このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

運営管理 ~R3-17 IE/作業研究(21)作業測定~

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今回は、「運営管理 ~R3-17 IE/作業研究(21)作業測定~」について説明します。

 

運営管理 ~令和3年度一次試験問題一覧~

令和3年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

  • 運営管理 ~令和3年度一次試験問題一覧~

 

標準時間

「標準時間」とは「標準的なスキルを持つ作業者が、決められた作業条件のもとで、決められた方法と設備を用いて作業を行うのに必要な時間」です。

「標準時間」は、生産計画を策定する上で基準となる作業時間であり、「主体作業時間」と「準備段取作業時間」から構成されます。

また、「主体作業時間」と「準備段取作業時間」は、それぞれ「正味時間(作業時間)」と「余裕時間」を合計して設定します。

 

 

標準時間

その仕事に適性をもち、習熟した作業者が、所定の作業条件のもとで、必要な余裕をもち、正常な作業ペースによって仕事を遂行するために必要とされる時間。(JISZ8141-5502)

 

ワークサンプリングにおける作業分類

「主体作業時間」「準備段取作業時間」「余裕時間」については、ワークサンプリングにおいて定義された以下の「作業分類」を参考としてください。

 

 

正味時間

「正味時間」とは、決められた手順により行う「最小作業単位の時間」のことをいいます。

 

正味時間

主体作業、準備段取作業を遂行するために直接必要な時間。(JISZ8141-5503)

 

余裕時間

「余裕時間」は、機械への注油や工具の交換など不規則、偶発的に発生する作業(作業余裕)や、機械故障や朝礼など管理上の理由により発生する作業(職場余裕)といった「管理余裕時間」と、作業者の疲れを回復するための時間(疲労余裕)や、作業者の生理的な理由により発生する時間(用達余裕)といった「人的余裕時間」で構成されています。
「余裕時間」は、作業を実施するためには避けられない時間であるため「標準時間」に見込んでおく必要があります。

 

余裕時間

作業を遂行するために必要と認められる遅れの時間。(JISZ8141-5504)

 

標準時間設定法

標準時間を設定するには、ストップウォッチ法、PTS法、標準時間資料法、実績資料法、経験見積法といった方法があります。

 

ストップウォッチ法

「ストップウォッチ法」は、実際に作業しているところを観察しながら、ストップウォッチを用いて作業時間の測定を行う方法です。

ストップウォッチを用いて測定した作業時間は、作業者の習熟度によって誤差が生じるため、「レイティング係数」により補正をかけます。

「レイティング係数」により補正をかけた作業時間は「正味時間」のため、ワークサンプリング法によって算出した余裕率を加味して、標準時間を設定する必要があります。

 

 

レイティング

「レイティング」とは、測定した作業時間を「標準的なスキルを持つ作業者が、決められた作業条件のもとで、決められた方法と設備を用いて作業を行うのに必要な時間」に補正する一連の手続きのことをいい、以下の公式により算出することができます。

 

 

ストップウォッチ法

作業を要素作業又は単位作業に分割し、ストップウォッチを用いて要素作業又は単位作業に要する時間を直接測定する方法。
備考 ストップウォッチによる時間測定の方法は、測定終了までにストップウォッチを止めないで測定する継続法と、要素作業ごとにストップウォッチを止めて測定する早戻し法、要素作業の連続した組を順次替えながら測定する循環法に大別される。(JISZ8141-5205)

 

レイティング

時間観測時の作業速度を基準とする作業速度と比較・評価し、レイティング係数によって観測時間の代表値を正味時間に修正する一連の手続き。

備考 正味時間は、レイティング係数(rating factor)を用いて次の式で表される。

レイティング係数=基準とする作業ペース/観測作業ペース
正味時間=観測時間の代表値×レイティング係数

(JISZ8141-5508)

 

習熟

同じ作業を何回も繰り返すことによって、作業に対する慣れ、動作や作業方法の改善によって次第に作業時間が減少していく現象。
備考 横軸に作業の繰返し回数、縦軸に作業時間を取り、作業時間の減少を表した曲線を習熟曲線(learning curve)という。対数線形習熟モデルで習熟曲線を両対数グラフに表すと直線になって、その直線のこう配を習熟係数という。(JISZ8141-5510)

 

PTS法

「PTS法」は、人間による作業を「基本動作(微動作)」に分解してから、あらかじめ定められた「基本動作(微動作)」の単位時間を積み上げることによって、机上で理論的に標準時間を算出する方法のことをいいます。

