今回は、「運営管理 ~R1-1 生産管理の基礎(1)管理指標~」について説明します。
目次
運営管理 ~令和元年度一次試験問題一覧~
令和元年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。
生産管理の基礎用語
生産管理の基礎用語という内容で説明すると、あまりにも多くなるため、今回の問題で取り上げられている用語について説明します。
稼働率
「稼働率」とは、人または機械における就業時間もしくは利用可能時間に対する有効稼働時間との比率のことをいいます。
生産リードタイム
「生産リードタイム」とは、生産の着手時期から完了時期に至るまでの時間のことをいいます。
直行率
「直行率」とは、製造ラインに乗せられた品物のうち、作業不良などにより手直し・手戻りが発生したものや、部品不良や欠品によりラインの途中で停滞したものを除いて、初工程から最終工程まで順調に通過した品物の割合のことをいいます。
歩留まり
「歩留まり」とは、投入された主原材料の量と、その主原材料から実際に算出された品物の量との比率のことをいい、収得率または収率とも呼ばれます。
試験問題
それでは、実際の試験問題を解いてみます。
【令和元年度 第1問】
管理指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 稼働率とは、人または機械における就業時間もしくは拘束時間を、有効稼働時間で除したものである。
イ 生産リードタイムは、顧客が注文してからその製品を手にするまでの時間である。
ウ 直行率とは、初工程から最終工程まで、手直しや手戻りなどがなく順調に通過した品物の生産数量を、工程に投入した品物の数量で除したものである。
エ 歩留まりとは、投入された主原材料の量を、産出された品物の量で除したものである。
中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html)
考え方と解答
生産管理で用いられる「管理指標」に関する知識を問う問題です。
(ア) 不適切です。
「稼働率」とは、人または機械における就業時間もしくは利用可能時間に対する有効稼働時間との比率のことをいいます。
したがって、「稼働率」とは、人または機械における就業時間もしくは拘束時間を、有効稼働時間で除したものではないため、選択肢の内容は不適切です。
(イ) 不適切です。
「生産リードタイム」とは、生産の着手時期から完了時期に至るまでの時間のことをいいます。
したがって、「生産リードタイム」は、顧客が注文してからその製品を手にするまでの時間ではないため、選択肢の内容は不適切です。
(ウ) 適切です。
「直行率」とは、製造ラインに乗せられた品物のうち、作業不良などにより手直し・手戻りが発生したものや、部品不良や欠品によりラインの途中で停滞したものを除いて、初工程から最終工程まで順調に通過した品物の割合のことをいいます。
したがって、「直行率」とは、初工程から最終工程まで、手直しや手戻りなどがなく順調に通過した品物の生産数量を、工程に投入した品物の数量で除したものであるため、選択肢の内容は適切です。
(エ) 不適切です。
「歩留まり」とは、投入された主原材料の量と、その主原材料から実際に算出された品物の量との比率のことをいい、収得率または収率とも呼ばれます。
したがって、「歩留まり」とは、投入された主原材料の量を産出された品物の量で除したものではなく、産出された品物の量を投入された主原材料の量で除したものであるため、選択肢の内容は不適切です。
答えは(ウ)です。
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