運営管理 ~RFM分析・FSP・マーケットバスケット分析・PI値のまとめ~

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今回は、「運営管理」の「RFM分析」「FSP」「マーケットバスケット分析」「PI値」に関する記事のまとめです。

 

目次

RFM分析・FSP・マーケットバスケット分析・PI値 -リンク-

本ブログにて「RFM分析」「FSP」「マーケットバスケット分析」「PI値」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

優良顧客の識別と効率的なプロモーション活動

店舗のPOSデータやECサイトの取引データなどの蓄積データ(トランザクション)から、「RFM分析」により優良顧客を識別して、「FSP」により優良顧客に対してプロモーション活動(販売促進)を展開するという流れは「既存顧客の囲い込み」に有効なプロモーション活動(販売促進)であり、二次試験の事例Ⅱの解答に使える便利なフレーズです。

 

 

RFM分析

「RFM分析」とは、店舗のPOSデータやECサイトの取引データなどの蓄積データ(トランザクション)を用いて顧客を分析する手法であり、「最新購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「購買金額(Monetary)」という3つの指標で顧客をランク付けして、「優良顧客」「非優良顧客」「新規顧客」「安定顧客」「離反顧客」などの顧客セグメントに分類することをいいます。

 

Recency(最新購買日)

「最新購買日(Recency)」とは、顧客が最後に商品を購入したりサービスを利用した日であり、「最新購買日(Recency)」が最近であるほど優良な顧客であることを示しています。

 

Frequency(購買頻度)

「購買頻度(Frequency)」とは、一定期間内に顧客が商品を購入したりサービスを利用する回数であり、「購買頻度(Frequency)」が高いほど優良な顧客であることを示しています。

「購買頻度(Frequency)」が高い顧客が少ない場合は、何らかの理由で顧客が商品やサービスに満足していないことを表しており、「購買頻度(Frequency)」が高い顧客の割合が多すぎる場合は、既存顧客の囲い込みには成功しているが新規顧客を獲得できていないことを表しています。

 

Monetary(購買金額)

「購買金額(Monetary)」とは、顧客が購入している商品や利用しているサービスの金額の合計であり、「購買金額(Monetary)」が高いほど優良な顧客であることを示しています。

 

デシル分析

「デシル」とはラテン語で「10分の1」という意味であり、「デシル分析」とは「購買金額(Monetary)」で顧客を10段階にランク分けして、各ランク(デシル1~デシル10)における購買比率や売上高構成比から、売上への貢献が高い優良顧客層を分析する手法のことをいいます。

 

FSP(Frequent Shoppers Program)

「FSP(Frequent Shoppers Program)」とは、長期的な視点で店舗やECサイトに対する顧客のロイヤルティ(愛顧)を高めることを目的として展開される、優良顧客に対するプロモーション活動(販売促進)のことをいいます。

全ての顧客に対して、同じプロモーション活動(販売促進)を展開するのではなく、RFP分析などにより分類された顧客セグメントごとに異なるプロモーション活動(販売促進)を展開することで、効率的に店舗やECサイトの売上を拡大することができます

 

マーケットバスケット分析

「マーケットバスケット分析」は、マーケティングで利用される代表的なデータ分析手法であり、店舗のPOSデータやECサイトの取引データなどの蓄積データ(トランザクション)から、顧客が商品を購入するパターンを分析して、一緒に購入されやすい商品(商品Xと商品Yの関連性)を明らかにしていくことをいいます。

「マーケットバスケット分析」では、大量のデータから有用なパターンやルールを見つけ出すデータマイニングの分析手法である「アソシエーション分析」が用いられます。

なお、「商品Xと商品Yの関連性」とは、「相関関係」ではなく「因果関係」のことを示しています。

 

相関関係と因果関係の違い

「マーケットバスケット分析」では「相関関係」ではなく「因果関係」を分析していきます。

ここでは、「相関関係」と「因果関係」の違いを以下に説明します。

 

相関関係

「相関関係」とは、2つのデータが存在する場合において、片方のデータが変動すると、それに応じて他方のデータも変動する関係のことをいい、パターンに応じて「正の相関」「負の相関」と呼ばれます。

