事例Ⅳ ~令和元年度 解答例(10)(EDI導入による財務的効果)~

にほんブログ村に参加しています。
記事の内容にご満足いただけた場合は、以下のボタンをクリックいただけると、また頑張ることができます。

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ

にほんブログ村に参加しています。
記事の内容にご満足いただけた場合は、以下のボタンをクリックいただけると、また頑張ることができます。

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ







令和元年度の事例Ⅳの「第4問(設問2)」に関する解答例(案)を説明していきます。

私なりの思考ロジックに基づく解答例(案)を以下に説明しますので、参考としてもらえればと思います。

 

目次

事例Ⅳ ~令和元年度試験問題一覧~

令和元年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第4問(設問2)

第4問(配点20点)

 

(設問2)

建材事業部では、EDIの導入を検討している。どのような財務的効果が期待できるか。60字以内で説明せよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方(第4問 設問2)

建材事業部で検討しているEDIの導入により期待できる財務的効果について問われています。

財務的効果と言われると難しく感じますが、「第1問(設問2)」において前期と比較して悪化していると解答した「収益性・安全性」に対する効果として考えると合理的であるため、「EDIの導入により解決される課題」と「収益性・安全性」との関連を確認していきます。

 

EDIの導入により解決される課題

EDIの導入については、与件文において以下の通り記載されています。

また、建材配送の小口化による配送コストの増大や非効率な建材調達・在庫保有が恒常的な収益性の低下を招いていると認識している。現在、よりタイムリーな建材配送を実現するため、取引先の了解を得て、受発注のみならず在庫情報についてもEDI(Electronic Data Interchange、電子データ交換)を導入することによって情報を共有することを検討中である。

 

したがって、EDIを導入することによって解決される課題は以下の2点です。

 

  • 建材配送の小口化による配送コストの増大
  • 非効率な建材調達・在庫保有

 

D社の財政状態と経営成績の特徴

「第1問(設問2)」において「D社の当期の財政状態および経営成績について前期と比較した場合の特徴」について、以下の通り解答しています。「事例Ⅳ 第1問(設問2)

 

  • 有形固定資産の効率性は改善、建材価格高騰や配送コスト増大や非効率な在庫管理で収益性と安全性は悪化した。(50文字)

 

「収益性」と「安全性」が悪化していると解答していますが、もう少し掘り下げると「売上原価」「棚卸資産」「仕入債務」「短期借入金」の増加が、財務指標を悪化させている主な要因であると分析しました。

 

課題と財務諸表の関連性

「EDIを導入することによって解決される課題」と、財務諸表で前期と比較して悪化している「売上原価」「棚卸資産」「仕入債務」「短期借入金」の関連性を以下に示します。

「短期借入金」については、「EDIを導入することによって解決される課題」と直接関連しているのではなく、「売上原価」「棚卸資産」「仕入債務」が増加したことによって増加したものと考えられます。

 

 

EDIの導入による財務的効果

課題と財務諸表の関連性で整理した図に基づき、EDIを導入することによって、どのような課題が解決され、最終的にどのような財務的効果が期待できるのかについて順番に列挙していきます。

 

  1. 取引先の了解を得て、EDIを導入することによって、受発注のみならず在庫情報について共有することができれば、
  2. 課題である「建材配送の小口化による配送コストの増大」と「非効率な建材調達・在庫保有」が解決され、
  3. 「配送コストの増加」と「非効率な建材調達による余剰在庫の保有」が解消されることによって、
  4. 「売上原価」「棚卸資産」「仕入債務」「短期借入金」が減少するため、
  5. 「収益性」と「安全性」が改善することを期待できる

 

解答のまとめ

「EDIの導入による財務的効果」で列挙した内容から解答を構成します。

  • 受発注のみならず在庫情報について共有することができれば、「配送コストの増加」と「非効率な建材調達による余剰在庫の保有」が解消されるため、「収益性」と「安全性」が改善することを期待できる。(93文字)

 

長すぎるため、文章を短くします。

  • 受発注のみならず在庫情報を共有することで配送コストの増加と非効率な建材調達による余剰在庫の保有が解消されるため、収益性と安全性が改善することを期待できる。(76文字)

 

まだ、長すぎるので、さらに文章を簡潔にします。

  • 受発注や在庫情報を共有することで配送コストと非効率な建材調達による余剰在庫を削減でき収益性と安全性が改善すると期待できる。(60文字)

 

こんな感じでしょうか。

 

中小企業診断士の業務においては、認識した課題は放置せず、全ての課題に対して提言を行います。

今回の試験問題において、D社の財政状態および経営成績を悪化させている要因の1つとして与件文で取り上げられている「円安や自然災害による建材の価格高騰など」に対する対策について全く触れられていない点が気になります。

 

解答(第4問 設問2)

EDIの導入により期待できる財務的効果は以下の通りです。

受発注や在庫情報を共有することで配送コストと非効率な建材調達による余剰在庫を削減でき収益性と安全性が改善すると期待できる。(60文字)

 


 

コメント

タイトルとURLをコピーしました