運営管理 ~H29-1 生産性(1)生産システムの評価~

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今回は、「運営管理 ~H29-1 生産性(1)生産システムの評価~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成29年度一次試験問題一覧~

平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

システムの信頼性/保守性/可用性

システムの「信頼性」「保守性」「可用性」を示す指標について説明していきます。

 

信頼性:MTBF(Mean Time Between Failure)

「MTBF」は「平均故障間隔」といい「システムの信頼性」を示す指標です。

「MTBF」は、故障が復旧してから次の故障が発生するまでの平均時間であり、数値が大きいほど「信頼性」の高いシステムであることを示しています。

 

 

MTBFの算出例

  • MTBF =( 120時間 + 90時間 + 90時間 )÷ 3回 = 100時間

 

保守性:MTTR(Mean Time To Repair)

「MTTR」は「平均修復時間」といい「システムの保守性」を示す指標です。

「MTTR」は、故障が発生してから故障が復旧するまでの平均時間であり、数値が小さいほど「保守性」の高いシステムであることを示しています。

 

 

MTTRの算出例

  • MTTR =( 3時間 + 1時間 + 2時間 )÷ 3回 = 2時間

 

可用性:稼働率

「稼働率」は、システムを利用できる時間の割合であり、「システムの可用性」を示す指標です。

信頼性の指標である「MTBF」の数値が高く、保守性の指標である「MTTR」の数値が低いほど、「稼働率」の数値が高くなり総合的に信頼性が高いシステムであると評価されます。

 

 

稼働率の算出例

  • 稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)= 100時間 ÷(100時間 + 2時間)= 98.039…%

 

複数システムで構成されるシステム全体の稼働率

複数のシステムで構成されるシステム全体の稼働率の計算方法を以下に示します。

 

直列システムの稼働率

複数のシステムが「直列」に接続されているシステム全体の稼働率は以下の計算式により算出します。

 

 

直列システムの構成図

 

並列システムの稼働率

複数のシステムが「並列」に接続されているシステム全体の稼働率は以下の計算式により算出します。

 

 

並列システムの構成図

 

信頼性と可用性の違いについて

「信頼性」と「可用性」が示す内容の違いについて説明します。
一言でいうと、「信頼性」とは「故障の発生しにくさ」を示しており、「可用性」は「システムを利用できる時間の割合」を示しています。

 

以下の特徴を有する2つのシステムで、その違いについて考えていきます。

  • システムA:900時間運転すると故障が発生して復旧までに100時間かかる。
  • システムB:99時間運転すると故障が発生して復旧までに1時間かかる。

 

「信頼性」と「可用性」の観点から「システムA」と「システムB」を比較すると、「信頼性」が高いのは「システムA」であり「可用性」が高いのは「システムB」という結果となります。

 

システムA システムB
信頼性 MTBF 900時間 ÷ 1回 = 900時間 99時間 ÷ 1回 = 99時間
可用性 稼働率 900 ÷(900+100)= 90% 99 ÷(99+1)= 99%

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成29年度 第1問】

生産システムにおける評価尺度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア MTBFは、故障した設備を運用可能状態へ修復するために必要な時間の平均値である。
イ 稼働率は、人または機械の利用可能時間を有効稼働時間で除した値である。
ウ 原材料生産性は、生産量を原材料の総使用量で除した値である。
エ スループットは、製品を発注してから納入されるまでの時間である。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

生産システムにおける評価尺度に関する記述として、最も適切なものを選択する問題です。

 

(ア) 不適切です。

「MTBF」は「故障が復旧してから次の故障が発生するまでの平均時間」のことを示しているため、選択肢の内容は不適切です。
なお、「故障した設備を運用可能状態へ修復するために必要な時間の平均値」のことは「MTTR」といいます。

 

 

(イ) 不適切です。

「稼働率」は、人または記載の利用可能時間を全体時間で除した数値のため、選択肢の内容は不適切です。

 

 

(ウ) 適切です。

「生産性」とは、「アウトプット(産出量)÷インプット(投入量)」で算出され、労働生産性、設備生産性、原材料生産性といった指標があります。

「原材料生産性」とは、「原材料の総使用量(投入量)」に対する「生産量(算出量)」を示す指標であるため、選択肢の内容は適切です。

 

(エ) 不適切です。

「製品を発注してから納入されるまでの時間」のことは「リードタイム」というため、選択肢の内容は不適切です。

 

答えは(ウ)です。


 

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