運営管理 ~R2-29 売場構成・陳列(5)商品陳列~

にほんブログ村に参加しています。
記事の内容にご満足いただけた場合は、以下のボタンをクリックいただけると、また頑張ることができます。

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ

にほんブログ村に参加しています。
記事の内容にご満足いただけた場合は、以下のボタンをクリックいただけると、また頑張ることができます。

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ







今回は、「運営管理 ~R2-29 売場構成・陳列(5)商品陳列~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

客単価の向上

店舗の「売上高」は「客単価」と「来店客数」を掛け合わせたものとして考えられます。

「来店客数」の増加は、広告などの店舗外活動を中心とした販売促進活動によって実現されますが、「客単価」の増加は、「インストアマーチャンダイジング」という店舗内の販売促進活動によって実現することができます。

 

 

「商品の陳列方法」も「インストアマーチャンダイジング」の1つの施策です。

顧客の購買動機形成や意思決定に関しては、最初から買うものを決めて来店する人は約1割しかおらず、店舗に来てから購入するものを決定する非計画購買が約9割を占めているというデータがあるため、商品の陳列方法を工夫することによって、顧客の衝動買いを促進するなど「客単価」の増加を図ることができます。

 

「客単価」は「動線長」「立寄率」「視認率」「買上率」「買上個数」「商品単価」を掛け合わせたものとして考えられるため、以下の式のように表現することができます。

 

 

具体的には、商品の陳列方法を工夫することによって、来店した顧客が店内を歩き回る距離を伸ばし(動線長の向上)、商品の前で顧客の足を引き留めさせ(立寄率の向上)、商品に気付かせ(視認率の向上)、興味や関心を持たせて購入してもらう(買上率の向上)という流れをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

 

客単価の構成要素

要素 説明
動線長 店内をどれだけ長く歩いてもらえるか。
立寄率 店内を歩きながらどれだけ売り場に立ち寄ってもらえるか。
視認率 立ち寄った売り場でどれだけ多くの商品を視認してもらえるか。
買上率 視認した商品をどれだけ購入してもらえるか。
買上個数 商品をどれだけ多く購入してもらえるか。
商品単価 より単価の高い商品を購入してもらえるか。

 

商品陳列方法の分類

商品の陳列方法は、「量感陳列」と「展示陳列」に分類されます。

 

量感陳列

「量感陳列」とは、食料品や日用雑貨といった最寄品を対象とした陳列方法であり、商品を平台、ワゴン、ゴンドラなどにまとめて陳列して、商品のボリューム感と安さを演出することによって、顧客の購買意欲を刺激する陳列方法です。

 

展示陳列

「展示陳列」とは、高級品やファッション品といった買回品を対象とした陳列方法であり、商品をショーウインドウ、ステージ、コーナーなどに展示して、顧客に店舗のコンセプトを訴求したり、重点商品を魅力的に見せる陳列方法です。

 

陳列方法

商品の陳列には様々な方法がありますが、一部を以下に示します。

 

エンド陳列

「エンド陳列」とは、陳列している列の端に、その列に陳列している品種と同じ商品をまとめて陳列する方法です。特売品などのマグネット商品をボリューム感いっぱいに陳列することで、顧客の購買意欲を刺激する方法です。

 

 

ジャンプル陳列

「ジャンプル陳列」とは、テーブル、バスケット、ショッピングカートに商品を投げ込むように陳列する方法です。少ない手間で商品を陳列することができますが、商品が安っぽく感じられるため、高額商品には不向きであり、特売品の陳列に向いている陳列方法です。

 

カットケース陳列

「カットケース陳列」とは、商品を什器に陳列するのではなく、商品の箱をカットしてそのまま陳列する方法です。ディスカウントストアでよく使用される方法であり、陳列の手間が少なく、新鮮さや安さを訴求することができます。

 

レジ前陳列

「レジ前陳列」とは、商品を購入する顧客が必ず通過するレジの手前に、単価の低い商品を陳列する方法です。顧客の「ついで買い」を誘発し、客単価のアップを図ることができます。

