運営管理 ~H29-2 設計技術(1)CAD/CAM~

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今回は、「運営管理 ~H29-2 設計技術(1)CAD/CAM~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成29年度一次試験問題一覧~

平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

CAD/CAM/CAE

「CAD」は「コンピュータにより設計を支援するシステム」であり、「CAM」は「CAD」により作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。さらに、「CAE」を導入すると、製品を実際に生産しなくても、製品が目的とする品質(機能や性能など)を達成するかどうかをシミュレーションすることができます。

「CAD/CAM/CAE」を導入することにより、製品の開発活動を効率的に進めることができるため、「開発コストの低減」「開発期間の短縮」を実現することができます。

 

CAD(Computer Aided Design)

CADは、「コンピュータにより設計を支援するシステム」です。

製品の企画工程や設計工程では、デザインや設計データを作成します。
従来は、机上で2次元の図面を作成していましたが、CADを導入することにより、ディスプレイ上で3次元の形状を表現することができるようになります。

また、作成した設計データを保存しておけば、顧客との調整により発生した設計内容の修正を素早く反映したり、他の製品のデザインや設計工程で再利用することができるため、設計作業を効率化することができます。

 

CAD

製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計。(JISB3401-0102)

 

CAM(Computer Aided Manufacturing)

CAMは、CADにより作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。

CAMでは、CADにより作成した設計データをインプット情報としてNC加工プログラムを自動作成します。また、作成されたNC加工プログラムをNC制御工作機械に送信すれば、製品の加工を行うことができるため、設計データから製品の加工までの工程を効率化することができます。

 

CAM

コンピュータの内部に表現されたモデルに基づいて、生産に必要な各種情報を生成すること、及びそれに基づいて進める生産の形式。(JISB3401-0103)

 

CAD/CAM

従来、CADとCAMは独立した別のシステムとして発展してきましたが、CADにより作成した設計データをCAMのインプット情報として使用するという視点から、設計工程と製造工程を一連の流れとして捉え、個別にシステムを構築するのではなく「CAD/CAM」として連動性を高めることにより、設計工程から製造工程までの更なる作業効率化を実現しています。

 

CAD/CAM

CADによってコンピュータ内部に表現されるモデルを作成し、これをCAMで利用することによって進める設計・生産の形式。(JISB3401-0104)

 

CAE(Computer Aided Engineering)

CAEでは、製品を生産する前の段階で、CADにより作成した設計データを用いて、製品が目的とする品質(機能や性能など)を達成するかどうかについて確認するためのシミュレーションを実施することができます。

従来、設計図面に基づき作成した試作品に対して動作試験を実施して、不具合が発見されたら設計図面を修正して再度試作品を作成して動作試験を実施するという作業を繰り返して設計内容の最適化を行ってきましたが、CAEを活用することによって実際に試作品を作成しなくても、シミュレーションにより不具合を確認することができるため、効率的に設計内容を最適化することができます。

 

CAE

CADの過程でコンピュータ内部に作成されたモデルを利用して、各種シミュレーション、技術解析など工学的な検討を行うこと。(JISB3401-0105)

 

PDM(Product Data Management)

PDMは、製品の研究・開発、設計、製造、検査・品質保証、保守・修理といった製品の全ての工程における製品情報を一元的に管理するシステムであり、「製品情報管理」と訳されます。

PDMを導入することにより、複数部門において技術情報を共有することができるため、設計期間の短縮や設計品質の向上を実現することができます。

 

POP(Point of Production)

POPは、時々刻々と変化する生産現場の状況をリアルタイムで把握するシステムであり、「生産時点情報管理」と訳されます。

作業者が、各工程が終了した時点でバーコード等の入力装置で作業報告を行うことにより、リアルタイムに進捗状況を更新していきます。

生産現場の管理者は、時々刻々と変化する生産現場の進捗状況を分析することによって、生産計画に対する消化率であったり、設備や従業員の負荷状況を確認して、先行・遅延の工程のバランスを調整することができます。

 

POP

生産活動において発生する情報を、その発生場所(機械、作業者、ジョブ)で即時に収集し必要な指示(情報)を提供する情報管理システム。(JISZ8141-4107)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成29年度 第2問】

生産システムにおけるICTの活用に関する記述として、最も適切なものはどれ
か。

 

ア CAE(Computer Aided Engineering)を導入することにより、製品開発過程の早い段階での事前検討が可能となり、開発期間の短縮が期待できる。

イ CAM(Computer Aided Manufacturing)を導入することにより、時々刻々変化する生産現場の状況をリアルタイムで把握することが可能となり、納期変更や設計変更などへの対応が容易になる。

ウ PDM(Product Data Management)を導入することにより、メーカーとサプライヤーが在庫データを共有することができ、実需に同期した精度の高い予測に基づく生産が可能になる。

エ POP(Point of Production)を導入することにより、タイムバケットに対して計画が作成され、調達・製造すべき品目とその量、各オーダーの着手・完了時期の必然性を明確にすることが可能となる。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

 

(ア) 適切です。

選択肢の内容は、「CAE(Computer Aided Engineering)」のことを記しているため適切な記述です。

CAE(Computer Aided Engineering)を導入することにより、製品開発過程の早い段階での事前検討が可能となり、開発期間の短縮が期待できます。

 

(イ) 不適切です。

選択肢の内容は、「CAM(Computer Aided Manufacturing)」ではなく「POP(Point of Production)」のことを記しているため不適切な記述です。

POP(Point of Production)を導入することにより、時々刻々変化する生産現場の状況をリアルタイムで把握することが可能となり、納期変更や設計変更などへの対応が容易になります。

 

(ウ) 不適切です。

選択肢の内容は、「PDM(Product Data Management)」ではなく「SCM(Supply Chain Management)」のことを記しているため不適切な記述です。

SCM(Supply Chain Management)を導入することにより、メーカーとサプライヤーが在庫データを共有することができ、実需に同期した精度の高い予測に基づく生産が可能になります。

 

(エ) 不適切です。

選択肢の内容は、「POP(Point of Production)」ではなく「MRP(Material Requirements Planning)」のことを記しているため不適切な記述です。

MRP(Material Requirements Planning)を導入することにより、タイムバケットに対して計画が作成され、調達・製造すべき品目とその量、各オーダーの着手・完了時期の必然性を明確にすることが可能となります。

 

答えは(ア)です。


 

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