「PTS法」は、作業を「基本動作(微動作)」まで分解すれば個人差がなくなるという考え方に基づいているため、算出した作業時間を「レイティング係数」で補正する必要はありません

また、あらかじめ定められた「基本動作(微動作)」の単位時間を積み上げて算出した作業時間は「正味時間」を表しているため、「ワークサンプリング法」によって算出した「余裕率」を加味して「標準時間」を算出する必要があります。

 

PTS法(predetermined time standard system)

人間の作業を、それを構成する基本動作にまで分解し、その基本動作の性質と条件に応じて、あらかじめ決められた基本となる時間値から、その作業時間を求める方法。
備考 PTS法の代表的手法には、WF法とMTM法とがある。WF(work factor)法は、基本動作、動作距離及び動作時間に影響を及ぼす変数(work factor)、動作距離を考慮して作業時間を求める方法。MTM(methods time measurement)法は、基本動作、動作距離及び条件に応じて作業時間を求める方法。(JISZ8141-5209)

 

標準時間資料法

「標準時間資料法」とは、作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法のことをいいます。

言い回しが難しいですが、測定した作業時間データを蓄積して作業単位ごとに資料化(標準資料)することによって、新たな作業の標準時間を設定する際には、改めて時間観測をしなくても、作業条件に合わせて「標準資料」から時間値を合計して算出することができます。

作業時間を定常要素(定数)と可変要素(変数)に区分して、変動要因と時間値との関係を数式や曲線、数表、計算図表などの形式で整理する必要があるため、標準資料の作成に手間がかかるというデメリットがあります。

 

標準時間資料法

作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法。(JISZ8141-5506)

 

実績資料法

「実績資料法」とは、過去の作業実績に基づき、作業の類似性を考慮して作業時間を見積もる方法のことをいいます。

標準時間を見積もるための手間は費用がかからないというメリットがありますが、精度が低いというデメリットがあります。

 

経験見積法

「経験見積法」とは、経験が豊富な熟練工や監督者が過去の経験に基づき作業時間を見積もる方法のことをいいます。

標準時間を見積もる熟練工や監督者の主観が入りやすく、人により設定される作業時間が変動しやすいというデメリットがあります。

 

連合作業分析

「連合作業分析」とは、作業者や機械による作業を効率化するために、時間の経過に合わせた作業内容の関連性を「ECRSの原則」に従って分析することによって、作業サイクルの時間短縮、作業者や機械の稼働率向上、配置人員数の削減を実現することを目的としています。

「連合作業分析」は、人が機械を使って行う作業内容の関連性を分析する「人・機械分析」と、複数の作業者が協同して行う作業内容の関連性を分析する「組作業分析」に大別されます。

 

ECRSの原則(改善の4原則)

「ECRSの原則」は、生産活動の作業効率を改善するために検討すべき観点とその順番を示しており、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)という4つの観点の頭文字から構成されています。

「ECRSの原則」を活用して、作業自体をなくしたり(E)、作業をまとめて行ったり(C)、作業の順番を入れ替えたり(R)、作業を単純化する(S)といった方法で、生産活動における作業効率を改善していきます

 

 

人・機械分析

「人・機械分析」では、「機械が作業している間の作業者の手待ち」や「作業者が作業している間の機械の停止・空転」といったポイントに着目して改善することによって、作業の効率化を図っていきます。

「人・機械分析」では、作業者が機械を使って行う作業内容を時系列で整理した「マン・マシンチャート」を作成して、作業者と機械の稼動状況に関する問題点を分析します

 

マン・マシンチャートの例

例として、平成30年度の事例Ⅲの問題において与えられた「マン・マシンチャート」を以下に示します。作業者と成形機(2台)の稼働状況を時系列で整理することで、作業者と設備の待ち時間が多く稼働率が低い状況となっていることが一目で分かります。

 

引用元 中小企業診断士試験 平成30年度 事例Ⅲ問題 より

 

組作業分析

複数の作業者が協同して行う作業を「組作業」といいます。
「組作業分析」では、複数の作業者で実施している「組作業」における作業者相互の稼働関係を記録した結果から、作業方法や人員配置の見直しを行い、作業者が受け持つ作業量の不均衡や手待ちの是正を行うことによって、作業の効率化を図っていきます。

 

連合作業分析

人と機械、二人以上の人が協同して作業を行う時、その共同作業の効率を高めるための分析手法。(JISZ8141-5213)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和3年度 第17問】

