事例Ⅲ ~令和元年度 解答例(2)(第1問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~令和元年度 解答例(2)(第1問)~」について説明します。

事例Ⅲ ~令和元年度試験問題一覧~

令和元年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

第1問

第1問(配点20点)

C社の事業変遷を理解した上で、C社の強みを80字以内で述べよ。

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

解答の方向性

第1問では、輸送用機械、産業機械、建設機械などに用いられる金属部品の製造業を顧客に、金属熱処理および機械加工を営むC社の事業変遷を理解した上で、C社の強みを分析する能力を問われています。

「事例Ⅲ」の第1問としてよくあるパターンの問題であり、与件文から該当する文言を抜き出して列挙していきます。与件文から該当する文言を抜き出すのはそれほど難しくありませんが、抜き出した内容を文字数内に収めるために取捨選択するのが難しい問題です。

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、1ページの全般と、2ページ目の前半に記述されています。

「1ページ」に記述されている「企業概要」と、「2ページ」に記述されいている「生産の概要」の前半から、「C社の強み」を抜粋していきます。

問題文の中では、以下の部分が該当します。

詳細に示すと以下の通りとなります。

  • 金属熱処理とは、金属材料に加熱と冷却をして、強さ、硬さ、耐摩耗性、耐食性などの性質を向上させる加工技術である。多くの金属製品や部品加工の最終工程として、製品品質を保証する重要な基盤技術である。金属材料を加熱する熱処理設備など装置産業の色彩が強く、設備投資負担が大きく、また素材や形状による温度管理などの特殊な技術の蓄積が必要である。このため、一般に金属加工業では、熱処理は内製せず熱処理業に外注する傾向が強い。C社は創業当初から、熱処理専業企業として産業機械や建設機械などの部品、ネジや歯車など他社の金属製品を受け入れて熱処理を行ってきた。
    ⇒C社では、創業当初から、製品品質を保証する重要な基盤技術である熱処理加工を行ってきたため、特殊な技術の蓄積が必要な熱処理加工技術を有していると記述されています。一般的な金属加工業においては、熱処理加工を内製せずに外注する傾向が強いことを考えると、創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有していることは、C社の「強み」として捉えていきます。

  • その後、熱処理加工だけでなく、その前工程である部品の機械加工も含めた依頼があり、設計部門と機械加工部門をもった。設計部門は、発注先から指示される製品仕様をC社社内の機械加工用に図面化するもので、現在2名で担当している。機械加工は、多品種少量の受注生産で、徐々に受注量が増加し、売上高の増加に貢献している。
    ⇒C社では、熱処理加工だけでなく、その前工程である部品の機械加工にも対応することができ、機械加工の受注量が徐々に増加し、売上高の増加に貢献していると記述されています。熱処理加工を内製せずに外注する傾向が強い金属加工業の中で、部品の機械加工から熱処理加工まで一貫生産体制を有していることは、C社の「強み」として捉えていきます。
    ⇒機械加工は多品種少量の受注生産であり、発注先から指示される製品仕様をC社社内の機械加工用に図面化する必要があるため、設計部門を設置したと記述されています。設計部門を設置したことで、増加する受注量にも対応することができたと考えると、設計部門を有しており多品種少量の受注生産に対応できることは、C社の「強み」として捉えていきます。

  • 約10年前、所属する工業会が開催した商談会で、金属熱処理業を探していた自動車部品メーカーX社との出会いがあり、自動車部品の熱処理を始めた。その後X社の増産計画により、自動車部品専用の熱処理工程を増設し、それによってC社売上高に占めるX社の割合は約20%までになっている。さらに現在、X社の内外作区分の見直しによって、熱処理加工に加え、前加工である機械加工工程をC社に移管する計画が持ち上がっている。
    ⇒C社の強みとして取り上げている「創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有していること」により、自動車部品メーカーX社から自動車部品の熱処理を受注して、C社売上高に占めるX社の割合が約20%まで成長したと記述されています。また、「部品の機械加工から熱処理加工まで一貫生産体制を有していること」によって、X社の内外作区分の見直しによって、熱処理加工に加え、前加工である機械加工工程をC社に移管する計画が持ち上がっていると記述されています。
    創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有していること」と「部品の機械加工から熱処理加工まで一貫生産体制を有していること」がC社の強みであることを裏付ける根拠となっています。

  • 熱処理は、加熱条件や冷却条件等の設定指示はあるものの、金属材料の形状や材質によって加熱・冷却温度や速度などの微調整が必要となる。そのため金属熱処理技能検定試験に合格し技能士資格をもつベテラン作業者を中心に作業が行われ品質が保持されている。また、機械加工も汎用機械加工機の扱いに慣れた作業者の個人技能によって加工品質が保たれている。
    ⇒機械加工は汎用機械加工機の扱いに慣れた作業者の個人技能によって、また金属材料の形状や材質によって加熱・冷却温度や速度などの微調整が必要な熱処理加工は金属熱処理技能検定試験に合格し技能士資格をもつベテラン作業者を中心に作業が行うことで品質を保持できていると記述されています。スキルの高い作業者により機械加工と熱処理加工の作業品質を保持できていることはC社の「強み」として捉えていきます。

C社の強み

上記で抜き出した「強み」を以下に示します。

  • 創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有すること(25文字)
  • 機械加工から熱処理加工まで一貫生産体制を有すること(25文字)
  • 設計部門を有しており多品種少量の受注生産に対応できること(28文字)
  • スキルの高い作業者により作業品質を保持していること(25文字)

文字数の制限が「80文字」ですが、全ての強みの文字数を合計すると100文字を超えてしまうため、文章を簡潔にしていく必要がありそうです。

自動車部品メーカーX社との取引から業績が拡大したというC社の事業変遷を考慮すると、「創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有すること」と「機械加工から熱処理加工まで一貫生産体制を有すること」は重要な要素なので、できる限り割愛せずに記述するようにします。

  • C社の強みは、創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有すること、設計部門を有しており多品種少量の受注生産に対応できること、機械加工から熱処理加工まで一貫生産体制を有すること、スキルの高い作業者により作業品質を保持していることである。(121文字)

  • C社の強みは、創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工技術を有すること、多品種少量の受注生産に対応できる設計部門とスキルの高い作業者により品質が保持している機械加工と熱処理加工の一貫生産体制を有することである。(106文字)

  • C社の強みは、創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工ができること、多品種少量の受注生産に対応できる設計部門とスキルの高い作業者による品質の高い機械加工と熱処理加工体制を有することである。(95文字)

  • 創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工ができること、多品種少量の受注生産に対応できる設計部門とスキルの高い作業者による機械加工と熱処理加工体制を有すること。(80文字)

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、80文字以内にまとめます。

創業当初から蓄積した特殊技術により熱処理加工ができること、多品種少量の受注生産に対応できる設計部門とスキルの高い作業者による機械加工と熱処理加工体制を有すること。(80文字)

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。


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