中小企業診断士受験に向けて、今の時期は財務会計にじっくりと取り組みましょう。

財務・会計 ~R1-2 圧縮記帳(1)直接減額方式~

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今回は、「財務・会計 ~R1-2 圧縮記帳(1)直接減額方式~」について説明します。

 

財務・会計 ~令和元年度一次試験問題一覧~

令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

圧縮記帳

「圧縮記帳」とは、国庫補助金の交付を受けたときの受贈益、保険金の交付を受けたときの保険差益、固定資産の交換によって生じる交換差益、収用等によって生じた譲渡益などを原資として固定資産を取得する場合、固定資産の購入価額から原資とした「受贈益、保険差益、交換差益、譲渡益など」を控除した価額を固定資産の取得価額とする会計処理のことをいいます。

「圧縮記帳」の会計処理手順は後述しますが、「圧縮記帳」という仕組みがなかった場合、国庫補助金を受け取っても、当該年度に「補助金受贈益」に相応する法人税等を納付することになるため、国庫補助金を受け取った効果を十分に発揮することができなくなってしまいます。(100万円の補助金を受け取ったのに税金を30万円納付したら70万円しか使うことができなくなってしまう。)

なお、「圧縮記帳」により固定資産の取得価額が減額されるということは、取得価額に基づき算出される減価償却費も減額となり、法人税等の納付額を決定するための課税所得が多くなることを意味しているため、固定資産を取得した年度の法人税等の負担を軽減することはできますが、固定資産の減価償却に合わせて、国庫補助金を受け取ったことに対する法人税等を毎年少しずつ支払っていくこととなります。

つまり、「圧縮記帳」は、法人税等を免除するのではなく、その納付を繰り延べて、法人税等を徐々に支払っていく仕組みです。

 

 

圧縮記帳の会計処理

「圧縮記帳」の会計処理には、「直接減額方式(簿価減額方式)」と「積立金方式」があります。

 

  • 直接減額方式(簿価減額方式)
  • 積立金方式

 

今回は、「直接減額方式(簿価減額方式)」について説明します。

 

直接減額方式(簿価減額方式)

「直接減額方式(簿価減額方式)」には、国庫補助金に相当する金額を固定資産から直接控除する「直接減額法」と、「評価勘定(固定資産圧縮額)」を用いて国庫補助金に相当する金額を固定資産から間接的に控除する「間接減額法」があります。

なお、「固定資産圧縮損」は「損益計算書」の「特別損失」に区分されます。

 

国庫補助金の受取

X1年度期首に、国庫補助金を受け取った場合の仕訳を以下に示します。

 

借方 貸方
現金 2,000千円 国庫補助金受贈益 2,000千円

 

固定資産の取得

受け取った国庫補助金を活用して、X1年度期首に固定資産を購入する場合の仕訳を以下に示します。

  • 固定資産の購入価額:5,000千円
  • 耐用期間:5年
  • 残存簿価:0円
  • 減価償却方法:定額法

 

直接減額法の場合

「直接減額法」の場合、国庫補助金に相当する金額を固定資産から直接控除します。

借方 貸方
固定資産
固定資産圧縮損
5,000千円
2,000千円
現金
固定資産

5,000千円
2,000千円

 

間接減額法の場合

「間接減額法」の場合、「評価勘定(固定資産圧縮額)」を用いて、国庫補助金に相当する金額を固定資産から間接的に控除します。

 

借方 貸方
固定資産
固定資産圧縮損
5,000千円
2,000千円
現金
固定資産圧縮額

5,000千円
2,000千円

 

固定資産の減価償却

X1年度期末に、減価償却費の計上に関する仕訳を以下に示します。
減価償却費は、固定資産の購入価額から国庫補助金等に相当する金額を減額した取得価額に基づいて算出します。

 

  • 減価償却費
    ( 5,000千円 - 2,000千円 )÷ 5年 = 600千円

 

