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事例Ⅲ ~平成24年度 解答例(3)(第2問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成24年度 解答例(3)(第2問)~」について説明します。

 

事例Ⅲ ~平成24年度試験問題一覧~

平成24年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

作業の標準化・マニュアル化・教育の実施

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」は、生産現場の作業手順を統一化することによって、作業品質の安定(Q)、生産コストの低減(C)、生産リードタイムの短縮(D)を実現します。

 

 

与件文に記述されている問題点

与件文に、以下のような問題点が記述されている場合は、対策として「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」を実施することによって、問題点を解決することができます。

 

  • 作業の標準化やマニュアル化が行われていない。
  • 作業者によって作業手順が異なっており、所要時間も変動している。
  • 作業者によって技術レベルや作業品質にばらつきがある。
  • 作業者の経験に基づき作業を実施している。
  • 作業者の判断により作業を実施している。
  • 作業のルールが確立されていない。
  • 特定の作業者しか機械を操作できない。

 

対策の実施

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」の実施手順を以下に示します。
「標準化」⇒「マニュアル化」⇒「教育の実施」という流れとなりますが、文字数制限が厳しいようであれば「教育の実施」は省略しても大丈夫だと考えられます

 

標準化

IE等により、各工程の作業内容や作業手順を洗い出したり、その作業手順の標準時間を測定することによって、作業の標準化を行います。

 

ポイント

「IE等により」という文言を追加するだけで、採点者から見ると、受験者がIEに関する知識を持っているような印象を与えることができるため、枕詞として入れておくと加点要素となる可能性があります。

 

マニュアル化

標準化された作業のマニュアルを作成します。

 

教育の実施

作成したマニュアルを用いて、作業者に体系的に教育することによって、生産現場に作業手順を浸透させていきます。

 

効果

「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」による効果を以下に示します。

 

  1. 無駄な作業を無くすことができるため、誰が作業を実施しても適正な時間(標準時間)で作業を実施することができる。
  2. 作業者による技術レベルの差をなくすことができるため、作業品質を安定させることができる。
  3. 作業者を多能工化することができるため、工程間の柔軟な相互支援体制を確立することができる。
  4. 工程間の柔軟な相互支援体制の確立によって、工程間負荷のバラツキを低減することができるため、生産リードタイムを短縮することができる。
  5. 工程間の柔軟な相互支援体制の確立によって、工程間負荷のバラツキを低減することができ、無駄な手持ち時間が解消され、残業時間を抑制することができるため、コストを削減することができる。

 

在庫管理

「在庫管理」は「生産統制(現品管理)」で管理される項目ですが、「在庫管理」として解答を求められることが多いため、独立した項目として説明します。

「在庫管理」のポイントは、営業が入手する需要予測または受注情報に基づき、製品ごとに適正な在庫水準を設定して、生産量と出荷量のバランスを取りながら、適正な在庫水準を維持していくことです。

 

  • 在庫管理とは、適正な在庫水準を設定して維持することである

 

 

在庫管理

必要な資材を、必要なときに、必要な量を、必要な場所へ供給できるように、各種品目の在庫を好ましい水準に維持するための諸活動。
備考 在庫管理の方式として、定量発注方式と定期発注方式に大別される。(JISZ8141-7301)

 

第2問

第2問(配点20点)

 

C社は創業から20年以上が経過して、顧客や新製品の増加によってさらに変革が必要となっている。図1〜図3なども参考に、C社が直面している課題とその具体的改善策を140字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第2問では、食品スーパーから外食チェーンへと顧客数が増大し、さらに製品品目が増加しているなかで生じているC社の課題を把握し、そのための問題を解決する能力を問われています。

 

「食品スーパー向け製品の販売は少品種多量生産」という問題の扱いが悩ましい問題です。

第2問で「少品種多量生産」を解答に盛り込んでしまうと、第4問で解答する材料がなくなってしまうためです。

ここでポイントとなるのは「C社が直面している」という言葉だと考えられます。

解釈が難しいですが、私なりに「C社が直面している」=「問題が顕在化している」と解釈することとしました。(少品種多量生産も図1で顕在化しているとは思いますが。)

顕在化している問題は、「清掃、洗浄、消毒の作業」「欠品によって受注に対応できない」「在庫が過大となっている(図3)」と捉えて、解答を考えていきます。

 

また、解答を考えるにあたっては、「問題」と「課題」の違いにも注意していきます。
発生している「問題」と達成すべき目標とのギャップから「課題」を整理して「課題」を実現するための「改善策」を記述するという流れで解答を構成していきます。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【生産概要】の中盤から後半に記述されています。

 

上述した通り、「清掃、洗浄、消毒の作業」「欠品によって受注に対応できない」「在庫が過大となっている(図3)」を問題として捉え「食品スーパー向け製品の販売は少品種多量生産」については「第4問」の解答に盛り込んでいくこととします。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

 

  • 生産計画は毎月20日までに翌月の計画が作成されるが、その時点では顧客からの注文内容は確定しておらず、各営業担当が各顧客への販売数量を予測し、製造部では製品在庫との調整を図って見込み生産を行っている。
    ⇒顧客からの注文内容が確定していない段階で策定した翌月1か月分の生産計画に基づき見込生産を行っていると記述されています。

