている内容の関連付けが非常に難しくなっています。

「2ページ」の後半以降で記述されている「自動車部品機械加工の受託生産計画」において、「第3問(設問1)」の「新工場計画」に関する記述「第3問(設問2)」の「外注かんばんを使った後工程引取方式」に関する記述を除く箇所から、「C社における生産面での効果とリスク」を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

 

  • その内容は、自動車部品専用の熱処理設備で加工しているX社の全ての部品の機械加工であり、C社では初めての本格的量産機械加工になる。受託する金属部品は、寸法や形状が異なる10種類の部品で、加工工程は部品によって異なるがそれぞれ5工程ほどの機械加工となり、その加工には、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械が必要になる。この受託生産に応える場合、機械加工部門の生産量は現在の約2倍になると予想され、現状と比較して大きな加工能力を必要とする。
    ⇒一番のポイントは最後の文章であり、X社からの機械加工の受託生産に応じる場合の効果の要因である「機械加工部門の生産量は現在の約2倍になると予想される」と、リスクの要因である「現状と比較して大きな加工能力を必要とする」が記述されています
    「機械加工部門の生産量は現在の約2倍になると予想される」ことは、工場の生産能力を確保できるのかというリスクでもありますが、工場の生産能力を確保できれば、売上が増加するという効果が得られます。また、生産面で考えると現在の多品種少量の受注生産よりも設備の稼働率が高まり生産性が向上するという効果が得られます。
    また、「現状と比較して大きな加工能力を必要とする」ことは、工場の生産能力を確保するために、現在の生産量の約2倍を処理できる工作機械に対する多額の設備投資が発生することを意味しています。設備投資は企業にとって大きなリスクです。

 

生産面での効果とリスク

抜粋した生産面での「効果」と「リスク」を以下に示します。

 

効果

生産面での「効果」について抜粋した結果は以下の通りです。

 

  • 自動車部品専用の熱処理設備で加工しているX社の全ての部品の機械加工であり、C社では初めての本格的量産機械加工になる。
  • この受託生産に応える場合、機械加工部門の生産量は現在の約2倍になると予想される。

 

本格的量産機械加工により生産量が現在の約2倍になれば「売上高が増加する」という効果も得られますが、今回の問題では「生産面」での効果を問われているため「設備の稼働率が高まり生産性が向上する」という効果を記述する方が適切です。

 

  • この受託生産に応える場合の生産面での効果は、本格的量産体制により機械加工部門の生産量が現在の約2倍となるため設備の稼働率が高まり生産性が向上することである。(77文字)

 

リスク

生産面での「リスク」について抜粋した結果は以下の通りです。

 

  • 受託する金属部品は、寸法や形状が異なる10種類の部品で、加工工程は部品によって異なるがそれぞれ5工程ほどの機械加工となり、その加工には、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械が必要になる。
  • この受託生産に応える場合、現状と比較して大きな加工能力を必要とする。

 

上記の2つの文章を元に、生産面での「リスク」を整理します。

 

  • この受託生産に応える場合の生産面でのリスクは、現状と比較して大きな加工能力が必要となるため、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械に対する多額の設備投資が発生することである。(99文字)

 

効果とリスク

生産上の「効果」と「リスク」を組み合わせて、文字数を削減します。

 

  • この受託生産に応える場合の生産面での効果は、本格的量産体制により機械加工部門の生産量が現在の約2倍となるため設備の稼働率が高まり生産性が向上することであり、リスクは、現状と比較して大きな加工能力が必要となるため、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械に対する多額の設備投資が発生することである。(158文字)

 

文章が長すぎるため、簡潔にします。

 

  • 効果は本格的量産体制により機械加工部門の生産量が現在の約2倍となるため設備の稼働率が高まり生産性が向上すること、リスクは大きな加工能力が必要となるため工作機械に対する多額の設備投資が発生することである。(100文字)

 

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、100文字以内にまとめます。

 

効果は本格的量産体制により機械加工部門の生産量が現在の約2倍となるため設備の稼働率が高まり生産性が向上すること、リスクは大きな加工能力が必要となるため工作機械に対する多額の設備投資が発生することである。(100文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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