財務・会計 ~資本資産評価モデル(CAPM)(1)~

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今回は、「資本資産評価モデル(CAPM)(1)」について説明します。

資本資産評価モデル(CAPM)

「CAPM(Capital Asset Pricing Model)」により、以下の計算式で「証券の期待収益率」を求めることができます。

CAPMについては、以前にも説明したページがあるので、ぜひそちらのページもご覧ください。

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成28年度 第12問】

資本資産評価モデル(CAPM)に関する下記の設問に答えよ。

(設問1)

資本資産評価モデルを前提とした場合の記述として、最も適切なものはどれか。

ア β=-1 である資産を安全資産と呼ぶ。

イ β=1であるリスク資産の期待収益率は、市場ポートフォリオの期待収益率と同じである。

ウ β=2であるリスク資産の予想収益率の分散は、β=1であるリスク資産の予想収益率の分散の2倍である。

エ 市場ポートフォリオのリターンが正のとき、β=0.5であるリスク資産の価格が下落することはない。

(設問2)

資本資産評価モデルを前提とした場合、以下の資料に基づく株式の期待収益率として最も適切なものを、下記の解答群から選べ。

【資 料】

市場ポートフォリオの期待収益率:8 %
無リスク資産の期待収益率:3 %
β:1.4
実効税率:40%

[解答群]

ア 4.4 %
イ 7 %
ウ 10%
エ 11.2 %

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答(設問1)

CAPMによる「証券の期待収益率」の計算式を思い浮かべましょう。

ア 不適切です。

「β=0」の場合が、安全資産(無リスク資産)の期待収益率(=安全利子率)です。

イ 適切です。

「β=1」の場合、リスク資産の期待収益率(証券の期待収益率)は、「市場ポートフォリオの期待収益率」です。

ウ 不適切です。

これは試験で出題されるとかなり焦るかもしれません。
β値は、リスク資産の景気に対する感度を示しており、β=2の方がハイリスクハイリターンな株式となるため、β=1の時よりも分散は大きくなるかもしれませんが、2倍になるとは限りません。

エ 不適切です。

市場ポートフォリオのリターン(期待収益率)が正だとしても、リスク資産の価格が下落することはあります。株式なので価格が下落することがないというような保証はありません。

答えは(イ)です。

考え方と解答(設問2)

「株式の期待収益率」を求める問題となっていますが、「株主の期待収益率」って何?という方は、以下をご覧ください。

財務・会計 ~株主資本コスト(CAPM)(1)~

CAPMにより求められる「証券の期待収益率」は、立場の違いによっていろいろな呼び方があります。投資家から見ると「証券の期待収益率」「株主の期待収益率」と呼ばれ、企業から見ると「株主資本コスト」「自己資本コスト」という呼び方に変化しますが、問われている数値は同じものを意味しています。以下の文章を読んでもらえば理解できるのではないかと思っています。

証券の期待収益率(株主の期待収益率)

投資家は企業の株式を購入することで配当金によるリターン(収益)を期待しています。これを「証券の期待収益率(株主の期待収益率)」といいます。

なお、株主は株価の低下や企業の倒産等により投資資金を失うリスクがあるため、銀行に預けた時に受け取る利息よりも高いリターンを期待しています。

株主資本コスト(自己資本コスト)

株主資本とは資本金などの純資産です。資本金を調達するために株式を発行している場合、株主に対して「配当金」を支払わなくてはなりません。これが株主資本コストです。

というわけなので、上述したCAPMの計算式により「証券の期待収益率(株主の期待収益率)」を求めてみます。

安全利子率とは、安全資産(無リスク資産)の期待収益率を示しています。
ちなみに、「実効税率:40%」はダミーデータです。(使いません。)

株主の期待収益率 = 3% + 1.4 ×(8% - 3%)= 10%

答えは(ウ)です。


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