運営管理 ~R3-42 物流情報システム(11)電子タグ~

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今回は、「運営管理 ~R3-42 物流情報システム(11)電子タグ~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~令和3年度一次試験問題一覧~

令和3年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

GS1

「GS1」とは、世界の流通情報に関する標準化を推進する国際的な組織であり、「国際EAN協会」と「米UCC」が合併して2005年に発足しました。

ベルギーのブリュッセルに本部が設置され、世界110カ国以上の国や地域が加盟しています。

日本では「一般財団法人 流通システム開発センター(流通システム標準普及推進協議会)」が「GS1 Japan」として加盟しています。

 

GS1標準データキャリア

「データキャリア」とは、機械で読み取ることができる形式で表示した識別コードのことをいい、サプライチェーンの効率化を目的として「GS1」により標準化が進められています。

 

GS1標準データキャリアの種類

「GS1」で標準化されている「データキャリア」には、商品などに印刷された情報をリーダーで読み取る「一次元シンボル」「二次元シンボル」と、ICチップに書き込まれた情報を無線通信で読み取る「電子タグ(ICタグ/RFID)」があります。

 

一次元シンボル

「一次元シンボル」とは、横方向のみ(一次元)に情報が表示されているバーコードのことをいいます。

「GS1」で標準化されている「一次元シンボル」を以下に示します。

 

データキャリアの種類 書き込まれる識別情報 主に表示されるもの
JAN(EAN/UPC)シンボル GTIN-13
GTIN-12
GTIN-8
消費者購入単位の商品
ITFシンボル GTIN-14
GTIN-13
GTIN-12
企業間取引単位の商品(段ボール等)
GS1-128シンボル GS1識別コードと属性情報 企業間取引単位の商品、通い容器、資産、文書等
GS1データバー
標準型/標準二層型
GTIN 消費者購入単位の商品
GS1データバー
拡張型/拡張多層型
GTINと属性情報 消費者購入単位の商品
GS1データバー
限定型/二層型
GTIN 医療用医薬品

 

二次元シンボル

「二次元シンボル」は、横方向だけでなく縦方向にも(二次元)情報が表示されています。

「二次元シンボル」には、バーコードを縦に積み重ねて表示した「スタック型」と、セルと呼ばれる正方形や点を格子状に並べて表示した「マトリクス型」の2種類があります。

「GS1」で標準化されている「二次元シンボル」を以下に示します。

 

データキャリアの種類 書き込まれる識別情報 主に表示されるもの
GS1 データバー合成シンボル GTINと属性情報 医療用医薬品
GS1 データマトリックス GS1識別コードと属性情報 資産、通い容器、医療機器・材料、文書、モバイル等
GS1 QRコード GS1識別コードと属性情報 資産、通い容器、文書、モバイル等

 

電子タグ(ICタグ)

「電子タグ」は、データを格納するICチップと小型のアンテナで構成されており、無線通信の技術(RFID)を用いた非接触通信ができるため、複数の「電子タグ」を離れたところから一括して読み取ることができます。

「電子タグ」には、識別情報として「GS1識別コード」に「シリアル番号」を付加した「EPC(Electronic Product Code)」が書き込まれているため、同じ商品であっても、それぞれを個別に識別することができます。

「GS1」で標準化されている「電子タグ」を以下に示します。

 

データキャリアの種類 書き込まれる識別情報 主に表示されるもの
EPCタグ GS1識別コードとシリアル番号
(と属性情報)
アパレル商品、通い容器等

 

EPCの体系

「EPC(Electronic Product Code)」とは、「電子タグ」に書き込まれる識別コードのことをいい、「GS1識別コード」を基準として構成されています。

 

GS1識別コード EPC
モノ・製品 GTIN SGTIN
場所 GLN SGLN
輸送・梱包 SSCC SSCC
資産 GRAI GRAI
GIAI GIAI
サービス GSRN GSRN
ドキュメント GDTI GDTI
クーポン GCN SGCN
製品/構成品 CPID CPID

 

識別情報

「GS1標準データキャリア」に書き込まれる識別情報には「GS1識別コード」と「属性情報」があります。

 

GS1識別コード

「GS1識別コード」には、「商品・サービス」を識別する「GTIN」、「企業・事業所」を識別する「GLN」、「通い箱・通い容器」を識別する「GRAI」など用途に応じた識別コードがあります。

 

GTIN(Global Trade Item Number)

「GTIN」は、「GS1」で標準化されている「商品識別コード」であり、ハイフン以降の数字は、その桁数を表しています。

「GTIN」により「どの事業者のどの商品またはサービスか」を識別することができるため、「小売業」においては、POS システムを使った精算業務、受発注業務、在庫管理などで、また「物流センター」においては、入出庫管理、仕分け、棚卸、在庫管理などで活用されています。

「GTIN」では、「GS1事業者コード」により事業者を一意に識別して「商品アイテムコード」により商品やサービスを一意に識別します。

 

「GTIN」のコード体系

 