 

フック陳列

「フック陳列」とは、商品をフックに吊り下げて陳列する方法です。

子供向けの「お菓子」であったり、ドラッグストアの「歯ブラシ」などをイメージすれば分かりやすいかと思います。

フックに吊り下げて陳列するため、顧客だけでなく店員にとっても商品が見やすいため、在庫量を把握しやすいというメリットがありますが、フックに吊り下げることができる商品数が限定されるため、大量に陳列できないというデメリットもあります。

 

バーチカル陳列(垂直陳列)

「バーチカル陳列」とは、商品間の品質に差がない場合に、同一商品群や関連商品を最上段から最下段まで垂直にに陳列する方法のことをいいます。

 

ホリゾンタル陳列(水平陳列)

「ホリゾンタル陳列」とは、商品間の品質に著しい差がある場合、商品を同じ棚板に水平に陳列する方法のことをいいます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第29問】

店舗における売場づくりに関して、以下に示す【陳列手法】と【陳列の特徴】の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

【陳列手法】

① レジ前陳列
② ジャンブル陳列
③ フック陳列

 

【陳列の特徴】

a 商品を見やすく取りやすく陳列でき、在庫量が把握しやすい。
b 非計画購買を誘発しやすく、少額商品の販売に適している。
c 陳列が容易で、低価格のイメージを演出できる。

 

[解答群]

ア ①とa ②とb ③とc
イ ①とa ②とc ③とb
ウ ①とb ②とa ③とc
エ ①とb ②とc ③とa
オ ①とc ②とa ③とb

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

店舗における売場づくりに関する知識を問う問題です。

 

店舗の「売上高」は「客単価」と「来店客数」を掛け合わせたものとして考えられます。

「来店客数」の増加は、広告などの店舗外活動を中心とした販売促進活動によって実現されますが、「客単価」の増加は、「インストアマーチャンダイジング」という店舗内の販売促進活動によって実現することができます。

 

「商品の陳列方法」も「インストアマーチャンダイジング」の1つの施策です。

顧客の購買動機形成や意思決定に関しては、最初から買うものを決めて来店する人は約1割しかおらず、店舗に来てから購入するものを決定する非計画購買が約9割を占めているというデータがあるため、商品の陳列方法を工夫することによって、顧客の衝動買いを促進するなど「客単価」の増加を図ることができます。

 

①レジ前陳列

「レジ前陳列」とは、商品を購入する顧客が必ず通過するレジの手前に、単価の低い商品を陳列する方法です。顧客の「ついで買い」を誘発し、客単価のアップを図ることができます。

 

したがって、「レジ前陳列」の特徴は「b 非計画購買を誘発しやすく、少額商品の販売に適している。」です。

 

②ジャンプル陳列

「ジャンプル陳列」とは、テーブル、バスケット、ショッピングカートに商品を投げ込むように陳列する方法です。少ない手間で商品を陳列することができますが、商品が安っぽく感じられるため、高額商品には不向きであり、特売品の陳列に向いている陳列方法です。

 

したがって、「ジャンプル陳列」の特徴は「c 陳列が容易で、低価格のイメージを演出できる。」です。

 

③フック陳列

「フック陳列」とは、商品をフックに吊り下げて陳列する方法です。

子供向けの「お菓子」であったり、ドラッグストアの「歯ブラシ」などをイメージすれば分かりやすいかと思います。

フックに吊り下げて陳列するため、顧客だけでなく店員にとっても商品が見やすいため、在庫量を把握しやすいというメリットがありますが、フックに吊り下げることができる商品数が限定されるため、大量に陳列できないというデメリットもあります。

 

したがって、「フック陳列」の特徴は「a 商品を見やすく取りやすく陳列でき、在庫量が把握しやすい。」です。

 

「①とb ②とc ③とa」であるため、答えは(エ)です。


 

コメント

タイトルとURLをコピーしました