今回は、「運営管理 ~H29-14 生産の合理化・改善(3)PDCAサイクル~」について説明します。
目次
運営管理 ~平成29年度一次試験問題一覧~
平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
PDCAサイクル
「PDCAサイクル」は、「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」を繰り返し実行することによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法です。
PDCAサイクルのイメージ
PDCAの実行
「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」の実行例を以下に示します。
1回目の「PDCA」が終了したら、そのまま引き続き2回目の「PDCA」に突入します。
このように、「PDCAサイクル」に終了はなく、繰り返し実行することによって継続的な業務改善を実現することができます。
- Plan(計画)
過去の業務実行結果や将来の予測に基づき、業務計画の作成を行う。 - Do(実行)
計画に沿って業務を行う。 - Check(評価)
実行結果を評価して、業務計画との乖離や、新たな問題点の原因分析を行う。 - Act(改善)
評価の結果を受けて、発生している乖離や問題点に対する改善を行う。 - Plan(計画) ⇒2回目
業務計画に改善点を反映する。 - Do(実行) ⇒以降繰り返し・・・
改善点を反映した業務計画に沿って業務を行う。
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【平成29年度 第14問】
標準時間を用いた作業改善のPDCAサイクルにおける各要素とその内容の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
<各要素の内容>
①標準時間の順守を徹底するとともに、生産の合理化に向けて作業改善を行う。
②実際の作業時間と標準時間の差異を確認し、その原因を追求する。
③対象となる作業の標準作業を設定して、標準時間を算定する。
④実際に作業を実施して、その作業時間を測定する。
[解答群]
ア P:② D:① C:③ A:④
イ P:② D:④ C:③ A:①
ウ P:③ D:① C:④ A:②
エ P:③ D:④ C:② A:①
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
PDCAサイクルに関する知識を問う問題です。
「標準時間を用いた作業改善」について「PDCAサイクル」を回して改善を行います。
流れとしては「標準作業の標準時間を設定して(P)、実際に作業を実行して(D)、標準時間と実際の作業時間が乖離した原因を分析して(C)、対策を実施する(A)」になると想定されます。
それでは、選択肢をPDCAの順に並べていきます。
- Plan(計画)
③対象となる作業の標準作業を設定して、標準時間を算定する。 - Do(実行)
④実際に作業を実施して、その作業時間を測定する。 - Check(評価)
②実際の作業時間と標準時間の差異を確認し、その原因を追求する。 - Act(改善)
①標準時間の順守を徹底するとともに、生産の合理化に向けて作業改善を行う。
今回の問題ではポイントとはなっていませんが、「②実際の作業時間と標準時間の差異を確認し、その原因を追求する。」に際しては、問題の原因が「実際の作業時間」にあると決めつけるのではなく、「標準作業」や「標準時間」の設定方法に問題がある可能性も意識して、評価を行う必要があることです。
答えは(エ)です。
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