経済学・経済政策 ~H30-3 主要経済指標(3)CI・DIによる景気判断~

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今回は、「経済学・経済政策 ~H30-3 主要経済指標(3)CI・DIによる景気判断~」について説明します。

 

目次

経済学・経済政策 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

景気循環・景気動向指数 -リンク-

本ブログにて「景気循環」「景気動向指数」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

景気循環

「景気循環」とは、経済全体の活動水準である景気において循環的に見られる変動のことをいい、「景気変動」や「景気の波」とも呼ばれます。

 

景気循環の局面

「景気循環」を表現する際には、その局面を2つに分ける方法と4つに分ける方法があります。

「景気循環」の基礎となっているバーンズとミッチェルの定義では4つの局面に分ける方法が示されていますが、実経済では「回復と好況」「後退と不況」の境界を判別することは困難であるため、2つの局面に分ける方法で表されるのが一般的であり、日本の内閣府においても2つの局面に分ける方法により「景気循環」を公表しています

 

2つの局面に分ける方法

2つの局面に分ける方法では、「景気循環」の周期は、景気の「谷」から「谷」までとされており、景気の局面を「拡張期(拡大期)」「後退期」で表現します。

 

景気循環の周期(2つの局面に分ける方法)

 

4つの局面に分ける方法

4つの局面に分ける方法では、「景気循環」の周期は、景気の正常な水準から出発して「山」から「谷」を経て正常な水準に戻るまでとされることが多く、景気の局面を「好況(拡張・拡大)」「後退」「不況(収縮)」「回復」で表現します。

 

景気循環の周期(4つの局面に分ける方法)

 

景気循環と景気動向指数(CI・DI)の関係

日本の「景気循環」は、内閣府が毎月公表している「景気動向指数(CI・DI)」の動向を見て判断されています。

 

景気循環とCI(コンポジット・インデックス)の関係

「CI(コンポジット・インデックス)」とは、景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とした指標のことをいいます。

一般的に、「CI一致指数」の変動と景気の転換点は概ね一致しており、「CI一致指数」が上昇しているときは景気の「拡張期(拡大期)」にあり、「CI一致指数」が低下しているときは景気の「後退期」にあります

 

景気循環とDI(ディフュージョン・インデックス)の関係

「DI(ディフュージョン・インデックス)」とは、経済活動の各分野への景気の波及の度合い(波及度)を測定することを目的とした指標のことをいいます。

月々で振れはあるものの、「DI一致指数」が継続的に「50%」を上回っている場合は景気の「拡張期(拡大期)」とし、「DI一致指数」が継続的に「50%」を下回っている場合は景気の「後退期」としています。

また、「DI一致指数」が「100%」から「0%」に下降していく期間を「好況」とし、「DI一致指数」が「0%」から「100%」に上昇していく期間を「不況」としています。

なお、「DI一致指数」が「50%」の点を「景気転換点」といいますが、「不況(0%→100%)」の中で「50%」となる点が「谷」となり、「好況(100%→0%)」の中で「50%」となる点が「山」となります。

 

景気循環とDI一致指数の関係(2つの局面に分ける方法)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第3問】

景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がある。CIとDIによる景気判断に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア CI-致指数が上昇から低下に変わるとき、景気は谷にある。
イ CI-致指数が上昇しているとき、景気は拡張局面にある。
ウ DI-致指数が50%未満から50%超へ変わるとき、景気は山にある。
エ DI-致指数が50%を下回るとき、景気は拡張局面にある。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「CI・DIによる景気判断」に関する知識を問う問題です。

 

(ア) 不適切です。

「CI(コンポジット・インデックス)」とは、景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とした指標のことをいいます。

一般的に、「CI一致指数」の変動と景気の転換点は概ね一致しており、「CI一致指数」が上昇しているときは景気の「拡張期(拡大期)」にあり、「CI一致指数」が低下しているときは景気の「後退期」にあります

 

そのため、「CI一致指数」が上昇から低下に変わるとき、景気の「拡張期(拡大期)」から「後退期」に変わることを表しているため、「景気循環」においては景気の「山」にあるということになります。

 

したがって、CI一致指数が上昇から低下に変わるとき、景気は谷ではなく、景気は山にあるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 適切です。

「CI(コンポジット・インデックス)」とは、景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とした指標のことをいいます。

一般的に、「CI一致指数」の変動と景気の転換点は概ね一致しており、「CI一致指数」が上昇しているときは景気の「拡張期(拡大期)」にあり、「CI一致指数」が低下しているときは景気の「後退期」にあります

 

そのため、「CI一致指数」が上昇しているとき、景気の「拡張期(拡大期)」であることを表しています。

 

したがって、CI一致指数が上昇しているとき、景気は拡張局面にあるため、選択肢の内容は適切です

 

(ウ) 不適切です。

「DI(ディフュージョン・インデックス)」とは、経済活動の各分野への景気の波及の度合い(波及度)を測定することを目的とした指標のことをいいます。

「DI一致指数」が「50%」の点を「景気転換点」といいますが、「不況(0%→100%)」の中で「50%」となる点が「谷」となり、「好況(100%→0%)」の中で「50%」となる点が「山」となります。

 

景気循環とDI一致指数の関係(2つの局面に分ける方法)

 

そのため、「DI一致指数」が「50%未満」から「50%超」に変わるとき、景気の「後退期」から「拡張期(拡大期)」に変わることを表しているため、「景気循環」においては景気の「谷」にあるということになります。

 

したがって、DI一致指数が50%未満から50%超へ変わるとき、景気は山ではなく、景気は谷にあるため、選択肢の内容は不適切です

 

(エ) 不適切です。

「DI(ディフュージョン・インデックス)」とは、経済活動の各分野への景気の波及の度合い(波及度)を測定することを目的とした指標のことをいいます。

月々で振れはあるものの、「DI一致指数」が継続的に「50%」を上回っている場合は景気の「拡張期(拡大期)」とし、「DI一致指数」が継続的に「50%」を下回っている場合は景気の「後退期」としています。

 

景気循環とDI一致指数の関係(2つの局面に分ける方法)

 

そのため、「DI一致指数」が「50%」を下回るとき、景気の「後退期」であることを表しています。

 

したがって、DI一致指数が50%を下回るとき、景気は拡張局面ではなく、景気は後退局面にあるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(イ)です。


 

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