経済学・経済政策 ~R3-21 公共財と政府規制(4)消費の競合性と排除性~

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今回は、「経済学・経済政策 ~R3-21 公共財と政府規制(4)消費の競合性と排除性~」について説明します。

 

目次

経済学・経済政策 ~令和3年度一次試験問題一覧~

令和3年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

公共財・私的財・共有資源 -リンク-

本ブログにて「公共財・私的財・共有資源」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

競合性と排他性

財・サービスの消費に関する性質を表す「競合性」と「排他性」について説明します。

 

競合性

「競合性」とは、財・サービスを消費する消費者が増加すると、その財・サービスの質や量を保つことができなくなるという性質のことをいいます。

 

  • 競合性
    財・サービスを消費する消費者が増加すると、他の消費者がその財・サービスを消費できなくなること
  • 非競合性(競合性を有していないこと)
    多数の消費者が財・サービスを同時に消費できること

 

排他性

「排他性」とは、財・サービスの対価を支払わずに消費しようとする行為を排除できるという性質のことをいいます。

 

  • 排他性
    財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費できること
    (財・サービスの対価を支払ってない消費者が消費することを排除できること)
  • 非排他性(排他性を有していないこと)
    財・サービスの対価を支払わない消費者も消費できること
    (財・サービスの対価を支払ってない消費者が消費することを排除できないこと)

 

公共財(純粋公共財)

「公共財(純粋公共財)」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「公共財(純粋公共財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「消防、警察、国防、放送、花火大会」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

フリーライダー(ただ乗り)

「フリーライダー」とは、対価を支払わずに「公共財(純粋公共財)」のように「非排他性(排他性を有していないこと)」を有する財・サービスを消費して、その便益を享受する消費者のことをいいます。

「フリーライダー」を排除できない財・サービスについては、その供給が著しく過少になるという問題が発生する恐れがあるため、これらの財・サービスを提供する主体は、租税によって活動する「政府や地方自治体」ということになります。

ただし「公共財(純粋公共財)」の事例には「放送、花火大会」なども挙げられるため、必ずしも「公共財(純粋公共財)」を提供するのが「政府や地方自治体」だけとは限りません。

 

準公共財

「準公共財」とは、厳密には「公共財(純粋公共財)」ではありませんが、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「非排他性(排他性を有していないこと)」のいずれかの性質を有する財・サービスのことをいいます。

 

クラブ財

「クラブ財」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「排他性」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「クラブ財」は、財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費でき、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「有料のケーブルテレビ」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

共有資源(コモンプール財)

「共有資源(コモンプール財)」とは、消費の「競合性」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「共有資源(コモンプール財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、財・サービスを消費する消費者が増加すると他の消費者が消費できなくなる財・サービスであり、所有者が決まっていない地球上の資源や一般道路・橋などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

「共有資源(コモンプール財)」は、財・サービスの対価を支払わない消費者も消費できてしまうため、資源の消費に関する規制を設けずに放置すると、浪費や乱獲によって資源が枯渇するといった問題が発生する恐れがあります。

 

私的財

「私的財」とは、「競合性」と「排他性」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「私的財」は、財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費でき、財・サービスを消費する消費者が増加すると他の消費者が消費できなくなる財・サービスです。

 

あり なし
競合性
排他性

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和3年度 第21問】

消費の競合性と排除性に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

a マグロの漁場のような共有資源には、排除性はないが、競合性がある。
b 支払いにより加入をすることで消費ができるクラブ財には、排除性があるが、競合性はない。
c 競合性と排除性を持ち合わせる財のことを公共財という。

 

[解答群]

ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:正 c:誤
ウ a:正 b:誤 c:誤
エ a:誤 b:正 c:誤
オ a:誤 b:誤 c:正

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

消費の競合性と排除性に関する知識を問う問題です。

 

競合性

「競合性」とは、財・サービスを消費する消費者が増加すると、その財・サービスの質や量を保つことができなくなるという性質のことをいいます。

 

  • 競合性
    財・サービスを消費する消費者が増加すると、他の消費者がその財・サービスを消費できなくなること
  • 非競合性(競合性を有していないこと)
    多数の消費者が財・サービスを同時に消費できること

 

排他性

「排他性」とは、財・サービスの対価を支払わずに消費しようとする行為を排除できるという性質のことをいいます。

 

  • 排他性
    財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費できること
    (財・サービスの対価を支払ってない消費者が消費することを排除できること)
  • 非排他性(排他性を有していないこと)
    財・サービスの対価を支払わない消費者も消費できること
    (財・サービスの対価を支払ってない消費者が消費することを排除できないこと)

 

(a) 適切です。

「共有資源(コモンプール財)」とは、消費の「競合性」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「共有資源(コモンプール財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、財・サービスを消費する消費者が増加すると他の消費者が消費できなくなる財・サービスであり、所有者が決まっていない地球上の資源や一般道路・橋などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

「共有資源(コモンプール財)」は、財・サービスの対価を支払わない消費者も消費できてしまうため、資源の消費に関する規制を設けずに放置すると、浪費や乱獲によって資源が枯渇するといった問題が発生する恐れがあります。

 

したがって、マグロの漁場のような共有資源には、排除性はないが、競合性があるため、選択肢の内容は適切です

 

(b) 適切です。

「クラブ財」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「排他性」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「クラブ財」は、財・サービスの対価を支払った消費者だけが消費でき、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「有料のケーブルテレビ」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

したがって、支払いにより加入をすることで消費ができるクラブ財には、排除性があるが、競合性はないため、選択肢の内容は適切です

 

(c) 不適切です。

「公共財(純粋公共財)」とは、消費の「非競合性(競合性を有していないこと)」と「非排他性(排他性を有していないこと)」という性質を有する財・サービスのことをいいます。

「公共財(純粋公共財)」は、財・サービスの対価を支払わなくても消費することができ、多数の消費者が同時に消費できる財・サービスであり、「消防、警察、国防、放送、花火大会」などが事例として挙げられます。

 

あり なし
競合性
排他性

 

したがって、競合性と排除性を持ち合わせる財ではなく持ち合わせていない財のことを公共財というため、選択肢の内容は不適切です

 

「a:正 b:正 c:誤」であるため、答えは(イ)です。


 

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