経済学・経済政策 ~等費用線・等産出量曲線(等量曲線)・費用最小化点のまとめ~

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今回は、「経済学・経済政策」の「等費用線」「等産出量曲線(等量曲線)」「費用最小化点」に関する記事のまとめです。

 

目次

等費用線・等産出量曲線(等量曲線)・費用最小化点 -リンク-

本ブログにて「等費用線」「等産出量曲線(等量曲線)」「費用最小化点」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

等費用線

「等費用線」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「総費用が等しくなる生産要素(資本と労働)の投入量の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。

 

「等費用線」は、企業の「予算制約線」とも言われており、消費者が予算を全て使い切る2財の消費の組み合わせを示す「予算制約線」と考え方は同じです。

 

等費用線

 

等費用線の求め方

「等費用線」の求め方について説明します。

生産活動において発生する「総費用(TC)」は、労働量の要素である「賃金率(w)」「労働投入量(L)」と、資本量の要素である「資本のレンタル価格(r)」「資本投入量(K)」を用いて、以下の式により求めることができます。

 

 

「等費用線」のグラフでは、縦軸に「資本投入量」を取るため、上記の式を「K=」という形に変形した以下の式が「等費用線」を表しています。

 

 

したがって「等費用線」は以下のように表すことができます。

 

等費用線

 

項目 説明 計算式
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r

 

条件の変化に伴う等費用線のシフト

「賃金率(w)」「資本のレンタル価格(r)」「総費用(TC)」などの条件が変化すると「等費用線」はシフトします。

それぞれの条件が変化した場合に「等費用線」がどのようにシフトするのかを以下に説明していきます。

 

賃金率が変動する場合
賃金率が下落する場合

「賃金率(w)」が下落すると、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」が大きくなり「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が小さくなるため、「等費用線」は以下の通り右方に拡大します。

 

項目 説明 計算式 値の変化
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r 小さくなる
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w 大きくなる
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r 変化しない

 

賃金率が下落した場合

 

賃金率が上昇する場合

「賃金率(w)」が上昇すると、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」が小さくなり「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が大きくなるため、「等費用線」は以下の通り左方に縮小します。

 

項目 説明 計算式 値の変化
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r 大きくなる
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w 小さくなる
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r 変化しない

 

賃金率が上昇した場合

 

資本のレンタル価格が変動する場合
資本のレンタル価格が下落する場合

「資本のレンタル価格(r)」が下落すると、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」は変わりませんが、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」と「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が大きくなるため、「等費用線」は以下の通り上方に拡大します。

 

項目 説明 計算式 値の変化
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r 大きくなる
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w 変化しない
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r 大きくなる

 

資本のレンタル価格が下落した場合

 

資本のレンタル価格が上昇する場合

「資本のレンタル価格(r)」が上昇すると、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」は変わりませんが、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」と「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」が小さくなるため、「等費用線」は以下の通り下方に縮小します。

 

項目 説明 計算式 値の変化
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r 小さくなる
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w 変化しない
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r 小さくなる

 

資本のレンタル価格が上昇した場合

 

総費用が変動する場合
総費用が増加する場合

「総費用(TC)」が増加すると、「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」と「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」が大きくなるため、「等費用線」は以下の通り右上方に平行シフトします。

 

項目 説明 計算式 値の変化
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r 変化しない
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w 大きくなる
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r 大きくなる

 

総費用が増加した場合

 

総費用が減少する場合

「総費用(TC)」が減少すると、「等費用線の傾きの絶対値( w ÷ r )」は変わりませんが、「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」と「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」が小さくなるため、「等費用線」は以下の通り左下方に平行シフトします。

 

項目 説明 計算式 値の変化
等費用線の傾き 生産要素(資本と労働)の価格比 w ÷ r 変化しない
横軸の切片 資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量 TC ÷ w 小さくなる
縦軸の切片 労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量 TC ÷ r 小さくなる

 

総費用が減少した場合

 

等産出量曲線(等量曲線)

「等産出量曲線(等量曲線)」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「産出量が等しくなる生産要素(資本と労働)の投入量の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。

「等産出量曲線(等量曲線)」では「同一の等産出量曲線(等量曲線)上においてはどの点を取っても産出量は等しい」という特徴を理解しておくことが重要です。

 

「等産出量曲線(等量曲線)」は、消費者が等しい効用を得られる2財の消費の組み合わせを示す「無差別曲線」と考え方は同じです。

 

等産出量曲線(等量曲線)

 

また、「等産出量曲線(等量曲線)」は以下の図のように「3本」しかないわけではなく無数に存在しており、右上にある「等産出量曲線(等量曲線)」ほど産出量が多いという特徴も理解しておくことが重要です。

 

 

技術的限界代替率(MRTS)

「技術的限界代替率」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「産出量が一定であるという条件において、労働投入量を1単位増加したときの資本投入量の減少分」のことをいい、「等産出量曲線(等量曲線)」の接線の傾きの絶対値として表されます。

 

 

「等産出量曲線(等量曲線)」は、原点に対して凸の形状をした曲線であり、労働投入量の増加に伴い「技術的限界代替率」が徐々に減少していきます(逓減する)

 

 

「技術的限界代替率」は、消費者が得られる効用水準が一定という条件において、X財の消費を1単位増加したときのY財の消費の減少分を示す「限界代替率」と考え方は同じです。

 

費用最小化点

「費用最小化点」とは、生産活動において発生する費用である「資本」と「労働」という2つの生産要素を考えた場合、縦軸に「資本投入量」を、横軸に「労働投入量」を取ったグラフで表される「ある産出量を生産するための総費用を最小化する生産要素(資本と労働)の投入量の組み合わせを示す点」のことをいい、「等費用線」と「等産出量曲線(等量曲線)」の接点として表されます。

 

「費用最小化点」は、限られた予算の中で、ある消費者の効用を最大化する2財の消費の組み合わせを示す「最適消費点」と考え方は同じです。

 

費用最小化点

 

等費用線の変化に伴う費用最小化点のシフト

「等費用線」の変化によって「費用最小化点」がどのようにシフトするのかについて確認するため「賃金率が下落した場合」を例として以下に説明します。

 

  1. 「賃金率(w)」が下落すると、「労働の投入量がゼロである場合の資本の投入量(縦軸の切片)( TC ÷ r )」は変わりませんが「資本の投入量がゼロである場合の労働の投入量(横軸の切片)( TC ÷ w )」が大きくなるため「等費用線」も右方に拡大します。
  2. 右方に拡大した「等費用線」は「賃金率(w)」が下落する前の「等費用線」が接していた「等産出量曲線(等量曲線)」よりも産出量が多い、新たな「等産出量曲線(等量曲線)」と接します。(等産出量曲線(等量曲線)がシフトするわけではありません。もともと等産出量曲線(等量曲線)は無数に存在しています。)
  3. この新たな「等産出量曲線(等量曲線)」と右方に拡大した「等費用線」との接点が「総費用(TC)」が増加した場合の「費用最小化点」となります。

 

賃金率が下落した場合

 


 

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