運営管理 ~H27-16 IE/作業研究(13)連合作業分析~

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今回は、「運営管理 ~H27-16 IE/作業研究(13)連合作業分析~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

IE(Industrial Engineering:経営工学)

「IE」は「経営工学」と呼ばれ、生産性を向上させる技術として発展してきました。
その中で、工場の生産活動を対象とした改善の技術は「作業研究」と呼ばれ、工程や動作を分析して改善する「方法研究」と稼動状況や標準時間の設定を研究する「作業測定」で構成されています。

 

 

インダストリアルエンジニアリング、経営工学

経営目的を定め、それを実現するために、環境(社会環境及び自然環境)との調和を図りながら、人、物(機械、設備、原材料、補助材料及びエネルギー)、金及び情報を最適に設計し、運用し、統制する工学的な技術・技法の体系。(JISZ8141-1103)

 

方法研究

「方法研究」は、さらに「工程の分析を行う工程分析」と「作業の分析を行う動作研究」に分類されます。

「工程分析」とは、効率化のために工程を記号で把握して分析することであり、「動作研究」とは、作業の無駄を無くすために動作を分解して分析することです。

 

 

今回は、「IE(作業研究)」「方法研究」「動作研究」「作業系列」に分類される「連合作業分析」について説明します。

 

連合作業分析

「連合作業分析」とは、作業者や機械による作業を効率化するために、時間の経過に合わせた作業内容の関連性を「ECRSの原則」に従って分析することによって、作業サイクルの時間短縮、作業者や機械の稼働率向上、配置人員数の削減を実現することを目的としています。

「連合作業分析」は、人が機械を使って行う作業内容の関連性を分析する「人・機械分析」と、複数の作業者が協同して行う作業内容の関連性を分析する「組作業分析」に大別されます。

 

ECRSの原則(改善の4原則)

「ECRSの原則」は、生産活動の作業効率を改善するために検討すべき観点とその順番を示しており、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)という4つの観点の頭文字から構成されています。

「ECRSの原則」を活用して、作業自体をなくしたり(E)、作業をまとめて行ったり(C)、作業の順番を入れ替えたり(R)、作業を単純化する(S)といった方法で、生産活動における作業効率を改善していきます

 

 

人・機械分析

「人・機械分析」では、「機械が作業している間の作業者の手待ち」や「作業者が作業している間の機械の停止・空転」といったポイントに着目して改善することによって、作業の効率化を図っていきます。

「人・機械分析」では、作業者が機械を使って行う作業内容を時系列で整理した「マン・マシンチャート」を作成して、作業者と機械の稼動状況に関する問題点を分析します

 

マン・マシンチャートの例

例として、平成30年度の事例Ⅲの問題において与えられた「マン・マシンチャート」を以下に示します。作業者と成形機(2台)の稼働状況を時系列で整理することで、作業者と設備の待ち時間が多く稼働率が低い状況となっていることが一目で分かります。

 

引用元 中小企業診断士試験 平成30年度 事例Ⅲ問題 より

 

組作業分析

複数の作業者が協同して行う作業を「組作業」といいます。
「組作業分析」では、複数の作業者で実施している「組作業」における作業者相互の稼働関係を記録した結果から、作業方法や人員配置の見直しを行い、作業者が受け持つ作業量の不均衡や手待ちの是正を行うことによって、作業の効率化を図っていきます。

 

連合作業分析

人と機械、二人以上の人が協同して作業を行う時、その共同作業の効率を高めるための分析手法。(JISZ8141-5213)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第16問】

複数個の同一製品を、同じ機能を持った設備AまたはBを利用して加工処理している工程がある。この工程には1名の作業者がおり、次のような手順で製品を加工処理している。

 

<製品の処理手順>

  1. 手空きになっている(加工処理が行われていない)いずれかの設備に、作業者によって製品がセットされる。セットには5秒かかる。
  2. セットされた製品は、直ちに設備で自動的に加工処理される。加工処理には20秒かかる。
  3. 加工が終わった製品は、作業者によって設備から取り出される。製品の取り出しには5秒かかる。
  4. 取り出された製品は、作業者によって検査が行われて製品の処理が完了する。検査には5秒かかる。

以下の表は、この工程で4つの製品が処理される過程を連合作業分析した結果である。この作業において90秒の総作業時間を短縮するために、連合作業分析表の1列目(作業者の欄)に示された作業番号④、⑤、⑥、⑦、⑧の作業を⑦→⑤→⑧→④→⑥の順序に変更することを考える。この変更によって短縮される時間の最大値として、最も適切なものを次ページの解答群から選べ。なお、作業者と設備A、Bのそれぞれは、同時に複数個の製品を処理することはできない。

連合作業分析表

 

[解答群]

ア 5秒
イ 10秒
ウ 15秒
エ 20秒

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「IE(作業研究)」の分析手法である「連合作業分析」に関する知識を問う問題です。

 

「連合作業分析」とは、作業者や機械による作業を効率化するために、時間の経過に合わせた作業内容の関連性を「ECRSの原則」に従って分析することによって、作業サイクルの時間短縮、作業者や機械の稼働率向上、配置人員数の削減を実現することを目的としています。

「連合作業分析」は、人が機械を使って行う作業内容の関連性を分析する「人・機械分析」と、複数の作業者が協同して行う作業内容の関連性を分析する「組作業分析」に大別されます。

 

今回の問題では、「人・機械分析」により、総作業時間の短縮を図ること目的としています。

問題文で与えられた「連合作業分析表」を見ると、製品を処理する過程において「作業者が作業している間の機械の停止・空転」が存在するため、「ECRSの原則」の「R(交換)」に該当する対策(作業の順序を入れ替える)を実施して、総作業時間を短縮していきます。

 

問題文で与えられた通りに、作業の順序を変更した場合の「連合作業分析表」は以下の通りです。

 

連合作業分析表(作業順序変更後)

 

上表の通り、作業の順序を「⑦→⑤→⑧→④→⑥」に変更することによって短縮される総作業時間の最大値は「15秒」です。

 

答えは(ウ)です。


 

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