 

  • 正の相関
    片方のデータが変動すると、他方のデータもそれに応じて同じ方向に変動する。
  • 負の相関
    片方のデータが変動すると、他方のデータはそれに応じて逆の方向に変動する。

 

相関係数

2つのデータの「相関関係」は「相関係数」を用いて表されます。

「相関係数」は2つのデータの「相関関係」を表す数値であり「ρ(ロー)」で表されます。
「相関係数」は「-1 ≦ ρ ≦ 1」の範囲で推移し、その数値は以下の意味を示しています。

 

相関係数 説明
ρ=1 2つのデータは、片方のデータが変動すると他方のデータもそれに応じて完全に同じ方向に変動する。
0<ρ<1 2つのデータは、片方のデータが変動すると他方のデータもそれに応じて同じ方向に変動する。「1」に近いほど「正」の相関関係が強い
ρ=0 2つのデータの変動には、全く関連性がない
-1<ρ<0 2つのデータは、片方のデータが変動すると他方のデータもそれに応じて逆の方向に変動する。「-1」に近いほど「負」の相関関係が強い
ρ=-1 2つのデータは、片方のデータが変動すると他方のデータもそれに応じて完全に逆の方向に変動する。

 

マーケティングにおいて「相関係数」は2つの商品の売上金額の共分散と標準偏差から求められ、2つの商品の売上金額の「相関関係」を確認するために用いられます。

ここからは、「2つのデータ」という表記を「2つの商品の売上金額」に置き換えて「相関係数」の「符号」と「絶対値」が示す内容について確認していきます。

 

相関係数が「プラス」の場合

「相関係数」が「プラス」の場合、2つの商品の売上金額には「正の相関」があるといい、片方の商品の売上金額が変動するともう1つの商品の売上もそれに応じて同じ方向に変動します。

例えば、商品Aの売上金額が増加すれば、商品Bの売上金額も増加します。
逆に、商品Aの売上金額が減少すれば、商品Bの売上金額も減少します。

 

相関係数が「マイナス」の場合

「相関係数」が「マイナス」の場合、2つの商品の売上金額には「負の相関」があるといい、片方の商品の売上金額が変動するともう1つの商品の売上金額もそれに応じて逆の方向に変動します。

例えば、商品Aの売上金額が増加すれば、商品Bの売上金額は減少します。
逆に、商品Aの売上金額が減少すれば、商品Bの売上金額は増加します。

 

相関係数の絶対値

「相関係数」の「絶対値」は、2つの商品の売上金額に関する「相関関係」の強さを表しています。

2つの商品の売上金額に「相関関係」がない場合は「相関係数」の値は「0」であり、2つの商品の売上金額の増減に関する「相関関係」が強くなるにつれて「相関係数」の「絶対値」は徐々に大きくなっていきます。(最大値は「1」です。)

 

因果関係

「因果関係」とは「原因」と「結果」であり、片方の事柄が原因となって他方の結果が発生するという関係のことをいいます。

「マーケットバスケット分析」では「商品Xを購入した顧客は商品Yも購入する」という「因果関係」から、2つの商品の売上金額の関連性を分析していきます。

なお、「原因(条件)」と「結果(結論)」は、以下のように表現します。

 

 

マーケットバスケット分析の評価指標

「マーケットバスケット分析」では、以下の3つの評価指標を用いて2つの商品の売上金額に関する「因果関係」を分析していきます。

 

  • 信頼度(コンフィデンス/確信度)
  • 支持度(サポート)
  • リフト値

 

「信頼度(コンフィデンス/確信度)」「支持度(サポート)」「リフト値」の数値が高い商品の組み合わせが「因果関係」が強く有用な組み合わせであると判断することができます。

 

アソシエーションルール

「アソシエーションルール」は「条件(原因)」と「結論(結果)」を関連付けることをいいます。今回の説明では、「商品Xを購入した顧客は商品Yも購入する」という「アソシエーションルール」について説明を進めていきます。

 

 

信頼度(コンフィデンス/確信度)

