経済学・経済政策 ~H26-15 予算制約と消費者の選択行動(5)最適消費点~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H26-15 予算制約と消費者の選択行動(5)最適消費点~」について説明します。

 

目次

経済学・経済政策 ~平成26年度一次試験問題一覧~

平成26年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

予算制約線・最適消費点 -リンク-

本ブログにて「予算制約線」「最適消費点」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

効用

消費者は、財を消費することによって「効用」を得ることができます。
「効用」とは「財の消費によって消費者が得られる満足度」のことをいいます。

 

無差別曲線

「無差別曲線」とは、社会に2つの財しか存在しないという仮定の「2財モデル」において、縦軸に「Y財の消費量」を、横軸に「X財の消費量」を取ったグラフで表されるある消費者が等しい効用水準を得られる2財の消費の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。

消費が増加すると効用が高まる一般的な2つの財の「無差別曲線」は以下の図のようになります。

「無差別曲線」では、「同一の無差別曲線上においてはどの点を取っても効用水準は等しい」という特徴を理解しておくことが重要です。

 

 

また、もう一つ、「無差別曲線」は以下の図のように「3本」しかないわけではなく無数に存在するという特徴も理解しておくことが重要です。

 

 

予算制約線

「予算制約線」とは、社会に2つの財しか存在しないという仮定の「2財モデル」において、「X財の消費量X」と「Y財の消費量Y」のグラフで表される「予算を全て使い切った2財の消費の組み合わせを結んだ曲線」のことをいいます。

 

 

予算制約線の求め方

「予算制約線」の求め方について説明します。

X財の価格が「PX」であり、Y財の価格が「PY」である場合、X財とY財を消費するときの「総支出」は以下の式により求めることができます。

 

 

「予算制約線」とは「予算を全て使い切った2財の消費の組み合わせを結んだ曲線」であるため「予算(M)= 総支出」となる以下の条件式が成立します。

 

 

上記の式を「Y=」という形に変形した以下の式が「予算制約線」です。

 

 

したがって「予算制約線」は以下のように表すことができます。

 

 

「予算制約線」において、X財とY財を消費するときの「総支出」が予算内に収まっていることを表している「予算制約線」より左下の範囲を「入手可能領域」といいます。なお、「予算制約線」より右上の範囲は「予算オーバー」であることを示しています。

 

 

最適消費点

「最適消費点」とは、社会に2つの財しか存在しないという仮定の「2財モデル」において、「X財の消費量X」と「Y財の消費量Y」の2軸のグラフで表される限られた予算の中で、ある消費者の効用を最大化する2財の消費の組み合わせを示す点」のことをいいます。

ある消費者が等しい効用を得られる2財の消費の組み合わせを表す「無差別曲線」と、予算を全て使い切った2財の消費の組み合わせを表す「予算制約線」の接点が「最適消費点」となります。

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成26年度 第15問】

下図には、予算制約線Aと予算制約線Bおよび、これらの予算制約線上にあるa,b,c,d,eという5つの点が描かれている。ある合理的な消費者にとって最も高い効用をもたらすのは、予算制約線A上ならば点cであり、予算制約線B上ならば点dであることがわかっている。この図の説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

 

[解答群]

ア 図中に点cより効用が高い点はない。
イ 図中で点cより効用が高い点は、点aと点eである。
ウ 図中で点dより効用が高い点は、点cである。
エ 図中に点dより効用が高い点はない。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

最適消費点に関する知識を問う問題です。

 

「最適消費点」とは限られた予算の中で、ある消費者の効用を最大化する2財の消費の組み合わせを示す点」のことをいいます。

ある消費者が等しい効用を得られる2財の消費の組み合わせを表す「無差別曲線」と、予算を全て使い切った2財の消費の組み合わせを表す「予算制約線」の接点が「最適消費点」となります。

 

 

今回の問題では、「予算制約線」上の5つの点における効用の大きさを比較するために「最適消費点」の意味を正確に理解しておく必要があります

 

問題文に「予算制約線A」において、ある合理的な消費者にとって最も高い効用をもたらす「最適消費点」は「点c」であり、「予算制約線B」における「最適消費点」は「点d」であると記述されています。

「予算制約線B」上には「予算制約線A」の「最適消費点」である「点c」も存在していますが、「予算制約線B」における「最適消費点」は「点d」であるため、効用の大きさは「点d > 点c」となります。つまり、問題で与えられた図において最も効用が高い点は「点d」です。

問題で与えられた図に「無差別曲線」を追加すると、以下の図のようになります。

 

 

(ア) 不適切です。

「予算制約線B」上には「予算制約線A」の「最適消費点」である「点c」も存在していますが、「予算制約線B」における「最適消費点」は「点d」であるため、効用の大きさは「点d > 点c」となります。つまり、問題で与えられた図において最も効用が高い点は「点d」です。

 

したがって、図中に点cより効用が高い点はあるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「予算制約線B」上には「予算制約線A」の「最適消費点」である「点c」も存在していますが、「予算制約線B」における「最適消費点」は「点d」であるため、効用の大きさは「点d > 点c」となります。つまり、問題で与えられた図において最も効用が高い点は「点d」です。

 

したがって、図中で点cより効用が高い点は、点aと点eではなく点dであるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 不適切です。

「予算制約線B」上には「予算制約線A」の「最適消費点」である「点c」も存在していますが、「予算制約線B」における「最適消費点」は「点d」であるため、効用の大きさは「点d > 点c」となります。つまり、問題で与えられた図において最も効用が高い点は「点d」です。

 

したがって、図中で点dより効用が高い点は、点cではなく存在しないため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 適切です。

「予算制約線B」上には「予算制約線A」の「最適消費点」である「点c」も存在していますが、「予算制約線B」における「最適消費点」は「点d」であるため、効用の大きさは「点d > 点c」となります。つまり、問題で与えられた図において最も効用が高い点は「点d」です。

 

したがって、図中に点dより効用が高い点はないため、選択肢の内容は適切です

 

答えは(エ)です。


 

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