このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策 ~H26-21 資源配分機能(15)余剰分析(関税の撤廃)~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H26-21 資源配分機能(15)余剰分析(関税の撤廃)~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

余剰分析(貿易) -リンク-

一次試験に向けた「余剰分析(貿易)」について説明しているページを以下に示しますので、アクセスしてみてください。

 

 

余剰分析

「余剰分析」とは、財市場において資源配分の効率性を分析する手法のことをいいます。

「余剰」とは、財市場の取引により得られる「利益」のことを表しており、「余剰分析」では「消費者余剰」と「生産者余剰」と「政府余剰」を重ね合わせた「社会的総余剰(総余剰)」に基づき、資源配分が効率的になっているかを確認していきます。

 

例:社会的総余剰(消費者余剰+生産者余剰)

 

余剰分析(貿易)

「財市場(完全競争市場)」において、貿易による「余剰(利益)」の変化について考えていきます。

 

自由貿易の場合(関税や輸入量の制限がない場合)

「財市場(完全競争市場)」において、関税や輸入量の制限がない自由貿易が行われると、財の価格は国内の需要曲線と供給曲線の交点で均衡していた価格(PE)から輸入する財の価格(Pi)に下落するため、消費者による需要量は「XE(点Eの需要量)」から「XG(点Gの需要量)」に増加して、生産者による供給量は「XE(点Eの供給量)」から「XF(点Fの供給量)」に減少します

また、需要量の増加と供給量の減少により「超過需要」となりますが、供給量の不足分(XG-XF)は輸入財により賄われます

 

「余剰(利益)」という観点で見ると「消費者余剰」は増加して「生産者余剰」は減少します。

 

余剰の変化(自由貿易)

 

自由貿易が行われていなかった場合と比較すると「社会的総余剰(総余剰)」は「三角形EFG」だけ増加します。

 

社会的総余剰の増加分(自由貿易)

 

保護貿易の場合(関税を賦課する場合)

自由貿易が行われている財に政府が関税(t)を賦課すると、財の価格が自由貿易が行われている場合の価格(Pi)から関税が賦課された場合の価格(Pi+t)に上昇するため、消費者による需要量は「XG(点Gの需要量)」から「XI(点Iの需要量)」に減少して、生産者による供給量は「XF(点Fの供給量)」から「XH(点Hの供給量)」に増加します

また、自由貿易が行われている場合と比較して、需要量が減少して供給量が増加するため、供給量の不足分が「XG-XF」から「XI-XH」に減少して輸入量も減少します。

 

「余剰(利益)」という観点で見ると、自由貿易を行っていた場合と比較して「消費者余剰」は減少して「生産者余剰」は増加します。

また、自由貿易が行われている場合の価格(Piと関税が賦課された場合の価格(Pi+t)の差額(Pi+t-Pi)に、輸入量(XI-XH)を乗じた面積で表される関税収入が「政府余剰」として増加します。

 

余剰の変化(関税を賦課する場合)

 

政府が関税を賦課する場合の「社会的総余剰(総余剰)」は、自由貿易が行われている場合と比較して「三角形HFJ+三角形IKG」だけ減少(余剰の損失(死荷重))します。

 

社会的総余剰(関税を賦課する場合)

 

余剰の損失(関税を賦課する場合)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第21問】

関税撤廃の経済効果を、ある小国の立場から、ある1財の市場のみに注目した部分均衡分析の枠組みで考える。下図は当該財の国内供給曲線と、当該財に対する国内需要曲線からなる。関税撤廃前には当該財の輸入に関税が課され、当該財の国内価格はP0であり、関税収入は消費者に分配されていた。関税が撤廃されると当該財の国内価格はP1となった。関税撤廃による変化に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

 

[解答群]

ア 関税収入は e だけ減少する。
イ 消費者余剰と生産者余剰の合計は b+d+e+f だけ増加する。
ウ 消費者余剰は c だけ増加する。
エ 生産者余剰は d+e+f だけ減少する。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

関税の撤廃による余剰の変化に関する知識を問う問題です。

 

「余剰分析」とは、財市場において資源配分の効率性を分析する手法のことをいいます。

「余剰」とは、財市場の取引により得られる「利益」のことを表しており、「余剰分析」では「消費者余剰」と「生産者余剰」と「政府余剰」を重ね合わせた「社会的総余剰(総余剰)」に基づき、資源配分が効率的になっているかを確認していきます。

 

関税が撤廃されていない場合

関税が撤廃されていない状態では、財の価格は関税が賦課された価格(P0)となるため「消費者余剰」と「生産者余剰」は以下の通りとなります。

 

 

「関税収入」は「政府余剰」とすることが多いですが、今回の問題では「関税収入」が「消費者」に分配されているという点に注意が必要です。

 

 

関税が撤廃された場合

関税の撤廃によって財の価格が「P0」から「P1」に下落すると、消費者による需要量は「Q3」から「Q4」に増加して、生産者による供給量は「Q2」から「Q1」に減少します

また、関税を撤廃する前と比較して、需要量が増加して供給量が減少するため、供給量の不足分が「Q3-Q2」から「Q4-Q1」に増加して輸入量も増加します。

 

「余剰(利益)」という観点で見ると「消費者余剰」は「 c+d+f 」だけ増加して「生産者余剰」は「c」だけ減少します。

なお、関税を撤廃しても「e」は「消費者余剰」のままで変化がないように見えますが、実際には「消費者」に分配されていた「関税収入」がなくなっています

 

 

「消費者余剰」と「生産者余剰」の合計である「社会的総余剰(総余剰)」は「d」と「f」だけ増加します。

 

 

(ア) 適切です。

関税の撤廃によって財の価格が「P0」から「P1」に下落したとき、「e」は「消費者余剰」のままで変化がないように見えますが、実際には「消費者」に分配されていた「関税収入」がなくなっています

 

 

したがって、関税収入は e だけ減少するため、選択肢の内容は適切です

 

(イ) 不適切です。

関税の撤廃によって財の価格が「P0」から「P1」に下落すると、「消費者余剰」と「生産者余剰」の合計である「社会的総余剰(総余剰)」は「d」と「f」だけ増加します。

 

 

したがって、消費者余剰と生産者余剰の合計は b+d+e+f ではなく d+f だけ増加するため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

関税の撤廃によって財の価格が「P0」から「P1」に下落すると、消費者による需要量は「Q3」から「Q4」に増加するため「消費者余剰」は「 c+d+f 」だけ増加します。

 

 

したがって、消費者余剰は c だけでなく c+d+f だけ増加するため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

関税の撤廃によって財の価格が「P0」から「P1」に下落すると、生産者による供給量は「Q2」から「Q1」に減少するため「生産者余剰」は「c」だけ減少します。

 

 

したがって、生産者余剰は d+e+f ではなく c だけ減少するため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ア)です。


 

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