このブログでは二次試験(事例Ⅲ/事例Ⅳ)についても説明していますので、参考としてください。

経済学・経済政策 ~H27-8 主要経済理論(8)自然失業率仮説~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H27-8 主要経済理論(8)自然失業率仮説~」について説明します。

 

経済学・経済政策 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

失業 -リンク-

一次試験に向けた「失業」について説明しているページを以下に示しますので、アクセスしてみてください。

 

 

フィリップス曲線

「フィリップス曲線」とは、1958年にフィリップスが過去のデータに基づき発表した「賃金上昇率」と「失業率」の関係を表す曲線のことをいいます。

「フィリップス曲線」は、縦軸に「賃金上昇率(⊿W÷W)」を、横軸に「失業率(U)」を取ったグラフにおいて「右下がりの曲線」として表され、「賃金上昇率」と「失業率」に負の相関関係(トレード・オフの関係)があることを表しています。

 

フィリップス曲線

 

自然失業率仮説

「自然失業率仮説」とは、1968年にフリードマンにより提唱された「物価上昇率」と「失業率」に関する仮説のことをいいます。

「自然失業率仮説」では、短期的には物価が上昇すると「失業率」は低減するが、長期的には物価が上昇しても「失業率」は低減せずに「自然失業率(UN)」で一定になるとしています。

つまり、「自然失業率仮説」では、物価を上昇させる政策は、短期的に「失業率」を低減させる効果はあるが、長期的に「失業率」を低減させる効果はないということを説明しています。

「フィリップス曲線」では、縦軸に「賃金上昇率」を取っていましたが、「自然失業率仮説」では「賃金上昇率」と「物価上昇率」に正の相関関係があることに着眼し、縦軸に「物価上昇率(⊿P÷P)」を、横軸に「失業率(U)」を取った「物価版フィリップス曲線」を用いて「物価上昇率」と「失業率」の関係を説明しています。

 

自然失業率(UN)

「自然失業率(UN)」とは、労働市場の需要と供給が均衡している「完全雇用状態」において発生する「失業率」のことをいいます。

「完全雇用状態」とは、現行の賃金率で働く意思がある全ての人が職に就くことができている状態のことをいうため、「完全雇用状態」においては「非自発的失業」は発生していません

なお、「完全雇用状態」においても「自発的失業」や「摩擦的失業」は発生しています

 

  • 自発的失業
    現行の賃金率で働く意思がなく自発的に失業している状態
  • 非自発的失業
    働く意思と能力があるにも関わらず、景気が悪いため失業している状態
  • 摩擦的失業
    景気とは関係なく、転職などにより一時的に失業している状態

 

物価版フィリップス曲線(短期)

「自然失業率仮説」では、短期においては物価と「失業率」に負の相関関係(トレード・オフの関係)があり物価が上昇すると「失業率」が低減するとしており、短期において物価が上昇すると「失業率」が低減するのは、雇い主である「企業(労働需要者)」と「労働者(労働供給者)」において情報の非対称性が存在しているためとしています。

「企業(労働需要者)」は「物価(P)」が上昇していることを認識した上で「名目賃金(W)」の引き上げを行いますが、「労働者(労働供給者)」は「物価(P)」が上昇していることに気が付かず「名目賃金(W)」の上昇を「実質賃金(W÷P)」の上昇と錯覚(貨幣錯覚)してしまうため、賃金が高くなるのであれば働こうと考え「労働供給量」を増加させて「失業率」が低減します。

そのため、短期における「物価版フィリップス曲線」は右下がりの曲線となります。

 

物価版フィリップス曲線(短期)

 

物価版フィリップス曲線(長期)

「自然失業率仮説」では、長期においては物価と「失業率」に相関関係はなく、物価に関わらず「失業率」は「自然失業率(UN)」で均衡するとしています。

また、長期において物価に関わらず「失業率」が「自然失業率(UN)」で均衡するのは、雇い主である「企業(労働需要者)」と「労働者(労働供給者)」に存在していた情報の非対称性がなくなるためとしています。

「労働者(労働供給者)」は「名目賃金(W)」と同時に「物価(P)」も上昇していて「実質賃金(W÷P)」が上昇していないという事実に気付き「労働供給量」を減少させるため、低減していた「失業率」は元に戻り「自然失業率(UN)」で均衡します。

そのため、長期における「物価版フィリップス曲線」は垂直な曲線となります。

 

物価版フィリップス曲線(長期)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第8問】

中央銀行は、名目貨幣量を拡大させる金融緩和政策を実施することがある。この名目貨幣量拡大により、総需要が増加することで、名目賃金率と物価が上昇し始めると、企業側は総供給を増やそうとする。このときの労働者側の短期における行動について、自然失業率仮説の記述として最も適切なものはどれか。

 

ア 物価上昇は認識せず、名目賃金率上昇のみを認識するため、労働供給量を増やす。
イ 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識し、労働供給量を増やす。
ウ 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識せず、労働供給量を変えない。
エ 名目賃金率上昇は認識せず、物価上昇のみを認識するため、労働供給量を減らす。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

自然失業率仮説に関する知識を問う問題です。

 

「自然失業率仮説」とは、1968年にフリードマンにより提唱された「物価上昇率」と「失業率」に関する仮説のことをいいます。

 

「自然失業率仮説」では、短期においては物価と「失業率」に負の相関関係(トレード・オフの関係)があり物価が上昇すると「失業率」が低減するとしており、短期において物価が上昇すると「失業率」が低減するのは、雇い主である「企業(労働需要者)」と「労働者(労働供給者)」において情報の非対称性が存在しているためとしています。

「企業(労働需要者)」は「物価(P)」が上昇していることを認識した上で「名目賃金(W)」の引き上げを行いますが、「労働者(労働供給者)」は「物価(P)」が上昇していることに気が付かず「名目賃金(W)」の上昇を「実質賃金(W÷P)」の上昇と錯覚(貨幣錯覚)してしまうため、賃金が高くなるのであれば働こうと考え「労働供給量」を増加させて「失業率」が低減します。

そのため、短期における「物価版フィリップス曲線」は右下がりの曲線となります。

 

物価版フィリップス曲線(短期)

 

したがって、労働者側の短期における行動としては、物価上昇は認識せず、名目賃金率上昇のみを認識して、労働供給量を増やすため、選択肢(ア)の内容が適切です。

 

答えは(ア)です。


 

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