今回は、「経済学・経済政策」の「等費用線」「等産出量曲線(等量曲線)」「費用最小化点」に関する記事のまとめです。
目次
等費用線・等産出量曲線(等量曲線)・費用最小化点 -リンク-
本ブログにて「等費用線」「等産出量曲線(等量曲線)」「費用最小化点」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。
- R4-16-1 利潤最大化仮説(6)等費用線
- R1-15-1 利潤最大化仮説(1)等費用線
- R1-15-2 利潤最大化仮説(2)費用最小化点
- H30-18-1 利潤最大化仮説(3)費用最小化点
- H30-18-2 利潤最大化仮説(4)費用最小化点と技術的限界代替率
- H29-15 利潤最大化仮説(5)等費用線
等費用線
「等費用線」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「総費用が等しくなる生産要素(資本と労働)の投入量の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。
等費用線

等費用線の求め方
「等費用線」の求め方について説明します。
生産活動において発生する「総費用(TC)」は、労働量の要素である「賃金率(w)」「労働投入量(L)」と、資本量の要素である「資本のレンタル価格(r)」「資本投入量(K)」を用いて、以下の式により求めることができます。

「等費用線」のグラフでは、縦軸に「資本投入量」を取るため、上記の式を「K=」という形に変形した以下の式が「等費用線」を表しています。

したがって「等費用線」は以下のように表すことができます。
等費用線

| 項目 | 説明 | 計算式 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w ÷ r |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC ÷ w |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC ÷ r |
条件の変化に伴う等費用線のシフト
「賃金率(w)」「資本のレンタル価格(r)」「総費用(TC)」などの条件が変化すると「等費用線」はシフトします。
それぞれの条件が変化した場合に「等費用線」がどのようにシフトするのかを以下に説明していきます。
賃金率が変動する場合
賃金率が下落する場合
「賃金率(w)」が下落すると、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」が大きくなり「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が小さくなるため、「等費用線」は以下の通り右方に拡大します。
| 項目 | 説明 | 計算式 | 値の変化 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w↓ ÷ r | 小さくなる↓ |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC ÷ w↓ | 大きくなる↑ |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC ÷ r | 変化しない |
賃金率が下落した場合

賃金率が上昇する場合
「賃金率(w)」が上昇すると、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」が小さくなり「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が大きくなるため、「等費用線」は以下の通り左方に縮小します。
| 項目 | 説明 | 計算式 | 値の変化 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w↑ ÷ r | 大きくなる↑ |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC ÷ w↑ | 小さくなる↓ |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC ÷ r | 変化しない |
賃金率が上昇した場合

資本のレンタル価格が変動する場合
資本のレンタル価格が下落する場合
「資本のレンタル価格(r)」が下落すると、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」は変わりませんが、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」と「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が大きくなるため、「等費用線」は以下の通り上方に拡大します。
| 項目 | 説明 | 計算式 | 値の変化 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w ÷ r↓ | 大きくなる↑ |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC ÷ w | 変化しない |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC ÷ r↓ | 大きくなる↑ |
資本のレンタル価格が下落した場合

資本のレンタル価格が上昇する場合
「資本のレンタル価格(r)」が上昇すると、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」は変わりませんが、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」と「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が小さくなるため、「等費用線」は以下の通り下方に縮小します。
| 項目 | 説明 | 計算式 | 値の変化 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w ÷ r↑ | 小さくなる↓ |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC ÷ w | 変化しない |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC ÷ r↑ | 小さくなる↓ |
資本のレンタル価格が上昇した場合

総費用が変動する場合
総費用が増加する場合
「総費用(TC)」が増加すると、「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」と「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」が大きくなるため、「等費用線」は以下の通り右上方に平行シフトします。
| 項目 | 説明 | 計算式 | 値の変化 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w ÷ r | 変化しない |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC↑ ÷ w | 大きくなる↑ |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC↑ ÷ r | 大きくなる↑ |
総費用が増加した場合

総費用が減少する場合
「総費用(TC)」が減少すると、「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」と「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」が小さくなるため、「等費用線」は以下の通り左下方に平行シフトします。
| 項目 | 説明 | 計算式 | 値の変化 |
| 等費用線の傾き | 生産要素(資本と労働)の価格比 | w ÷ r | 変化しない |
| 横軸の切片 | 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 | TC↓ ÷ w | 小さくなる↓ |
| 縦軸の切片 | 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 | TC↓ ÷ r | 小さくなる↓ |
総費用が減少した場合

等産出量曲線(等量曲線)
「等産出量曲線(等量曲線)」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「産出量が等しくなる生産要素(資本と労働)の投入量の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。
「等産出量曲線(等量曲線)」では「同一の等産出量曲線(等量曲線)上においてはどの点を取っても産出量は等しい」という特徴を理解しておくことが重要です。
等産出量曲線(等量曲線)

また、「等産出量曲線(等量曲線)」は以下の図のように「3本」しかないわけではなく無数に存在しており、右上にある「等産出量曲線(等量曲線)」ほど産出量が多いという特徴も理解しておくことが重要です。

技術的限界代替率(MRTS)
「技術的限界代替率」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「産出量が一定であるという条件において、労働投入量を1単位増加したときの資本投入量の減少分」のことをいい、「等産出量曲線(等量曲線)」の接線の傾きの絶対値として表されます。

「等産出量曲線(等量曲線)」は、原点に対して凸の形状をした曲線であり、労働投入量の増加に伴い「技術的限界代替率」が徐々に減少していきます(逓減する)。

費用最小化点
「費用最小化点」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「ある産出量を生産するための総費用を最小化する生産要素(資本と労働)の投入量の組み合わせを示す点」のことをいい、「等費用線」と「等産出量曲線(等量曲線)」の接点として表されます。
費用最小化点

等費用線の変化に伴う費用最小化点のシフト
「等費用線」の変化によって「費用最小化点」がどのようにシフトするのかについて確認するため「賃金率が下落した場合」を例として以下に説明します。
- 「賃金率(w)」が下落すると、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」は変わりませんが「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」が大きくなるため「等費用線」も右方に拡大します。
- 右方に拡大した「等費用線」は「賃金率(w)」が下落する前の「等費用線」が接していた「等産出量曲線(等量曲線)」よりも産出量が多い、新たな「等産出量曲線(等量曲線)」と接します。(等産出量曲線(等量曲線)がシフトするわけではありません。もともと等産出量曲線(等量曲線)は無数に存在しています。)
- この新たな「等産出量曲線(等量曲線)」と右方に拡大した「等費用線」との接点が「総費用(TC)」が増加した場合の「費用最小化点」となります。
賃金率が下落した場合


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