「信頼度」は「⁠条件」が発生した場合に「結論」が発生する割合を示しており、その数値が高いほど「因果関係」が強く有用な組み合わせであることを表しています。

 

 

支持度(サポート)

「支持度」は、「全ての購買データ」の中で「条件」と「結論」の「因果関係」が成立した割合を示しており、その数値が高いほど全顧客の売上データの中で「因果関係」が成立する確率が高いことを表しています。

「支持度」の数値が低い場合は、店舗やECサイト全体の売上データにおいて、その2つの商品を同時に買う顧客が少ないことを表しています。

つまり、「支持度」が低い商品の組み合わせは、「信頼度」が高い商品の組み合わせであったとしても、店舗やECサイト全体の売上に占める割合が低く、たとえその商品の組み合わせの売上を伸ばせたとしても店舗やECサイト全体の効率的な売上拡大にはつながらないため、有用な組み合わせではないと判断することができます。

 

 

リフト値

「リフト値」は「結論」が「条件」と無関係に発生していないかを確認するための指標であり、その数値が高いほど「因果関係」が強く有用な組み合わせであることを表しています。一般的に、リフト値は「1」より大きくなる必要があります。

店舗やECサイト全体で最も売れている商品は、どの商品と組み合わせてもよく売れる組み合わせとなってしまうため、このような商品は一緒に購入されやすい商品を検討する対象から除外する必要があります。

「リフト値」では「結論」が発生する割合を分母に設定するため、店舗やECサイト全体で最も売れている商品を「結論」に設定すると「リフト値」が低くなり、有用な組み合わせではないと判断することができます。(この場合「結論」に設定している商品は、他の商品と関係なく単独で売れていることを示しています。)

 

 

ジャッカード係数(Jaccard係数)

「ジャッカード係数(Jaccard係数)」とは、2つの集合の類似度を表す指標のことをいいます。

「ジャッカード係数(Jaccard係数)」は、0から1の範囲で推移しますが、0に近いほど2つの集合の類似度が低く、1に近いほど2つの集合の類似度が高いことを示しています。

「集合A」と「集合B」という2つの集合がある場合、「ジャッカード係数(Jaccard係数)」は以下の公式により求められます。

 

ジャッカード係数(Jaccard係数)

 

「集合A」を「商品Aを購入した人」として、「集合B」を「商品Bを購入した人」として考えると「ジャッカード係数(Jaccard係数)」は、「商品A」と「商品B」が同時に購入される傾向(共起性)を表しており、「ジャッカード係数(Jaccard係数)」の値が大きくなるほど、2つの商品が同時に購入される傾向にある(共起性が高い)ということを表しています。

なお、「ジャッカード係数(Jaccard係数)」は、2つの商品が同時に購入される傾向(共起性)を表していますが、「マーケットバスケット分析」で用いられる「信頼度(コンフィデンス/確信度)」のような方向性(例えば、商品Aを購入した人の方が商品Bを購入した人よりも商品Aと商品Bの両方を購入する可能性が高いなど)を確認することはできません

 

PI値(Purchase Incidence)

「PI値(Purchase Incidence)」とは、POSデータを分析する際に用いられる代表的な指標であり、小売店舗における販売データを参照して、陳列商品の中から売れ筋商品を分析したり、さらに条件を絞って同一カテゴリの商品から売れ筋の商品を分析することによって、商品構成や品揃え、売り場レイアウト、といった販売戦略の検討に活用されます。

「Purchase  Incidence」は「購買発生率」と直訳することができ、レジを通過した顧客数(1,000人)に対する特定商品の「販売点数」または「販売金額」に関する比率として表されます。

「PI値」には、「販売点数」に関する指標である「数量PI値」と「販売金額」に関する指標である「金額PI値」があります。

なお、分母の「レジ通過顧客数」は、その多くが「レシート枚数」で代用されます。

 

数量PI値

「販売点数」に関する指標である「数量PI値」は、以下の公式により算出することができます。

 

 

金額PI値

「販売金額」に関する指標である「金額PI値」は、以下の公式により算出することができます。

 

 


 

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