運営管理 ~H28-25-2 その他店舗・販売管理(11)消費税免税店制度-1~

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今回は、「運営管理 ~H28-25-2 その他店舗・販売管理(11)消費税免税店制度-1~」について説明します。

 

「消費税免税店制度」については説明が長くなったため、2日に分けて解説します。

今回は1日目です。「免税販売の対象者」「免税販売の対象物品」「免税販売の方法」「免税販売の申請(一般型輸出物品販売場)」について説明していきます。

 

なお、「消費税免税店制度」は、毎年新しい制度が適用されているため、昨年の時点では正解だったとしても、今年同じ問題が出題されたら不正解かもしれません。ご注意ください。

 

目次

運営管理 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

消費税免税店

「消費税免税店」とは、正しくは「輸出物品販売場」と呼ばれ、外国人旅行者などの日本に居住していない人(非居住者)に対して一定の方法で物品を販売する場合に、その販売に係る消費税を免除する販売店(TAX FREE SHOP)」のことをいいます。

 

似た言葉に「DUTY FREE SHOP」がありますが、「DUTY FREE SHOP」は国際空港などにおいて、「外国製品を日本に輸入する際に課せられる関税を免除する」販売店であり、「消費税免税店」とは異なりますのでご注意ください。

 

免税販売の対象者

「免税販売」は、外国人旅行者などの「非居住者」が対象となります。
ただし、外国人であっても、日本に居住している者(日本に入国してから6ヶ月以上経過した者)は「免税販売」の対象とはならず、逆に日本人であっても、海外に居住している者(2年以上滞在する目的で海外に居住していて一時帰国の滞在期間が6ヶ月未満のもの)は「免税販売」の対象となります。

 

免税販売の対象者(非居住者)の定義

 

免税販売の対象物品

免税販売の対象となる物品は、「非居住者」が国外に持ち出すことを前提として購入する生活の用に供する物品であり、「一般物品」と「消耗品」に分類されます。

国外で使用または消費される物品については、日本の消費税を免除するという考え方に基づいているため、国外で販売する物品については免税対象とはなりません

例えば、金地金・白金地金等、生活の用に供さないことが明らかであるもの、「非居住者」が事業用または販売用として購入することが明らかであるものは免税対象とすることはできません。

 

免税対象の物品

 

商品の包装

「一般商品」と「消耗品」の包装について、以下に説明します。
流れの関係から「消耗品」の包装を先に説明します。

 

消耗品の包装

国外で使用または消費される物品については、日本の消費税を免除するという考え方に基づいているため、購入した「消耗品」は、日本国内で消費できないように指定された方法により包装しなければなりません

「非居住者」が国外に「消耗品」を持ち出すときに、包装が開封されていた場合は免税対象とはなりません

 

消耗品の包装に関する指定

 

一般商品の包装
平成30年7月1日から適用開始となった内容です。

「一般物品」については指定された方法による包装は不要ですが、「一般物品」を「消耗品」と同様の指定された方法で包装すれば「消耗品」として取り扱うことができます

この場合は、「一般物品」と「消耗品」の販売額を合算して「5千円以上50万円未満」の範囲が免税対象の条件となります。

例えば、「一般物品」と「消耗品」の販売額が、それぞれ「5千円未満」であったとしても、「一般物品」を包装して「消耗品」として扱い、その販売合計額が「5千円以上」となれば、免税対象することができます

 

免税販売の方法

「免税販売」には、物品を販売する店舗で免税販売手続まで行う方法と、「商店街」「ショッピングセンター」「テナントビル」などのように物品を販売する店舗ではなく「免税手続カウンター」で一括して免税販売手続を行う方法があります。

 

店舗における免税販売

店舗で物品を販売するだけでなく、店舗内に設置されたカウンターで消耗品の包装などの免税販売手続まで行う店舗のことを「一般型輸出物品販売場」といいます。

 

特定商業施設における免税販売

「商店街」「ショッピングセンター」「テナントビル」といった「特定商業施設」では、物品を販売する店舗ではなく、特定商業施設内に設置された「免税手続カウンター」で一括して免税販売手続を実施します。

「特定商業施設」において物品を販売する店舗のことを「手続委託型輸出物品販売場」といい、一括して免税販売手続を行う「免税手続カウンター」を運営する事業者のことを「承認免税手続事業者」といいます。

「免税販売」には「同一店舗における販売合計額が・・・」という条件がありますが、特定商業施設の免税販売においては「同一特定商業施設における販売合計額」という考え方になるため、同一特定商業施設にある「店舗A」と「店舗B」で、「消耗品」を「3,000円(税抜)」ずつ販売した場合、「免税手続カウンター」において「消耗品」の販売合計額「6,000円(税抜)」として免税販売手続を行うことができます。

 