 

次は段落が長いので、2つに分割して見ていきます。

 

  • 牛肉および豚肉は同じ設備で加工されている。そのため肉種の変更時および部位の変更時などの製品品種切り替え時には、衛生管理を徹底するため各設備機器の洗浄、消毒を行うことになっており、その作業には約1時間を要する。また毎日の作業終了時には作業スペースの清掃のほか、各設備機器は分解して洗浄、消毒することから、2時間程度の時間を必要とする。この清掃、洗浄、消毒の作業は、作業者によってその方法が異なり、所要時間もそれによって変動する。
    ⇒製品品種切り替え時に行う各設備機器の洗浄、消毒作業には約1時間を要しており、毎日の作業終了時に行う作業スペースの清掃と、各設備機器の分解、洗浄、消毒作業には2時間程度の時間を要していると記述されています。
    重要なのはその次の文章に記述されている「清掃、洗浄、消毒の作業は、作業者によってその方法が異なり、所要時間もそれによって変動する」であり、「作業の標準化・マニュアル化・教育の実施」により作業時間を短縮して人件費を削減するという改善を提案することができそうです。

 

  • 製品品種切り替え時の洗浄などの時間が長いため、ロットサイズは生産性と段取り時間を考慮して製造部で決めている。最も販売数量が多い食品スーパー向け製品S1と、多品種少量の典型的な外食チェーン向け製品D2の生産累計数と出荷累計数の直近1カ月の推移は、図2および図3にそれぞれ示すとおりである。現状は全製品ほぼ同じロットサイズを採用しており、製品によって在庫水準は異なり、欠品によって受注に対応できない場合も生じている。
    ⇒ロットサイズは生産性と段取り時間を考慮して製造部で決めているため、製品によって在庫水準が異なるにも関わらず、全製品をほぼ同じロットサイズで生産していると記述されています。製品の在庫管理は、適正な在庫水準を維持することが重要です。
    したがって、生産計画に応じて、製品ごとに適切なロットサイズを設定するという改善を図ることができそうです。
    ⇒欠品によって受注に対応できない理由を考えてみます。
    生産計画は、顧客からの注文内容は確定していない段階で翌月1か月分を策定されていますが注文内容が確定した段階での修正が行われていないため、欠品が発生していると考えることができます。

 

 

 

  • 図3では「製品D2」の製品在庫が示されていますが、出荷量とは関係なく「製品S1」とほぼ同じロットサイズで生産されているため、在庫が過大となっていることが分かります。

 

C社が直面している課題とその具体的改善策

 

問題点

上述した問題点を列挙します。

 

  • 顧客からの注文内容が確定していない段階で策定した翌月1か月分の生産計画に基づき見込生産を行っている。
  • 清掃、洗浄、消毒の作業は、作業者によってその方法が異なり、所要時間もそれによって変動する
  • ロットサイズは生産性と段取り時間を考慮して製造部で決めているため、製品によって在庫水準が異なるにも関わらず、全製品をほぼ同じロットサイズで生産している。
  • 欠品によって受注に対応できない場合も生じている。
  • 「製品D2」は出荷量とは関係なく、「製品S1」とほぼ同じロットサイズで生産されているため、在庫が過大となっている。

 

達成すべき目標

「達成すべき目標=あるべき姿」と「C社の現状(問題点)」とのギャップから「課題」と「改善策」を検討していきます。

 

  • 清掃、洗浄、消毒に関する作業手順の「標準化・マニュアル化・作業者への教育」により、清掃、洗浄、消毒の作業時間を短縮して、人件費を低減する。
  • 顧客からの注文内容が確定した時点で生産計画を修正して、修正を行った生産計画に基づき、製品ごとに出荷量に見合ったロットサイズを設定して、製品の適正な在庫水準を維持することで、過大在庫や欠品を防止する。

 

課題

「課題」は「達成すべき目標=あるべき姿」を達成するためのギャップから導き出します
「達成すべき目標=あるべき姿」の文章における後半部分が該当します。

 

  • 清掃、洗浄、消毒の作業時間を短縮して、人件費を低減する。
  • 製品の適正な在庫水準を維持することで、過大在庫や欠品を防止する。

 

改善策

「改善策」は課題を達成するための手段です。
「達成すべき目標=あるべき姿」の文章における前半部分が該当します。

 

  • IE等により清掃、洗浄、消毒に関する作業手順の「標準化・マニュアル化・作業者への教育」を行う。
  • 顧客からの注文内容が確定した時点で生産計画を修正して、修正を行った生産計画に基づき、製品ごとに出荷量に見合ったロットサイズを設定する。

 

ポイント

「IE等により」という文言を追加するだけで、採点者から見ると、受験者がIEに関する知識を持っているような印象を与えることができるため、枕詞として入れておくと加点要素となる可能性があります。

 

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、140文字以内にまとめます。

 

課題は、清掃・洗浄・消毒時間の短縮による人件費の削減、適正な製品在庫水準の維持による過大在庫と欠品の防止である。改善策は、IEにより清掃・洗浄・消毒作業を標準化・マニュアル化して作業者に教育すること、確定注文を反映した生産計画に基づき製品毎に適切なロットサイズで生産することである。(140文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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