事例Ⅲ ~平成25年度 解答例(5)(第2問-設問2)~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成25年度 解答例(5)(第2問-設問2)~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成25年度試験問題一覧~

平成25年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

作業の標準化・マニュアル化・教育の実施

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」は、生産現場の作業手順を統一化することによって、作業品質の安定(Q)、生産コストの低減(C)、生産リードタイムの短縮(D)を実現します。

 

 

与件文に記述されている問題点

与件文に、以下のような問題点が記述されている場合は、対策として「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」を実施することによって、問題点を解決することができます。

 

  • 作業の標準化やマニュアル化が行われていない。
  • 作業者によって作業手順が異なっており、所要時間も変動している。
  • 作業者によって技術レベルや作業品質にばらつきがある。
  • 作業者の経験に基づき作業を実施している。
  • 作業者の判断により作業を実施している。
  • 作業のルールが確立されていない。
  • 特定の作業者しか機械を操作できない。

 

対策の実施

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」の実施手順を以下に示します。
「標準化」⇒「マニュアル化」⇒「教育の実施」という流れとなりますが、文字数制限が厳しいようであれば「教育の実施」は省略しても大丈夫だと考えられます

 

標準化

IE等により、各工程の作業内容や作業手順を洗い出したり、その作業手順の標準時間を測定することによって、作業の標準化を行います。

 

ポイント

「IE等により」という文言を追加するだけで、採点者から見ると、受験者がIEに関する知識を持っているような印象を与えることができるため、枕詞として入れておくと加点要素となる可能性があります。

 

マニュアル化

標準化された作業のマニュアルを作成します。

 

教育の実施

作成したマニュアルを用いて、作業者に体系的に教育することによって、生産現場に作業手順を浸透させていきます。

 

効果

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」による効果を以下に示します。

 

  1. 無駄な作業を無くすことができるため、誰が作業を実施しても適正な時間(標準時間)で作業を実施することができる。
  2. 作業者による技術レベルの差をなくすことができるため、作業品質を安定させることができる。
  3. 作業者を多能工化することができるため、工程間の柔軟な相互支援体制を確立することができる。
  4. 工程間の柔軟な相互支援体制の確立によって、工程間負荷のバラツキを低減することができるため、生産リードタイムを短縮することができる。
  5. 工程間の柔軟な相互支援体制の確立によって、工程間負荷のバラツキを低減することができ、無駄な手持ち時間が解消され、残業時間を抑制することができるため、コストを削減することができる。

 

第2問

第2問(配点40点)

 

C社では、顧客からの問い合わせに迅速に対応するため、また、短納期化に対応するため、技術部内の情報の共有化や業務の効率化を図る計画がある。この計画について、以下の設問に答えよ。

 

(設問2)

技術部内の業務効率化を図るために必要な具体的改善内容を120字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第2問(設問2)では、C社の技術部内での課題を把握し、顧客問い合わせに対する迅速化と短納期化を目的に業務効率化を図るための改善方法を分析・提案する能力を問われています。

 

この問題のキーワードは「標準化」と「共有化」です。
「標準化」と「共有化」により、設計業務の標準化や設計データの再利用を実現して、設計業務の効率化や設計時間の短縮を実現して、技術部内の業務効率化を図っていく方向で解答を構成していきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【C社の主要取引先X社の動向】の中盤に記述されています。

 

【C社の主要取引先X社の動向】の中盤に一段落に、「担当している設計担当者しか分からない」「部品のような設計要素のライブラリー化などは行われていない」「CADの使用方法についての標準化やデータの共有化は図られておらず」「設計担当者各人がそれぞれ独自に使用している」「設計担当業務には大きな時間が割かれている」という風に、問題点が多数列挙されているため、これらに対する改善内容を一つずつ解答していけば業務効率化を図ることができます

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

 

  • 会社組織には受注、設計および据付業務を担当する技術部、関西本社工場および関東工場での製造・物流を担当する製造部、新製品開発を担当する開発部、経理および総務業務を担当する総務部がある。なお、技術部は本社のほか、中部支店と東京支店に配置されている。
    ⇒技術部は、受注、設計から据付業務まで幅広い業務を実施していることが分かります。

 

  • 受注、現地調査、設計は技術部内で受注物件ごとに選任された設計担当者が担当し、通信施設での調整事項や設計変更などの内容は担当している設計担当者しか分からない。設計業務にはCADが使われているが、部品のような設計要素のライブラリー化などは行われていない。また、技術部としてCADの使用方法についての標準化やデータの共有化は図られておらず、設計担当者各人がそれぞれ独自に使用している。このような設計担当者の業務状況のため、受注から据付け施工完了までの全期間に占める設計担当業務には大きな時間が割かれている。
    ⇒この一段落にすべてが集約されています。
    「担当している設計担当者しか分からない」「部品のような設計要素のライブラリー化などは行われていない」「CADの使用方法についての標準化やデータの共有化は図られておらず」「設計担当者各人がそれぞれ独自に使用している」「設計担当業務には大きな時間が割かれている」という問題点に対して具体的な改善内容を考えていきます

 

具体的改善内容

技術部内の業務効率化を図るために必要な具体的改善内容は、以下の通りです。

 

  • 属人化した設計業務の汎用化するため、CAD使用手順を標準化する。
  • 設計業務の簡易化するため、部品のような設計要素をライブラリ化する。
  • CAD設計データの再利用による設計時間の短縮するため、CAD設計データを共有化する。

 

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、120文字以内にまとめます。

 

具体的には、CAD使用手順の標準化と部品のような設計要素のライブラリ化とCAD設計データの共有化を行い、属人化した設計業務の汎用化とライブラリ活用による設計業務の簡易化とCAD設計データの再利用による設計時間の短縮を実現して、設計業務を効率化する。(120文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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