運営管理 ~H28-32 販売促進(3)販売促進計画~

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今回は、「運営管理 ~H28-32 販売促進(3)販売促進計画~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

買物客の購買行動

買物客の購買行動は、あらかじめ購入する商品を決めてから来店する「計画購買」と、店舗に来てから購入する商品を決める「非計画購買」に分類されます。

業種により異なりますが、小売業の店舗において「計画購買」による売上高は約20~30%しかなく「非計画購買」による売上高が70~80%を占めているとされています。

小売業の店舗における売上高が「客単価」と「来店客数」を掛け合わせたものであるとした場合、「計画購買」は「来店客数」と密接な関連があり、「非計画購買」は「客単価」と密接な関連があります

 

 

小売業の店舗は、「広告、チラシ」といった店舗外における販売促進活動を通じて「計画購買」による「来店客数」を増加させ、来店した買物客に対して、店舗内における販売促進活動(インストアマーチャンダイジング)を通じて、「非計画購買」による「客単価」を増加させます。

 

「インストアマーチャンダイジング(ISM:In Store Merchandising)」とは、小売業の店舗内において、顧客の購買動機を形成するためや購買の意思決定を高めるために実施する様々な販売促進活動のことをいいます。

「インストアマーチャンダイジング」については過去に説明しているページがありますので、詳細について確認したい方は、以下のコンテンツを参照してください。

 

 

 

非計画購買

「非計画購買」とは、買物客が店舗に来店した時点で購入するつもりはなかったが、店舗を回遊しているうちに、購入の必要性を認識して商品を購入することを決定したり、衝動的に商品を購入することを決定する購買活動のことをいいます。

「非計画購買」は「想起購買」「関連購買」「条件購買」「衝動購買」に分類されます。

 

想起購買

「想起購買」とは、店舗を回遊しているうちに、家庭内での商品ストック切れによる購入の必要性、商品の広告、過去の購買・使用経験などを思い出して、商品を購入することをいいます。

「想起購買」に効果的な販売促進方法としては「POP広告」「パワー品目の分散陳列」などが挙げられます。

 

関連購買

「関連購買」とは、買物客がある商品を購入するときに、他の商品との関連性から必要性を認識して購入することをいいます。

「関連購買」に効果的な販売促進方法は「クロスマーチャンダイジング」です。

「クロスマーチャンダイジング」とは、商品を単一のカテゴリー毎に陳列するのではなく、カテゴリーに関係なく、買物客の目線で生活などのシチュエーションを想像したときに関連性のある商品を一つの売り場やコーナーにまとめて陳列・演出することにより、売上の拡大を図る販売促進方法です。

 

条件購買

「条件購買」とは、店舗に来店した時点では明確な購入意思を持っていなかった買物客が、値引きなどの条件を見ることによって購入意向が喚起され、商品を購入することをいいます。

「条件購買」に効果的な販売促進方法としては「POP広告」「大量陳列(バーチカル陳列/エンド陳列など)」などが挙げられます。

 

衝動購買

「衝動購買」とは、買物客が店舗を回遊するうちに、目に入った商品の新奇性などに刺激されて、衝動的に購入することをいいます。

「衝動購買」に効果的な販売促進方法としては「POP広告」「大量陳列(バーチカル陳列/エンド陳列など)」「デモンストレーション販売」などが挙げられます。

(※)新奇性:目新しいさま。物珍しいさま

 

陳列方法

商品の陳列には様々な方法がありますが、一部を以下に示します。

 

エンド陳列

「エンド陳列」とは、陳列している列の端に、その列に陳列している品種と同じ商品をまとめて陳列する方法です。特売品などのマグネット商品をボリューム感いっぱいに陳列することで、顧客の購買意欲を刺激する方法です。

 

 

ジャンプル陳列

「ジャンプル陳列」とは、テーブル、バスケット、ショッピングカートに商品を投げ込むように陳列する方法です。少ない手間で商品を陳列することができますが、商品が安っぽく感じられるため、高額商品には不向きであり、特売品の陳列に向いている陳列方法です。

 

カットケース陳列

「カットケース陳列」とは、商品を什器に陳列するのではなく、商品の箱をカットしてそのまま陳列する方法です。ディスカウントストアでよく使用される方法であり、陳列の手間が少なく、新鮮さや安さを訴求することができます。

