このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

事例Ⅲ ~令和2年度 解答例(5)(第4問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~令和2年度 解答例(5)(第4問)~」について説明します。

 

事例Ⅲ ~令和2年度試験問題一覧~

令和2年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第4問

第4問(配点20点)

 

C社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として120字以内で助言せよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第4問では、モニュメント事業の充実と拡大を狙うC社の戦略について、助言する能力を問われています。

 

まずは、「第3問」のIT活用で改善することができなかった以下3つの問題を漏らすことなく、解答に盛り込むようにします。

 

  • 各作業チームの技術力に差があること
  • 工場建屋の制約により、作業スペースの確保が難しいこと
  • レイアウトの問題により、モノの移動に関連する作業が多いこと

 

また、「第1問」において「C社の弱み」とした(または弱み候補とした)にもかかわらず「第3問」までに触れられていない以下の問題についても、モニュメント事業の充実と拡大を狙うC社にとって改善すべきと考えられるため、解答に盛り込んでいくよう考えていきます。

 

  • 工場建屋の制約から設置高さ7m以内の製品に限定されていること
  • モニュメント製品は受注量の変動が大きいこと

 

与件文で関連しそうな箇所

「第3問」のIT活用で改善することができなかった以下3つの問題については「3ページ目」の【生産の現状】に記述されている内容から抽出していきます。

 

  • 各作業チームの技術力に差があること
  • 工場建屋の制約により、作業スペースの確保が難しいこと
  • レイアウトの問題により、モノの移動に関連する作業が多いこと

 

「工場建屋の制約から設置高さ7m以内の製品に限定されていること」については「1ページ目」の【C社の概要】の「2段落目」に記述されている内容から、「モニュメント製品は受注量の変動が大きいこと」については「1ページ目」の【C社の概要】の「最終段落」に記述されている内容と「2ページ目」の【業務プロセス】の「2段落目」と「3段落目」に記述されている内容から抽出していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

 

C社の概要

 

  • C社が受注しているビル建築用金属製品の主なものは、出入口の窓枠やサッシ、各種手摺(てすり)、室内照明ボックスなどで、特別仕様の装飾性を要求されるステンレス製品である。またモニュメント製品は、作家(デザイナー)のデザインに従って製作するステンレス製の立体的造形物である。どちらも個別受注製品であり、C社の工場建屋の制約から設置高さ7m以内の製品である。主な顧客は、ビル建築用金属製品については建築用金属製品メーカー、モニュメント製品についてはデザイナーである。
    ⇒「C社の工場建屋の制約から設置高さ7m以内の製品である」と記述されています。
    与件文の後半で出てくる最近は加工物の大型化が進んでいるという状況を踏まえると、モニュメント事業の充実と拡大を図るには、工場建屋を増築して高さ7mを超える製品も製作できるようにするなど製品の高さ制限の緩和を図る必要があると考えられます。

 

  • モニュメント製品は受注量が減少したこともあったが、近年の都市型建築の増加に伴い製作依頼が増加している。受注量の変動が大きいものの、全売上高の40%を占め、ビル建築用金属製品と比較して付加価値が高いため、今後も受注の増加を狙っている。
    ⇒C社の全売上高の40%を占める主力製品であるモニュメント製品の受注量の変動が大きいと記述されています。
    C社の全売上高に占める割合が高いということは、モニュメント製品の受注量の増減により、C社の業績が受ける影響も大きいことを表しているため、モニュメント事業の充実と拡大を図るには、営業力を強化することにより、モニュメント製品の安定した受注量を確保して、C社の業績を安定させる必要があると考えられます。

 

業務プロセス

 

  • 受注、設計、据付工事施工管理は営業部が担当する。顧客から引き合いがあると、受注製品ごとに受注から引き渡しに至る営業部担当者を決め、顧客から提供される設計図や仕様書などを基に、製作仕様と納期を確認して見積書を作成・提出し、契約締結後、製作図および施工図を作成して顧客承認を得る。通常、製作図および施工図の顧客承認段階では、仕様変更や図面変更などによって顧客とのやりとりが多く発生する。特にモニュメント製品では、造形物のイメージの摺合わせに時間を要する場合が多く、図面承認後の製作段階でも打ち合わせが必要な場合がある。設計には2次元CADを早くから使用している。
    ⇒「受注、設計、据付工事施工管理は営業部が担当する」と記述されています。
    「契約締結後、製作図および施工図を作成して顧客承認を得る」までの設計業務については、「第2問」において、3次元CADを導入して、顧客と造形物のイメージを摺合わせることでやりとりを減らし、顧客承認までに要する時間の短縮を図るよう対応策を提言しています。
    しかし、さらに続きがあり「図面承認後の製作段階でも打ち合わせが必要な場合がある」と記述されています。この点についても、3次元CADを導入することにより改善することができるとは思いますが、製作担当者への引き渡しや打ち合わせへの参加など、営業担当者の負担が大きく、新たな受注に向けた営業活動を十分に行えない可能性があると考えられます
    したがって、モニュメント事業の充実と拡大を図るには、契約締結後の設計業務を営業部門から製造部門に移管することで、営業担当者の稼働を確保して、営業力を強化する必要があると考えられます。

 

  • その後、製作図を製造部に渡すことにより製作指示をする。製作終了後、据付工事があるものについては、営業部担当者が施工管理して据付工事を行い、検査後顧客に引き渡す。据付工事は社外の協力会社に依頼し、施工管理のみ社内営業部担当者が行っている。
    ⇒「営業部担当者が施工管理して据付工事を行い、検査後顧客に引き渡す」と記述されています。
    営業担当者が営業活動を十分に行う稼働を確保するために、契約締結後の設計業務と同様に、据付工事施工管理も製造部門に移管した方がよいと考えることもできますが、据付工事は社外の協力会社に依頼していること、および据付工事で問題が生じているなどの記述が見当たらないことから、据付工事施工管理は営業部門から製造部門に移管する業務の対象には含めないようにします。

