運営管理 ~H27-3 設計技術(2)CAD/CAM/CAE~

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今回は、「運営管理 ~H27-3 設計技術(2)CAD/CAM/CAE~」について説明します。

 

目次

運営管理 ~平成27年度一次試験問題一覧~

平成27年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

CAD/CAM/CAE

「CAD」は「コンピュータにより設計を支援するシステム」であり、「CAM」は「CAD」により作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。さらに、「CAE」を導入すると、製品を実際に生産しなくても、製品が目的とする品質(機能や性能など)を達成するかどうかをシミュレーションすることができます。

「CAD/CAM/CAE」を導入することにより、製品の開発活動を効率的に進めることができるため、「開発コストの低減」「開発期間の短縮」を実現することができます。

 

CAD(Computer Aided Design)

CADは、「コンピュータにより設計を支援するシステム」です。

製品の企画工程や設計工程では、デザインや設計データを作成します。
従来は、机上で2次元の図面を作成していましたが、CADを導入することにより、ディスプレイ上で3次元の形状を表現することができるようになります。

また、作成した設計データを保存しておけば、顧客との調整により発生した設計内容の修正を素早く反映したり、他の製品のデザインや設計工程で再利用することができるため、設計作業を効率化することができます。

 

CAD

製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計。(JISB3401-0102)

 

CAM(Computer Aided Manufacturing)

CAMは、CADにより作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。

CAMでは、CADにより作成した設計データをインプット情報としてNC加工プログラムを自動作成します。また、作成されたNC加工プログラムをNC制御工作機械に送信すれば、製品の加工を行うことができるため、設計データから製品の加工までの工程を効率化することができます。

 

CAM

コンピュータの内部に表現されたモデルに基づいて、生産に必要な各種情報を生成すること、及びそれに基づいて進める生産の形式。(JISB3401-0103)

 

CAD/CAM

従来、CADとCAMは独立した別のシステムとして発展してきましたが、CADにより作成した設計データをCAMのインプット情報として使用するという視点から、設計工程と製造工程を一連の流れとして捉え、個別にシステムを構築するのではなく「CAD/CAM」として連動性を高めることにより、設計工程から製造工程までの更なる作業効率化を実現しています。

 

CAD/CAM

CADによってコンピュータ内部に表現されるモデルを作成し、これをCAMで利用することによって進める設計・生産の形式。(JISB3401-0104)

 

CAE(Computer Aided Engineering)

CAEでは、製品を生産する前の段階で、CADにより作成した設計データを用いて、製品が目的とする品質(機能や性能など)を達成するかどうかについて確認するためのシミュレーションを実施することができます。

従来、設計図面に基づき作成した試作品に対して動作試験を実施して、不具合が発見されたら設計図面を修正して再度試作品を作成して動作試験を実施するという作業を繰り返して設計内容の最適化を行ってきましたが、CAEを活用することによって実際に試作品を作成しなくても、シミュレーションにより不具合を確認することができるため、効率的に設計内容を最適化することができます。

 

CAE

CADの過程でコンピュータ内部に作成されたモデルを利用して、各種シミュレーション、技術解析など工学的な検討を行うこと。(JISB3401-0105)

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成27年度 第3問】

製造プロセスのデジタル化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

ア CADを導入することで複数台のNC工作機がコンピュータで結ばれ、効率的な設備の運用が可能となった。
イ CAEを導入することで樹脂や金属製の立体物が造形され、開発コストの低減と開発期間の短縮が可能となった。
ウ CAMを導入することでCADと連携したマシニングセンタへの指示プログラムが作成され、熟練工の高度な加工技術を再現することが可能となった。
エ 3次元CADと3Dプリンタを連携させることで構造解析・流体解析等のシミュレーションがコンピュータ上で可能となり、開発コストの低減と開発期間の短縮につながった。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「CAD/CAM/CAE」に関する知識を問う問題です。

 

「CAD」は「コンピュータにより設計を支援するシステム」であり、「CAM」は「CAD」により作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。さらに、「CAE」を導入すると、製品を実際に生産しなくても、製品が目的とする品質(機能や性能など)を達成するかどうかをシミュレーションすることができます。

「CAD/CAM/CAE」を導入することにより、製品の開発活動を効率的に進めることができるため、「開発コストの低減」「開発期間の短縮」を実現することができます。

 

(ア) 不適切です。

「CAD」は「コンピュータにより設計を支援するシステム」であり、「CAM」は「CAD」により作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。

「CAM」では、「CAD」により作成した設計データをインプット情報として「NC加工プログラム」を自動作成します。また、作成された「NC加工プログラム」をNC制御工作機械に送信すれば、製品の加工を行うことができるため、設計データから製品の加工までの工程を効率化することができます。

 

したがって、「CAD」を導入しても、複数台のNC工作機がコンピュータで結ばれることはなく、「CAM」を導入することで複数台のNC工作機がコンピュータで結ばれ、効率的な設備の運用が可能となるため、選択肢の内容は不適切です

 

(イ) 不適切です。

「CAE」では、製品を生産する前の段階で「CAD」により作成した設計データを用いて、製品が目的とする品質(機能や性能など)を達成するかどうかについて確認するためのシミュレーションを実施することができます。

従来、設計図面に基づき作成した試作品に対して動作試験を実施して、不具合が発見されたら設計図面を修正して再度試作品を作成して動作試験を実施するという作業を繰り返して設計内容の最適化を行ってきましたが、「CAE」を活用することによって実際に試作品を作成しなくても、シミュレーションにより不具合を確認することができるため、効率的に設計内容を最適化することができます。

 

したがって、「CAE」を導入しても樹脂や金属製の立体物が造形されることはなく、「CAE」を導入することで試作品を作成することなくシミュレーションにより不具合を確認することができるようになり、開発コストの低減と開発期間の短縮が可能となるため、選択肢の内容は不適切です

 

(ウ) 適切です。

「CAD」は「コンピュータにより設計を支援するシステム」であり、「CAM」は「CAD」により作成した設計データを活用して、「コンピュータにより製品の生産を支援するシステム」です。

「CAM」では、「CAD」により作成した設計データをインプット情報として「NC加工プログラム」を自動作成します。また、作成された「NC加工プログラム」をNC制御工作機械に送信すれば、製品の加工を行うことができるため、設計データから製品の加工までの工程を効率化することができます。

 

したがって、「CAM」を導入することで「CAD」と連携したマシニングセンタへの指示プログラムが作成され、熟練工の高度な加工技術を再現することが可能となるため、選択肢の内容は適切です

 

マシニングセンタ

「マシニングセンタ」とは、工具を自動交換ができ、フライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなど、種々な加工処理を行うことができる工作機械のことをいいます。工具マガジンに多数の切削工具を格納しており、コンピュータ数値制御(CNC)の指令によって自動的に工具を交換して加工処理を行うことができます。

主軸が水平になっているものを「横形マシニングセンタ」、主軸が垂直になっているものを「立形マシニングセンタ」といいます。

 

(エ) 不適切です。

「3Dプリンタ」とは「3次元CADデータ」や「3次元CGデータ」を元に「3次元のオブジェクト」を造形する機械のことをいいます。

 

したがって、3次元CADと3Dプリンタを連携しても構造解析・流体解析等のシミュレーションがコンピュータ上で可能となることはなく、3次元CAE」を導入することで構造解析・流体解析等のシミュレーションがコンピュータ上で可能となり、開発コストの低減と開発期間の短縮につながるため、選択肢の内容は不適切です

 

答えは(ウ)です。


 

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