今回は、「運営管理 ~R1-42 その他店舗・販売管理(17)資金決済法~」について説明します。
目次
運営管理 ~令和元年度一次試験問題一覧~
令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
資金決済法
「資金決済に関する法律(資金決済法)」とは、近年の情報通信技術の発達や、利用者ニーズの多様化等に伴う資金決済システムの環境変化に対応するため、新たな資金決済サービスの規制と適切な運営を目的として、金融機関に限定していた国内外の少額の送金業務を他業種にも認めたり、電子マネーの利用者保護の強化などを規定した法律であり、平成22年4月1日に施行されました。
「資金決済法」に記載されている主な内容は以下の通りです。
- サーバ型前払式支払手段の規制対象化
- 為替取引を銀行以外の一般事業者に認める資金移動業の創設
- 銀行間の資金決済に関する制度整備としての資金清算業(免許制)の導入
なお、「前払式証票の規制等に関する法律(前払式証票規制法)」で規制されていた「前払式証票」は、「資金決済法」では「前払式支払手段」として規制されています。そのため、「前払式証票の規制等に関する法律(前払式証票規制法)」は「資金決済法」の施行に伴って廃止されました。
サーバ型前払式支払手段の規制対象化
従来の「前払式証票の規制等に関する法律(前払式証票規制法)」における規制対象は「商品券」「ギフト券」「IC型プリペイドカード」などの「前払式証票」に限定していましたが、「資金決済法」では、従来の「前払式証票」を「前払式支払手段」と呼び名を変え、さらに「サーバ型前払式支払手段」を規制対象に追加しています。
「前払式支払手段」には、金額を記載した証票(電磁的な記録を含む)である商品券・ギフト券・テレホンカード・お米券・図書券などや、数量を記載した証票(電磁的な記録を含む)であるビール券などや、ICチップ搭載型であるSuica・PASMO・楽天EdyなどのICプリペイドカードがあり、利用者から対価を得て発行され、これらを使用することにより商品やサービスの提供を受けることができるものをいいます。
また、「サーバ型前払式支払手段」とは、利用者に交付される証票等に金額の記載や記録がなく、IDのみが交付され、これによって店頭の端末やインターネットを利用して発行者等が管理するサーバにアクセスして、サーバに記録された利用者の金額の範囲内で商品やサービスを提供する仕組みとなっているものをいいます。
なお、「前払式支払手段」に、乗車券・航空券・入場券などは含まれません。
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【令和元年度 第42問】
資金決済に関する法律(資金決済法)は、近年のICTの発達や利用者ニーズの多様化などの資金決済システムをめぐる環境の変化に対応するため、前払式支払手段、資金移動、資金清算、仮想通貨などについて規定している。
以下のa~dの前払式支払手段のうち、資金決済法の適用が除外されるもの、または該当しないものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 全国百貨店共通商品券
b 収入印紙
c 全国共通おこめ券
d 美術館の入場券
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ aとd
エ bとc
オ bとd
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
「資金決済に関する法律(資金決済法)」に関する知識を問う問題です。
「前払式支払手段」には、金額を記載した証票(電磁的な記録を含む)である商品券・ギフト券・テレホンカード・お米券・図書券などや、数量を記載した証票(電磁的な記録を含む)であるビール券などや、ICチップ搭載型であるSuica・PASMO・楽天EdyなどのICプリペイドカードがあり、利用者から対価を得て発行され、これらを使用することにより商品やサービスの提供を受けることができるものをいいます。
なお、「前払式支払手段」に、乗車券・航空券・入場券などは含まれません。
選択肢にある「全国百貨店共通商品券」と「全国共通おこめ券」は、利用者から対価を得て発行され、これらを使用することにより商品やサービスの提供を受けることができる「前払式支払手段」に該当しますが、「収入印紙」と「美術館の入場券」は「前払式支払手段」には該当しません。
したがって、「収入印紙」と「美術館の入場券」は「前払式支払手段」に該当しないため、資金決済法の適用が除外されるもの、または該当しないものの組み合わせは「bとd」です。
答えは(オ)です。
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