事例Ⅲ ~平成26年度 解答例(2)(第1問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成26年度 解答例(2)(第1問)~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成26年度試験問題一覧~

平成26年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第1問

第1問(配点10点)

 

C社の創業からの事業変遷を理解した上で、精密小型部品加工業界におけるC社の強みと弱みを60字以内で述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第1問では、X社からの受注を拡大してきたC社の事業の変遷を把握し、C社の強みと弱みを分析する能力を問われています。

 

「事例Ⅲ」の第1問としてよくあるパターンの問題であり、与件文から該当する文言を抜き出して列挙していきます。与件文から該当する文言を抜き出すのはそれほど難しくありませんが、抜き出した強みと弱みを文字数内に収めるために取捨選択するのが難しい問題です。

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、【C社の概要】と【C社の主要取引先X社の動向】の中盤に記載されています。

C社の強みと弱みは【C社の概要】に記述されているものだ。と思い込んで解答を考えていくと、【C社の主要取引先X社の動向】に記述されているキーワードを見逃してしまう恐れがありますので、注意が必要です。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

事例Ⅲではありますが、売上面だけではなく技術面においても主要顧客であるX社への依存度が高いため「弱み」として捉えていきます

 

  • C社は、世界市場で著名かつ高額な精密機器の構成部品となる超精密小型部品を生産、販売している。C社で生産される超精密小型部品の約90%は、主要取引先である大手精密機器メーカーX社の精密部品事業部を経由して国内外の精密機器メーカーに納品されて組み込まれている。
    ⇒C社で生産される超精密小型部品の約90%が主要取引先であるX社に納品されていると記述されています。約90%という数値は非常に依存度が高いことを示しており、X社から契約を打ち切られた場合は、C社は経営を継続できない状況となるため「弱み」として捉えていきます。

 

  • C社は、自動旋盤による精密部品加工業として1993年に先代の経営者が創業した。そして経営を継承した現社長が超精密加工と超小型加工技術に特化してX社との取引に成功し、新たに熱処理設備およびメッキ設備を加えて精密部品の一貫生産体制をつくることでX社からの受注を拡大してきた。
    「熱処理設備およびメッキ設備を加えて精密部品の一貫生産体制つくること」を理由にX社からの受注を拡大しているという状況から「精密部品の一貫生産体制つくること」を「強み」として捉えていきます。

 

  • 主要取引先であるX社には、売上面ばかりでなく製品設計や工程設計などの生産技術や管理技術についても指導を受けるなど、経営のかなりの面で依存している。
    ⇒C社で生産される超精密小型部品の約90%が主要取引先であるX社に納品されているという売上面ばかりでなく、生産技術や管理技術についてもX社への依存が高いことを示しており、C社という企業はX社が存在しないと成立しないほど経営基盤が脆弱であると考えられるため「弱み」として捉えていきます。

 

  • これまで国内調達部品は品種別に分けてC社を含めた国内協力企業数社から調達していたが、この計画では超精密加工と超小型加工技術の評価が高く、必要な生産能力を有するC社1社に集約し、同時にX社の業務コストの削減を狙って、これまでX社が行ってきた精密部品の在庫管理および受注・発送業務もC社に業務移管することが検討されている。
    ⇒主要取引先であるX社が国内部品調達や物流の合理化計画を進める中で「超精密加工と超小型加工技術の評価が高く、必要な生産能力を有する」ことを理由にC社1社に集約することを検討していると記述されています。「必要な生産能力を有する」という表現は、あくまでX社の求める生産能力があるというだけであり、C社の生産能力が高いことを表しているわけではないため「超精密加工と超小型加工技術の評価が高い」を「強み」として捉えていきます。

 

C社の強みと弱み

 

C社の強み

抜き出した「強み」を整理します。

 

  • 精密部品の一貫生産体制を確立していること。
  • 超精密加工と超小型加工技術の評価が高い。

 

今回の問題では「強み」と「弱み」を合わせて「60文字」と文字数の制限が厳しいため、「強みは評価が高い技術力と精密部品の一貫生産体制を有すること。(30文字)」といった感じで取りまとめます。

 

C社の弱み

抜き出した「弱み」を整理します。

 

  • C社で生産される超精密小型部品の約90%は、主要取引先であるX社に納品されている。
  • 売上面ばかりでなく、生産技術や管理技術についてもX社への依存が高く、経営基盤が脆弱である。

 

今回の問題では「強み」と「弱み」を合わせて「60文字」と文字数の制限が厳しいため、「弱みは売上・技術面でX社依存度が高く経営基盤が脆弱であること。(31文字)」といった感じで取りまとめます。

 

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、60文字以内にまとめます。

 

強みは評価が高い技術力と精密部品の一貫生産体制を有すること。弱みは売上・技術面でX社依存度が高く経営基盤が脆弱であること。(60文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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