財務・会計 ~R2-23 設備投資の経済性計算(16)各期の税引後CF~

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今回は、「財務・会計 ~R2-23 設備投資の経済性計算(16)各期の税引後CF~」について説明します。

 

「設備投資の経済性計算」は二次試験(事例Ⅳ)で出題される論点のため、一次試験の段階からしっかりと勉強しておきましょう。

 

目次

財務・会計 ~令和2年度一次試験問題一覧~

令和2年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

設備投資の経済性計算(一次試験) -リンク-

本ブログにて「設備投資の経済性計算(一次試験)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

設備投資の経済性計算(二次試験) -リンク-

本ブログにて「設備投資の経済性計算(二次試験)」について説明しているページを以下に示しますのでアクセスしてみてください。

 

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【令和2年度 第23問】

当期首に1,500万円をある設備(耐用年数3年、残存価額ゼロ、定額法)に投資すると、今後3年間にわたって、各期末に900万円の税引前キャッシュフローが得られる投資案がある。税率を30%とすると、この投資によって各期末の税引後キャッシュフローはいくらになるか。最も適切なものを選べ。

 

ア 180万円
イ 280万円
ウ 630万円
エ 780万円

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

考え方と解答

当期首の設備投資より得られる各期末の税引後キャッシュフローを算出する問題です。
「税引後キャッシュフロー」を求められているため、法人税を考慮する必要があります

 

キャッシュフローの発生について

今回の問題において、キャッシュフローが発生する要素は以下の3点がありますので、それぞれの要素について発生するキャッシュフローを確認していきます。

 

  • 設備投資
  • 各期末に得られるキャッシュフロー
  • 減価償却費

 

設備投資

当期首に行われる設備投資により、「1,500万円」の現金支出(COF)が発生します。

 

今回の問題で求められているのは「各期末の税引後キャッシュフロー」であるため、解答を導くために「設備投資によるキャッシュフロー(COF)」を算出する必要はありません。
あくまで、説明において「設備投資により発生するキャッシュフローの推移」を作成することを目的として算出しています。

 

各期末に得られるキャッシュフロー

当期首に行われる設備投資により、今後3年間にわたって、各期末に900万円の「税引前キャッシュフロー」が得られます。

「税引前キャッシュフロー」から「税引後キャッシュフロー」を求めるためには、法人税を考慮して「税引前キャッシュフロー」から支払う法人税「税引前キャッシュフロー × 法人税率」を控除する必要があるため、手元に残るキャッシュ(CIF)を、以下の計算式により算出します。

 

 

  • CIF = 税引前キャッシュフロー ×( 1 - 法人税率 )
    = 900万円 ×( 1 - 30% )
    630万円

 

減価償却費による節税効果

減価償却費は実際にキャッシュアウトするわけではありませんが、法人税を考慮する場合は節税効果が働くため、節税効果分だけCIFに追加する必要があります。

 

 

  • 減価償却費 = 取得原価 ÷ 耐用年数 = 1,500万円 ÷ 3年 = 500万円
  • CIF = 減価償却費 × 法人税率 = 500万円 × 30% = 150万円

 

減価償却費による節税効果(例)

減価償却費による節税効果について少し補足します。

  1. 減価償却費20百万円の計上により、利益が20百万円減少します。
  2. 利益が20百万円減少したため、納付すべき法人税を「20百万円×法人税率40%=8百万円」だけ節約することができます。
  3. 減価償却費が計上されますが、実際にキャッシュアウトするわけではありません。にもかかわらず、納付する法人税が8百万円減少したので、企業が得した現金(入手した現金)は「CIF=8百万円」となります。

 

 

設備投資により発生するキャッシュフローの推移

上記で説明した「設備投資」「各期末に得られるキャッシュフロー」「減価償却費による節税効果」を用いて、設備投資により発生するキャッシュフローの推移を整理すると以下の通りとなります。

 

 

したがって、今回の問題で求められている「この投資によって発生する各期末の税引後キャッシュフロー」は「780万円」です。

 

今回の問題は「平成29年度 第15問」と似ています。
時間がある方は「H29-15 設備投資の経済性計算(1)各期の税引後CF」も併せて確認してみてください。

答えは(エ)です。


 

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