 

レジ前陳列

「レジ前陳列」とは、商品を購入する顧客が必ず通過するレジの手前に、単価の低い商品を陳列する方法です。顧客の「ついで買い」を誘発し、客単価のアップを図ることができます。

 

フック陳列

「フック陳列」とは、商品をフックに吊り下げて陳列する方法です。

子供向けの「お菓子」であったり、ドラッグストアの「歯ブラシ」などをイメージすれば分かりやすいかと思います。

フックに吊り下げて陳列するため、顧客だけでなく店員にとっても商品が見やすいため、在庫量を把握しやすいというメリットがありますが、フックに吊り下げることができる商品数が限定されるため、大量に陳列できないというデメリットもあります。

 

バーチカル陳列(垂直陳列)

「バーチカル陳列」とは、商品間の品質に差がない場合に、同一商品群や関連商品を最上段から最下段まで垂直にに陳列する方法のことをいいます。

 

ホリゾンタル陳列(水平陳列)

「ホリゾンタル陳列」とは、商品間の品質に著しい差がある場合、商品を同じ棚板に水平に陳列する方法のことをいいます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成28年度 第32問】

小売業の販売促進の方法と主な目的に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア 売り場におけるクロスマーチャンダイジングは、関連する商品同士を並べて陳列することで、計画購買を促進する狙いがある。

イ エンドなどにおける大量陳列は、商品の露出を高めて買い忘れを防止するなど、計画購買を促進する狙いがある。

ウ 会計時に発行するレシートクーポンは、次回来店時の計画購買を促進する狙いがある。

エ 試食販売などのデモンストレーション販売は、リピート購買を促進する狙いがある。

オ 新聞折り込みチラシは、お買い得商品の情報を伝えて、想起購買を促進する狙いがある。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

小売業の販売促進の方法と主な目的に関する知識を問う問題です。

買物客の購買行動は、あらかじめ購入する商品を決めてから来店する「計画購買」と、店舗に来てから購入する商品を決める「非計画購買」に分類されます。

 

(ア) 不適切です。

「クロスマーチャンダイジング」とは、商品を単一のカテゴリー毎に陳列するのではなく、カテゴリーに関係なく、買物客の目線で生活などのシチュエーションを想像したときに関連性のある商品を一つの売り場やコーナーにまとめて陳列・演出することにより、売上の拡大を図る販売促進方法です。

「クロスマーチャンダイジング」は、「関連購買」を狙いとした販売促進方法であり、「計画購買」を狙いとした販売促進方法ではないため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「エンド陳列」や「ジャンプル陳列」といった商品の大量陳列は、店舗を回遊しているうちに商品を目に留めた買い物客が購入意向を喚起されて購入する「非計画購買」を狙いとした販売促進方法であり、「計画購買」を狙いとした販売促進方法ではないため、選択肢の内容は不適切です

なお、選択肢に記載されている「商品の露出を高めて買い忘れを防止する」には、「想起購買」を狙いとした「エンドなどにおける大量陳列」は有効な販売促進方法です。

 

(ウ) 適切です。

「会計時に発行するレシートクーポン」は、クーポンを受け取った買物客が、クーポン対象の商品を購入したいと決めて、店舗に足を運ぶ「計画購買」を狙いとした販売促進方法であるため、選択肢の内容は適切です

 

(エ) 不適切です。

「デモンストレーション販売」とは、買物客の目の前で実際に商品を調理して試食させる「試食販売」や、買物客の目の前で実際に商品を使って商品の機能、性能、使用方法、使い心地などを訴求する「実演販売」のことをいいます。

「デモンストレーション販売」は、衝動的に商品を購入する「衝動購買」を狙いとした販売促進方法であり、「リピート購買」を狙いとした販売促進方法ではないため、選択肢の内容は不適切です

 

(オ) 不適切です。

「新聞折り込みチラシ」は、チラシに掲載されたお買い得商品の情報を見た消費者が、その商品を購入したいと決めて、店舗に足を運ぶ「計画購買」を狙いとした販売促進方法であり、「想起購買」を狙いとした販売促進方法ではないため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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