借方 貸方
減価償却費 600千円 減価償却累計額 600千円

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和元年度 第2問】

A社は、20X1年4月1日に補助金6,000千円を現金で受け取った。続いて20X1年10月1日に、その補助金6,000千円と自己資金16,000千円で機械装置22,000千円を購入し、直ちに使用を開始した。その際、直接減額方式による圧縮記帳を行った。また、20X2年3月31日(決算日)に、定額法(耐用年数4年、残存価額ゼロ)により減価償却を行った。

購入時の固定資産圧縮損と決算時の減価償却費の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

 

ア 固定資産圧縮損:6,000千円 減価償却費:2,000千円
イ 固定資産圧縮損:6,000千円 減価償却費:2,750千円
ウ 固定資産圧縮損:22,000千円 減価償却費:2,000千円
エ 固定資産圧縮損:22,000千円 減価償却費:2,750千円

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「圧縮記帳(直接減額方式)」に関する知識を問う問題です。

 

「圧縮記帳」とは、国庫補助金の交付を受けたときの受贈益、保険金の交付を受けたときの保険差益、固定資産の交換によって生じる交換差益、収用等によって生じた譲渡益などを原資として固定資産を取得する場合、固定資産の購入価額から原資とした「受贈益、保険差益、交換差益、譲渡益など」を控除した価額を固定資産の取得価額とする会計処理のことをいいます。

 

20X1年4月1日(補助金の受取)

「補助金(6,000千円)」を現金で受け取った場合の仕訳を以下に示します。

 

借方 貸方
現金 6,000千円 補助金受贈益 6,000千円

 

20X1年10月1日(固定資産の取得)

「20X1年4月1日」に受け取った「補助金(6,000千円)」と「自己資金(16,000千円)」で機械装置(固定資産)を購入した場合の仕訳を以下に示します。

 

(※)直接減額方式(直接減額法の場合)

借方 貸方
固定資産
固定資産圧縮損
22,000千円
6,000千円
現金
固定資産
22,000千円
6,000千円

 

機械装置(固定資産)の「購入価額(22,000千円)」から「補助金受取額(6,000千円)」を控除した価額が、機械装置(固定資産)の「取得価額(16,000千円)」となります。

 

この仕訳により、「補助金受贈益」と「固定資産圧縮損」が相殺されています。

仮に、「圧縮記帳」という仕組みがなく「固定資産圧縮損」を計上しなかった場合、補助金を受け取っても、「補助金受贈益」に相応する法人税等を納付することになるため、補助金を受け取った効果を十分に発揮することができなくなってしまいます

 

(※)直接減額方式(間接減額法の場合)

借方 貸方
固定資産
固定資産圧縮損
22,000千円
6,000千円
現金
固定資産圧縮額
22,000千円
6,000千円

 

 

20X2年3月31日(固定資産の減価償却)

「決算日」における機械装置(固定資産)の減価償却に関する仕訳を以下に示します。

 

借方 貸方
減価償却費 2,000千円 減価償却累計額 2,000千円

 

機械装置(固定資産)の取得価額は、機械装置(固定資産)の「購入価額(22,000千円)」から「補助金受取額(6,000千円)」を控除した価額(16,000千円)です。

また、機械装置(固定資産)は「20X1年10月1日」から使用を開始しているため「20X1年」の償却期間は「6ヶ月」です。

したがって、機械装置(固定資産)の「減価償却費」と「減価償却累計額」の推移は以下の通りとなります。

 

取得原価
期首BS価額
減価償却費 減価償却累計額 残存簿価
期末BS価額
20X1年
(6ヶ月)
16,000千円 2,000千円 2,000千円 14,000千円
20X2年 14,000千円 4,000千円 6,000千円 10,000千円
20X3年 10,000千円 4,000千円 10,000千円 6,000千円
20X4年 6,000千円 4,000千円 14,000千円 2,000千円
20X5年
(6ヶ月)
2,000千円 2,000千円 16,000千円 0千円

 

「補助金」を受け取って機械装置(固定資産)を購入した場合の「固定資産圧縮損」と「減価償却費」は以下の通りです。

 

  • 固定資産圧縮損:6,000千円
  • 減価償却費:2,000千円

 

答えは(ア)です。


 

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