作業測定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア PTS法では、作業設計が終了した後、その作業を正確に再現して実測しなければ標準時間を求めることができない。
イ 間接測定法である標準時間資料法は、過去に測定された作業単位ごとに資料化されている時間値を使って標準時間を求めるもので、類似の作業が多い職場に適している。
ウ 直接測定法であるストップウオッチ法は、作業を要素作業または単位作業に分割して直接測定する方法で、サイクル作業には適していない。
エ 人と機械が共同して行っているような作業における手待ちロスや停止ロスの改善を実施する場合には、人と機械に1人ずつ観測者がついて工程分析を行う必要がある。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「IE(作業研究)」において「作業測定」「時間研究」「標準時間設定法」に分類される「ストップウォッチ法」「PTS法」「標準時間資料法」と「方法研究」「動作研究(作業系)」「作業系列」に分類される「連合作業分析」に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「PTS法」は、人間による作業を「基本動作(微動作)」に分解してから、あらかじめ定められた「基本動作(微動作)」の単位時間を積み上げることによって、机上で理論的に標準時間を算出する方法のことをいいます。

 

PTS法(predetermined time standard system)

人間の作業を、それを構成する基本動作にまで分解し、その基本動作の性質と条件に応じて、あらかじめ決められた基本となる時間値から、その作業時間を求める方法。
備考 PTS法の代表的手法には、WF法とMTM法とがある。WF(work factor)法は、基本動作、動作距離及び動作時間に影響を及ぼす変数(work factor)、動作距離を考慮して作業時間を求める方法。MTM(methods time measurement)法は、基本動作、動作距離及び条件に応じて作業時間を求める方法。(JISZ8141-5209)

 

したがって、PTS法では、作業設計が終了した後、その作業を正確に再現して実測しなければ標準時間を求めることができないのではなく、作業設計が終了すれば、その作業を正確に再現して実測しなくても標準時間を求めることができるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 適切です。

「標準時間資料法」とは、作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法のことをいいます。

言い回しが難しいですが、測定した作業時間データを蓄積して作業単位ごとに資料化(標準資料)することによって、新たな作業の標準時間を設定する際には、改めて時間観測をしなくても、作業条件に合わせて「標準資料」から時間値を合計して算出することができます。

 

標準時間資料法

作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法。(JISZ8141-5506)

 

したがって、間接測定法である標準時間資料法は、過去に測定された作業単位ごとに資料化されている時間値を使って標準時間を求めるもので、類似の作業が多い職場に適しているため、選択肢の内容は適切です

 

(ウ) 不適切です。

「ストップウォッチ法」は、実際に作業しているところを観察しながら、ストップウォッチを用いて作業時間の測定を行う方法です。

 

ストップウォッチ法

作業を要素作業又は単位作業に分割し、ストップウォッチを用いて要素作業又は単位作業に要する時間を直接測定する方法。
備考 ストップウォッチによる時間測定の方法は、測定終了までにストップウォッチを止めないで測定する継続法と、要素作業ごとにストップウォッチを止めて測定する早戻し法、要素作業の連続した組を順次替えながら測定する循環法に大別される。(JISZ8141-5205)

 

したがって、直接測定法であるストップウオッチ法は、作業を要素作業または単位作業に分割して直接測定する方法で、サイクル作業には適していないのではなく適しているため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

作業者や機械による作業を効率化するために、作業サイクルの時間短縮、作業者や機械の稼働率向上、配置人員数の削減を実現することを「連合作業分析」といいます。

「連合作業分析」は、人が機械を使って行う作業内容の関連性を分析する「人・機械分析」と、複数の作業者が協同して行う作業内容の関連性を分析する「組作業分析」に大別されます。

「人・機械分析」では、「機械が作業している間の作業者の手待ち」や「作業者が作業している間の機械の停止・空転」といったポイントに着目して改善することによって、作業の効率化を図っていきます。

「人・機械分析」では、作業者が機械を使って行う作業内容を時系列で整理した「マン・マシンチャート」を作成して、作業者と機械の稼動状況に関する問題点を分析します

 

連合作業分析

人と機械、二人以上の人が協同して作業を行う時、その共同作業の効率を高めるための分析手法。(JISZ8141-5213)

 

したがって、人と機械が共同して行っているような作業における手待ちロスや停止ロスの改善を実施する場合には、人と機械に1人ずつ観測者がついて工程分析を行う必要はなく、作業者が機械を使って行う作業内容を時系列で整理した「マン・マシンチャート」を作成して、作業者と機械の稼動状況に関する問題点を分析する必要があるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(イ)です。


 

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