運営管理 ~H29-28 その他店舗・販売管理(5)人時生産性~

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今回は、「運営管理 ~H29-28 その他店舗・販売管理(5)人時生産性~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成29年度一次試験問題一覧~

平成29年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

日本の労働生産性

世界の中で、日本は生産性が低い国であると位置づけられています。
これから将来にわたって、労働人口が減少していく日本が、経済規模を維持拡大していくためには「生産性」を高めて国内企業の収益力を向上させることが重要な課題とされています。

政府は生産性向上に向けた各種の政策を展開していますが、OECDが発表した2016年のデータによるとあまり効果は出ていないように見受けられます。

 

日本の時間当たり労働生産性(1時間当たり付加価値)

2016年の日本の時間当たり労働生産性は「46.0ドル」です。これは、米国「69.6ドル」の3分の2程度であり、英国「52.7ドル」やカナダ「50.8ドル」を下回るものの、ニュージーランド「42.9ドル」を上回る水準で、OECD加盟国(35カ国)の中では「20位」に位置しており、2015年と比べても順位の変動はありませんでした。

なお、G7(主要先進7カ国)では、データが取得可能な1970年以降、最下位が続いています。

 

日本の1人当たり労働生産性

2016年の日本の1人当たり労働生産性(1人当たり付加価値)は「81,777」ドルです。これは、英国「88,427ドル」やカナダ「88,359ドル」を下回るものの、ニュージーランド「74,327ドル」を上回る水準で、OECD加盟国(35カ国)の中では「21位」に位置しています。

なお、G7(主要先進7カ国)では、「時間当たり労働生産性」と同様に、最下位が続いています。

 

製造業の労働生産性

日本の製造業の労働生産性水準(1人当たり付加価値)は「95,063ドル」です。これは、為替レートがこのところ円安傾向に振れている影響を受けていることもあります(※)が、OECD加盟主要国(29カ国)の中では「14位」に位置しており、1995年以降で過去最低の2008年/2014年に並ぶ結果となっています。

(※)製造業の労働生産性を円ベースでみると着実に上昇を続けています。

 

今回は、「労働生産性」ではありませんが、生産性を評価する指標である「人時生産性」「人時売上高」について説明していきます。

 

人時生産性

「人時生産性」とは、社員・パート・アルバイトを含めた従業員の1人1時間当たりにおける「粗利益」のことを示しており、以下の公式により算出されます。

「粗利益」は「売上高」から「売上原価」を控除した金額であり、「粗利益」を「総労働時間数」で除した「人時生産性」はその数値が高い方が優れています

 

 

粗利益の算出

「粗利益」は、損益計算において「売上高」から「売上原価」を控除した金額であり、「売上総利益」ともいいます。「損益計算書」のフォーマットを以下に示します。

 

 

人時売上高

「人時売上高」とは、社員・パート・アルバイトを含めた従業員の1人1時間当たりにおける「売上高」のことを示しており、以下の公式により算出されます。
「売上高」を「総労働時間数」で除した「人時売上高」はその数値が高い方が優れています

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成29年度 第28問】

ある売場において、商品を300万円で仕入れ、10日間ですべての商品を販売することを計画している。この売場で、2人の従業員が毎日それぞれ5時間ずつ労働し、売上高が500万円であった場合、この期間の人時生産性として、最も適切なものはどれか。

 

ア 1万円
イ 2万円
ウ 3万円
エ 4万円
オ 5万円

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「人時生産性」の算出方法に関する知識を問う問題です。

 

人時生産性

「人時生産性」とは、社員・パート・アルバイトを含めた従業員の1人1時間当たりにおける「粗利益」のことを示しており、以下の公式により算出されます。

 

 

粗利益の算出

「粗利益」の計算は「売上高」から「売上原価」を控除して算出されますが、今回の問題では「売上高500万円-商品の仕入原価300万円=200万円」が「粗利益」となります。

2人の従業員の労働費は売上原価に含まれるのではないかとも考えられますが、商品を製造するためではなく販売するための労働により発生する費用のため、「売上原価(労務費)」ではなく「販売費及び一般管理費」に区分され「売上原価」には計上されません。

 

人時生産性の算出

「粗利益」と「総労働時間」を算出した後、「人時生産性」を求めます。

  • 粗利益:売上高500万円 - 仕入原価300万円 = 200万円
  • 総労働時間:2人 × 5時間 × 10日間 = 100時間
  • 人時生産性:200万円 ÷ 100時間 = 2万円

 

答えは(イ)です。


 

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