GLN(Global Location Number)

「GLN」は、「GS1」で標準化されている「企業・事業所識別コード」 であり、以下の3つの情報で構成された「13桁」の数字です。国内に限らず世界において企業や事業所等を一意に識別することができるため、EDI(企業間電子データ交換)で活用されています。

 

  • GS1事業者コード(9桁/7桁)
  • ロケーションコード(3桁/5桁)
  • チェックデジット(1桁)

 

GRAI(Global Returnable Asset Identifier)

「GRAI」は、「GS1」で標準化されている「リターナブル容器識別番号」であり、以下の情報で構成された「最大30桁」の数字です。パレット、オリコン、カゴ車、コンテナなど、企業間で繰り返し使用する資産(通い箱・通い容器)を管理するために活用されており、資産追跡やメンテナンス管理の向上などを実現することができます。

 

  • 備品コード(14桁/必須)
    • 固定値:0(1桁)
    • GS1事業者コード(9桁/7桁)
    • 資産種別コード(3桁/5桁)
    • チェックデジット(1桁)
  • シリアルナンバー(最大16桁/任意)

 

属性情報

「属性情報」には、製造年月日、品質保持期限日、ロット番号、シリアル番号など商品やサービス等に関連する様々な情報が含まれます。

情報の先頭に「GS1アプリケーション識別子(GS1 AI)」と呼ばれる識別コードを付加することで、「GS1アプリケーション識別子」以降に続くデータが何を示しているか分かるようにしています

なお、「GS1アプリケーション識別子(AI)」は、GS1が標準化した「情報の種類」と「その情報のフォーマット(データの内容、桁数、使用可能な文字)」を表す「2桁から4桁」の数字です。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和3年度 第42問】

電子タグを活用して商品を個体で管理するために必要なコードが、GS1標準の識別コードに対応して整備されている。これらのコードに関する以下の文章において、空欄A~Cに入る略語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

[ A ]は、GS1で標準化された電子タグに書き込むための識別コードの総称であり、[ B ]等のGS1が定める標準識別コードが基礎となっている。そのため、既存のバーコードシステムとの整合性を確保しながら、電子タグシステムを構築することが可能である。

[ A ]の一例である[ C ]は、商品識別コードである[ B ]にシリアル番号(連続番号)を付加したものであり、[ B ]が同じ商品でもそれぞれ1つ1つを個別に識別することが可能である。

 

[解答群]

ア A:EPC B:GRAI C:SSCC
イ A:EPC B:GTIN C:SGTIN
ウ A:EPC B:GTIN C:SSCC
エ A:GCN B:GRAI C:SSCC
オ A:GCN B:GTIN C:SGTIN

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「GS1標準データキャリア」に関する知識を問う問題です。

 

「データキャリア」とは、機械で読み取ることができる形式で表示した識別コードのことをいい、サプライチェーンの効率化を目的として「GS1」により標準化が進められています。

「GS1」で標準化されている「データキャリア」には、商品などに印刷された情報をリーダーで読み取る「一次元シンボル」「二次元シンボル」と、ICチップに書き込まれた情報を無線通信で読み取る「電子タグ(ICタグ/RFID)」があります。

「電子タグ」は、データを格納するICチップと小型のアンテナで構成されており、無線通信の技術(RFID)を用いた非接触通信ができるため、複数の「電子タグ」を離れたところから一括して読み取ることができます。

「電子タグ」には、識別情報として「GS1識別コード」に「シリアル番号」を付加した「EPC(Electronic Product Code)」が書き込まれているため、同じ商品であっても、それぞれを個別に識別することができます。

「GS1」で標準化されている「電子タグ」を以下に示します。

 

データキャリアの種類 書き込まれる識別情報 主に表示されるもの
EPCタグ GS1識別コードとシリアル番号
(と属性情報)
アパレル商品、通い容器等

 

EPCの体系

「EPC(Electronic Product Code)」とは、「電子タグ」に書き込まれる識別コードのことをいい、「GS1識別コード」を基準として構成されています。

 

GS1識別コード EPC
モノ・製品 GTIN SGTIN
場所 GLN SGLN
輸送・梱包 SSCC SSCC
資産 GRAI GRAI
GIAI GIAI
サービス GSRN GSRN
ドキュメント GDTI GDTI
クーポン GCN SGCN
製品/構成品 CPID CPID

 

穴埋め文章

上述の内容に基づき、問題文を穴埋めすると以下の文章となります。

 

EPCは、GS1で標準化された電子タグに書き込むための識別コードの総称であり、GTIN等のGS1が定める標準識別コードが基礎となっている。そのため、既存のバーコードシステムとの整合性を確保しながら、電子タグシステムを構築することが可能である。

EPCの一例であるSGTINは、商品識別コードであるGTINにシリアル番号(連続番号)を付加したものであり、GTINが同じ商品でもそれぞれ1つ1つを個別に識別することが可能である。

 

「A:EPC B:GTIN C:SGTIN」であるため、答えは(イ)です。


 

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