運営管理 ~H28-41 物流情報システム(3)バーコード~

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今回は、「運営管理 ~H28-41 物流情報システム(3)バーコード~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成28年度一次試験問題一覧~

平成28年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

GS1

「GS1」とは、世界の流通情報に関する標準化を推進する国際的な組織であり、「国際EAN協会」と「米UCC」が合併して2005年に発足しました。

ベルギーのブリュッセルに本部が設置され、世界110カ国以上の国や地域が加盟しています。

日本では「一般財団法人 流通システム開発センター(流通システム標準普及推進協議会)」が「GS1 Japan」として加盟しています。

 

GTIN(Global Trade Item Number)

「GTIN」は、GS1 が推進する国際標準の「商品識別コード」であり、ハイフン以降の数字は、その桁数を表しています。

一般的には、「バーコード」と呼ばれていますが、「どの事業者のどの商品またはサービスか」を識別することができるため、「小売業」では、POS システムを使った精算業務、受発注業務、在庫管理などで活用され、また「物流センター」では、入出庫管理、仕分け、棚卸、在庫管理などで活用されています。

 

GS1事業者コード(JAN企業コード)

「GS1事業者コード」は事業者(商品の主体的な供給者)を一意に識別するコードです。

「GS1事業者コード」を利用するには「流通システム開発センター」への登録および更新(3年ごと)を行う必要があります。

「GS1事業者コード」は、従来は「7桁」で構成されていましたが、桁数が不足したため、2001年以降の新規登録分からは原則として「9桁」のコードが利用されるようになり、現在は「9桁/7桁」が併用されています。

なお、「GS1事業者コード」の最初の「2桁」は「国コード」を示しており、「日本」の事業者(商品の主体的な供給者)には「45/49」が割り当てられています。

 

「GS1 事業者コード」の注意事項
  • 「GS1 事業者コード」は事業者単位(法人、団体、個人)で登録するため、事業者の一部門(支社、支店、営業所単位)で登録することはできません。
  • 既に「GS1 事業者コード」を登録している事業者は、重複して登録することはできません。
    ただし、商品アイテム数が増えて商品アイテムコードの空きが少なくなった場合に限り、「GS1 事業者コード」の追加登録を申請することができます
  • 「GS1 事業者コード」は、登録事業者のみが利用できます。
    親子会社やグループ会社の関係があっても他の事業者の「GS1事業者コード」を利用することはできません

 

商品アイテムコード

「商品アイテムコード」は、「GS1事業者コード」に登録された事業者の「どの商品か」を識別するコードであり、各事業者が一定の設定基準にしたがって任意に設定することができます。

 

「商品アイテムコード」の注意事項

「商品アイテムコード」が同じ商品は、在庫管理や売上管理において同一商品として管理されてしまうため、以下に該当する場合は、それぞれ異なる「商品アイテムコード」を設定する必要があります。

 

  • 商品名が異なる場合
  • 容量が異なる場合
  • 包装サイズが異なる場合
  • 味が異なる場合
  • 色が異なる場合
  • 素材が異なる場合
  • 香りが異なる場合
  • 販売単位が異なる場合

 

GTIN設定ガイドライン(旧:GTINアロケーションガイドライン)

「GTIN設定ガイドライン」とは「GS1 Japan(流通システム開発センター)」が公開している「GTIN-13(JANコード)」と「GTIN-14(集合包装用商品コード)」の設定と変更に関する基準を示したガイドラインのことをいい、2016年6月に「GS1」が公開した「GTIN設定ルール(GTIN Management Standard)」に準拠しています。

「GTIN設定ガイドライン」は、2009年4月に「GS1 Japan(流通システム開発センター)」が公開した「GTINアロケーションガイドライン」に置き換わるガイドラインです。

 

 

GTIN設定ルール

 

GTIN(JANコード)の再利用停止について

従来は、医療製品等の分野を除き、商品の販売終了から一定の期間(一般商品は最低4年間、アパレル・ファッション商品は2年半)が経過して、流通在庫が残っていないことが確認できれば、「GTIN(JANコード)」の再利用を行うことが認められていましたが、2019年1月から、商品の分野にかかわらず「GTIN(JANコード)」を再利用することができなくなりました

なお、ルール変更に伴う移行措置として、2018年12月末までに利用を停止した「GTIN(JANコード)」については、2019年1月以降で1回に限り再利用することが認められています。

 

新しいGTINの設定が必要になる10の基準

「GTIN(バーコード)」の目的は「商品やサービスを一意に識別すること」にあるため、新商品を発売する場合や、従来品に以下のような変更やリニューアルを行う場合には、従来品と明確に区別するために新しい「GTIN(バーコード)」を設定する必要があります。

 