特定商業施設の区分

「特定商業施設」には「商店街」「ショッピングセンター」「テナントビル」などがありますが、正確には「商店街振興組合(商店街)」「事業協同組合(商店街)」「大規模小売店舗(ショッピングセンターなど)」「一棟の建物(テナントビルなど)」といった種類に区分されます。

なお、「商店街(商店街振興組合・事業協同組合)」が、隣接していたり(境界が接している状態・道路を挟んで接している状態)、近接している(徒歩や巡回バス等により容易に移動できる状態)場合は、それらの商店街を合わせて一つの特定商業施設として、共通の「免税手続カウンター」で免税販売手続を行うことができます

 

種類 販売場
商店街振興組合 商店街振興組合の定款に定められた地区に所在しており、当該商店街振興組合の組合員が経営する販売場 商店街
事業協同組合 事業協同組合の定款に定められた地区に所在する事業者が近接して事業を営む地域であって、その大部分に一の商店街が形成されている地域に所在しており、当該事業協同組合の組合員が経営する販売場
大規模小売店舗 大規模小売店舗内にある販売場 ショッピングセンター
一棟の建物
(不動産登記上)
一棟の建物内にある販売場
(大規模小売店舗を除く)
テナントビル

 

臨時販売場制度

令和元年7月1日から適用開始となった内容です。

「臨時販売場制度」とは、既に「輸出物品販売場(消費税免税店)」での免税販売に対する許可(※)を受けていて、かつ「臨時販売場」の設置に対する申請を行い承認を受けている事業者が、7ヶ月以内の期間を定めて「臨時販売場」を設置する場合は、その前日までに「臨時販売場設置届出書」を提出すれば「臨時販売場」での免税販売を可能とする制度のことをいいます。

(※)「手続委託型輸出物品販売場」のみを経営する事業者であっても、「臨時販売場」において自ら免税販売手続を行うための必要な体制が整備されていれば、「臨時販売場」の設置にに対する承認を受けることができます。

 

「臨時販売場制度」の適用開始に伴い「事前承認港湾施設に係る臨時販売場制度」は「令和元年6月30日」を以て廃止されました

 

  • 事前承認港湾施設に係る臨時販売場制度(廃止)
    事前に所轄税務署長の承認を受けるなど一定の要件を満たす場合に、外航クルーズ船等が寄港する港湾の施設内で、場所及び期限を定めて臨時の販売場を設置しようとする事業者が免税販売を行うことができる制度のこと

 

免税販売の申請(1/2)

免税販売を行うための申請について、以下に説明します

 

一般型輸出物品販売場

物品販売を行う事業者が「一般型輸出物品販売場(一般型消費税免税店)」として免税販売を行うためには、納税地を所轄する税務署に「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」を申請して、税務署長の許可を受ける必要があります

「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」と併せて税務署に提出する添付書類と、「一般型輸出物品販売場(一般型消費税免税店)」として許可を受けるための要件を以下に示します。

 

添付書類
  1. 許可を受けようとする販売場の見取図
    販売場の見取図などに免税販売手続を行う場所を付記したもの
  2. 免税販売の方法を販売員に周知するための資料
    免税販売手続マニュアルなど
  3. 免税販売手続を行う人員の配置状況が確認できる資料
    免税販売手続を行う場所の見取図に人員の配置状況を付記したものなど
  4. 申請者の事業内容が確認できる資料
    会社案内やホームページ掲載情報など
  5. 許可を受けようとする販売場の取扱商品が確認できる資料
    取扱商品リスト、商品カタログなど(主な取扱商品の一覧表など)
  6. 許可を受けようとする販売場において作成する購入記録票のサンプル

 

許可要件
  1. 次の2つの要件を満たす事業者が経営する販売場であること
    • 国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと
    • 輸出物品販売場の許可を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者でないことその他輸出物品販売場を経営する事業者として特に不適当と認められる事情がないこと
  2. 非居住者が利用する場所又は非居住者の利用が見込まれる場所に所在すること
  3. 免税販売手続に必要な人員を配置し、かつ、免税販売手続を行うための設備を有すること
    • 「免税販売手続に必要な人員の配置」とは、免税販売の際に必要となる手続を非居住者に対して説明できる人員の配置を求めているものです。なお、外国語については、母国語のように流ちょうに話せることまでを必要としているものではなく、パンフレット等の補助材料を活用して、非居住者に手続を説明できる程度で差し支えない。
    • 「免税販売手続を行うための設備を有する」とは、非居住者であることの確認や購入記録票の作成など免税販売の際に必要となる手続を行うためのカウンター等の設備があることを求めているものであり、免税販売のための特別なカウンターを設けることまでを求めているものではない。

 


次回は引き続き、「運営管理 ~H28-25-2 その他店舗・販売管理(12)消費税免税店制度-2」について解説します。

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