 

生産の現状

 

  • 製作工程は切断加工、曲げ加工、溶接・組立、研磨、最終検査の5工程である。切断加工工程と曲げ加工工程はNC加工機による加工であり、作業員2名が担当している。溶接・組立工程と研磨工程は溶接機や研磨機を用いた手作業であり、4班の作業チームが受注製品別に担当している。この作業チームは1班5名で編成され、熟練技術者が各班のリーダーとなって作業管理を行うが、各作業チームの技術力には差があり、高度な技術が必要な製作物の場合には任せられない作業チームもある。
    ⇒「第2問」における生産計画の作成方法の改善に関する対応策の解答には盛り込んでいませんが、「各作業チームの技術力には差があり、高度な技術が必要な製作物の場合には任せられない作業チームもある」ことは、納期遅延が生じている原因の1つであり、高度な加工技術が必要な製品の生産能力が不足していると考えられます。
    モニュメント事業の充実と拡大を図るには、高度な技術が必要な製品を製作する生産能力を高めるために、作業チームの再編成により技術力を平準化して、さらにOJT教育により技術者を育成することによって、技術力を底上げする必要があると考えられます。

 

  • 工場は10年前に改築し、個別受注生産に適した設備や作業スペースのレイアウトに改善したが、最近の加工物の大型化によって狭隘(きょうあい)な状態が進み、溶接・組立工程と研磨工程の作業スペースの確保が難しく、新たな製品の着手によって作業途中の加工物の移動などを強いられている。
    ⇒「工場は10年前に改築し、個別受注生産に適した設備や作業スペースのレイアウトに改善したが、最近の加工物の大型化によって狭隘な状態が進み」と記述されています。
    工場建屋の面積が制約となり、レイアウトを見直しても作業スペースを確保できるような状況ではないと考えられます。
    モニュメント事業の充実と拡大を図るには、工場建屋の改築ではなく増築を行い、作業スペースを確保する必要があると考えられます。

 

  • 製造部長は、全社的改善活動のテーマである納期遅延の問題点を把握するため、作業時間中の作業者の稼働状態を調査した。それによると、不稼働の作業内容としては、「材料・工具運搬」と「歩行」のモノの移動に関連する作業が多く、その他作業者間の「打ち合わせ」、営業部担当者などとの打ち合わせのための「不在」が多く発生していた。
    ⇒「第2問」における生産計画の作成方法の改善に関する対応策では触れませんでしたが、モノの移動に関連する作業が多いことが、納期遅延が生じている原因の1つとして考えられます。
    モニュメント事業の充実と拡大を図るには、モノの移動に関連する作業を削減するために、SLPによりレイアウトを見直すことで、モノの移動による不稼働を削減する必要があると考えられます。
    なお、作業者間の打ち合わせや営業部担当者などとの打ち合わせが多いことについては、「第3問」において解決しているため「第4問」の解答には含めません。

 

モニュメント事業の充実と拡大を狙うC社の戦略

与件文から抽出した内容に基づき、「モニュメント事業の充実と拡大を狙うC社の戦略」についてまとめていきます。

 

  • 各作業チームの技術力に差があること
    作業チームの再編成により技術力を平準化して、さらにOJT教育により技術者を育成することによって、技術力を底上げする。
  • 工場建屋の制約により、作業スペースの確保が難しいこと
    工場建屋の改築ではなく増築を行い、作業スペースの確保を図る。
  • レイアウトの問題により、モノの移動に関連する作業が多いこと
    SLPによりレイアウトを見直すことで、モノの移動による不稼働の削減を図る。
  • 工場建屋の制約から設置高さ7m以内の製品に限定されていること
    工場建屋を増築して高さ7mを超える製品も製作できるようにするなど製品の高さ制限の緩和を図る。
  • モニュメント製品は受注量の変動が大きいこと
    契約締結後の設計業務を営業部門から製造部門に移管することで、営業担当者の稼働を確保して、営業力を強化することにより、モニュメント製品の安定した受注量を確保して、C社の業績を安定させる。

 

1つの文章にまとめます。
工場建屋の増築による「製品の高さ制限の緩和」と「作業スペースの確保」は1文に統合します。

 

  • 作業チームの再編成により技術力を平準化して、さらにOJT教育により技術者を育成することによって、技術力を底上げする。工場建屋の増築により製品の高さ制限の緩和と作業スペースの確保を図る。SLPによりレイアウトを見直すことで、モノの移動による不稼働の削減を図る。契約締結後の設計業務を営業部門から製造部門に移管することで、営業担当者の稼働を確保して、営業力を強化することにより、モニュメント製品の安定した受注量を確保して、C社の業績を安定させる。(219文字)

 

文章が長すぎるため、簡潔にします。

 

  • 作業チーム再編成による技術力の平準化とOJT教育による技術力の底上げを図る。工場建屋を増築して高さ制限緩和と作業スペース確保をSLPによるレイアウト見直しでモノの移動の削減を図る。設計業務の製造部移管により営業力を強化して安定した受注確保を図る。(120文字)

 

こんな感じでしょうか。

 

解答例

モニュメント製品事業の充実、拡大について、中小企業診断士として助言する内容は以下の通りです。

 

作業チーム再編成による技術力の平準化とOJT教育による技術力の底上げを図る。工場建屋を増築して高さ制限緩和と作業スペース確保をSLPによるレイアウト見直しでモノの移動の削減を図る。設計業務の製造部移管により営業力を強化して安定した受注確保を図る。(120文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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