No. 内容 単品、最小
取引単位
集合包装
1 新商品 新商品を発売した場合 新しい
GTIN
新しい
GTIN
2 従来品の変更 商品表示の変更をともなう成分・機能を変更した場合 新しい
GTIN
新しい
GTIN
3 商品表示の変更をともなう正味内容量を変更した場合 新しい
GTIN
新しい
GTIN
4 包装の外寸、または総重量の20%以上を変更した場合
*正味内容量の変更はなし
新しい
GTIN
新しい
GTIN
5 認証マークを追加、または削除した場合 新しい
GTIN
新しい
GTIN
6 ブランドを変更した場合 新しい
GTIN
新しい
GTIN
7 販促のために期間限定で包装を変更、または景品・試供品を付けた場合 変更
なし
新しい
GTIN
8 集合包装の入数を変更した場合 変更
なし
新しい
GTIN
9 セット商品や詰め合わせ商品の中身を変更した場合 新しい
GTIN
新しい
GTIN
10 商品本体に表示された価格を変更した場合
*国内ではほぼ適用なし、一部の輸出の場合のみ
新しい
GTIN
新しい
GTIN

 

変更されたルール

「基準7. 販促のために期間限定で包装を変更、または景品・試供品を付けた場合」については、新しい「GTIN(バーコード)」を設定する必要があるかの基準が変更されています。

 

  • 販促のために期間限定で包装を変更、または景品・試供品を付けた場合
    特定のイベントやシーズンに合わせて期間限定で包装を変更したり、プロモーション(販促)のために景品や試供品(GTINなし)などを付けたりする場合で、特に従来品と分けて受発注を行わないのであれば、単品の「GTIN(バーコード)」は変更せず、集合包装の「GTIN(バーコード)」には新しい「GTIN(バーコード)」を設定します。
    従来品とは一部包装を変更したり、景品・試供品をつけたりする場合でも、「その商品在庫がなくなり次第、従来品に戻る(自然切替)」などの商品で、流通上で従来品と分けて扱う必要がないものは、集合包装の「GTIN(バーコード)」も変更する必要はありません

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成28年度 第41問】

流通システム開発センターが定める「GTINアロケーション(設定)ガイドライン(2009年版)」によると、個々にGTINを設定すべき要素として、最も不適切なものはどれか

 

ア 商品の正味量
イ 商品の等級
ウ 商品の販売店舗
エ 商品ブランド名
オ 商品名

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「GTIN(バーコード)」に関する知識を問う問題です。

 

「GTIN(バーコード)」は、「どの事業者のどの商品またはサービスか」を識別するために利用されています。

「GTIN(バーコード)」では、「GS1事業者コード」により事業者を、「商品アイテムコード」により商品やサービスを一意に識別します。

問題文では「個々にGTINを設定すべき要素として適切であるか」を求められていますが、「どの事業者のどの商品またはサービスかを識別するために設定すべき要素であるか」という観点で考えていきます。

なお、商品やサービスを一意に識別するため、以下に該当する場合は、それぞれ異なる「商品アイテムコード」を設定する必要があります。

 

  • 商品名が異なる場合
  • 容量が異なる場合
  • 包装サイズが異なる場合
  • 味が異なる場合
  • 色が異なる場合
  • 素材が異なる場合
  • 香りが異なる場合
  • 販売単位が異なる場合

 

問題文で示されている「GTINアロケーション(設定)ガイドライン(2009年版)」は、2018年12月に「GTIN設定ガイドライン」に改訂されていますので、ご注意ください。

 

(ア) 適切です。

「商品の正味量(容量)」が異なる場合は、それぞれを別の商品として、個々に「GTIN(バーコード)」を設定する必要があるため、選択肢の内容は適切です

 

(イ) 適切です。

「等級」とは「グレード」のことであり「等級」が異なると商品の価格等も異なります。

したがって、「商品の等級」が異なる場合は、それぞれを別の商品として、個々に「GTIN(バーコード)」を設定する必要があるため、選択肢の内容は適切です

 

(ウ) 不適切です。

「GTIN(バーコード)」は「どの事業者のどの商品またはサービスか」を識別するために設定されるものであり、「商品の販売店舗」を識別するために設定されるものではありません。

したがって、「商品の販売店舗」が異なったとしても、商品そのものに違いがあるわけではなく、個々に「GTIN(バーコード)」を設定する必要がないため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 適切です。

「商品ブランド名」が異なる場合は、それぞれを別の商品として、個々に「GTIN(バーコード)」を設定する必要があるため、選択肢の内容は適切です

 

(オ) 適切です。

「商品名」が異なる場合は、それぞれを別の商品として、個々に「GTIN(バーコード)」を設定する必要があるため、選択肢の内容は適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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