「経済学・経済政策」について説明を始めました。
図が多すぎて書き上げるのにかなり苦労しています。

運営管理 ~H30-3 工場レイアウト(2)SLP~

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今回は、「運営管理 ~H30-3 工場レイアウト(2)SLP~」について説明します。

 

運営管理 ~平成30年度一次試験問題一覧~

平成30年度の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

SLP(Systematic Layout Planning)

「SLP(Systematic Layout Planning)」とは、米国のリチャード・ミューサーが提唱した工場レイアウトの計画策定に関する体系的な手順であり、製品の生産量、各工程に必要な面積、工程の相互関連性を分析して、工場レイアウトを決定していく手法のことをいいます。

工場の生産性を高めるためには、設備・工具・人・資材といった生産に関わる要素(アクティビティ)が極めて重要であり、基本的に製造工程におけるトータルの搬送距離が最短になるように工場レイアウトを計画していきます

なお、生産する製品の種類、製品の生産量の増減、設備の更改といった環境の変化に伴い、最適な工場レイアウトも変化していくため、工場レイアウトを一度決定したら終わりではなく、定期的に確認を行い、レイアウトを見直していく必要があります。

 

SLPによる計画策定手順

 

PQ分析

「PQ分析」とは、「製品(Product)」と「生産量(Quantity)」の関係をグラフで示し、製品の生産形態から、最適な工場レイアウトを決定する分析手法です。

横軸に「製品(Product)」を、縦軸に「生産量(Quantity)」を取り、生産量の多い製品を左から順に並べて作成します。

 

PQ分析

 

「PQ分析」の結果から、製品ごとに生産形態の種類を区分して、それぞれの生産形態に最適なレイアウトを選択していきます。

 

生産形態 最適なレイアウト
少品種大量生産 製品別レイアウト
中品種中量生産 グループ別レイアウト
多品種少量生産 機能別レイアウト

 

アクティビティ相互関係ダイヤグラム

「アクティビティ相互関係ダイヤグラム」とは、「物の流れ分析」と「アクティビティ相互関係図表」の分析結果に基づき、アクティビティを線図に展開し、アクティビティの順序と近接性を地理的な配置に置き換えたレイアウトのことをいいます。

「アクティビティ相互関係ダイヤグラム」では、アクティビティ間の近接性要求の強さを「線の太さ」や「線の本数」で表します。近接性の強いアクティビティ同士は極力近づけ、できるだけ線が重なり合わないようにすることが重要です。

なお、「アクティビティ相互関係ダイヤグラム」は「アクティビティ」の関係性について検討したものであり「面積(スペース)」については考慮されていません。(「面積(スペース)」は、次の手順である「面積(スペース)相互関係ダイヤグラム」で考慮される内容です。)

 

物の流れ分析

「物の流れ分析」では、生産工程を通じて「物」が迂回したり逆行することなく、効率的に流れていくための順序を決定する分析手法です。

「PQ分析」により区分されたグループ(生産形態や工場レイアウト)ごとに、「物の流れ分析」で使用する分析手法も異なります。

 

生産形態 最適なレイアウト 物の流れ分析
少品種大量生産 製品別レイアウト 単純工程分析
中品種中量生産 グループ別レイアウト 多品種工程分析
(加工経路分析)
多品種少量生産 機能別レイアウト フロムツーチャート

 

単純工程分析(オペレーション・プロセスチャート)

「単純工程分析」とは、全ての「作業」と「検査(数量検査、品質検査)」の系列を表現した図表であり、系列には「運搬」と「停滞(貯蔵、滞留)」を表現しません。

原材料から製品が生産されるまでのプロセス全体を、統括的に一目で把握できるというメリットがあります。

 

多品種工程分析(加工経路分析)

「多品種工程分析(加工経路分析)」とは、工程(加工)経路が類似した製品や部品をグループ化するために「工程(加工)経路図」を作成して分析することをいいます。

縦軸に製品名、横軸に工程名を取り、製品ごとに工程の順番を記入した「工程(加工)経路図」に基づき、以下の基準で製品を分類してレイアウトを検討します。

 

工程経路 レイアウト
工程経路が全く同じである 製品別レイアウト
工程経路が同じ部分がある
一部の工程は経路が異なる
工程経路が同じ部分は流れ作業化する。
工程経路が異なる部分は個別に作業を実施する。
工程経路が全く異なる 機能別レイアウト

 

フロムツーチャート(流出流入図表)

「フロムツーチャート(流出流入図表)」とは、「機能別レイアウト」を採用している工場において、物の流れを分析するために活用される手法であり、生産ラインの「前行程(From)」と「後工程(To)」の運搬回数を定量的に表わすことで、設備・工具・人・資材といった生産に関わる要素(アクティビティ)のレイアウトが効率的に配置されているかを明確にすることができます。

「フロムツーチャート(流出流入図表)」では、縦には上から順番に、横には左から順番に工程を表示していきます。

 

 

また、「正流」は斜線の右上側に「逆流」は斜線の左下側に表示します。

 

 

アクティビティ相互関係図表

「アクティビティ相互関係図表」とは、生産に関わる様々なアクティビティの相互関連性を数値等で表して、それらのアクティビティを近くに配置した方がよいのか、離れて配置しても問題ないのかを分析するツールのことをいいます。

「アクティビティ相互関係図表」では、アクティビティ間の近接重要度を「A/E/I/O/U/X」で表示します。 近接重要度はFrom-toチャートで求めた値を基に計算されます。

 

面積(スペース)相互関係ダイヤグラム

「面積(スペース)相互関係ダイヤグラム」とは、「アクティビティ相互関係ダイヤグラム」に「各アクティビティに必要なスペースの情報」と「利用可能なスペースの情報」を加味したレイアウト(案)のことをいいます。

 

レイアウト代替案の作成

作成された「面積(スペース)相互関係ダイヤグラム」は、理想的なあるべき姿の配置ではありますが、実際にレイアウトを実現するには様々な制約条件があるため、「制約条件」や「修正条件」を加味して、現実的な複数のレイアウト(案)を作成していきます。

 

試験問題

それでは、実際の試験問題を解いてみます。

【平成30年度 第3問】

ある工場のレイアウト改善に関する次の文章の空欄AとBに入る語句として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 

この工場では複数の設備を用いて製品の加工を行っており、各設備を製品ごとに直線に配置したレイアウトをとっている。最近、製品の種類が多様化してきたため加工方法が複雑になり、工程間の搬送の手間が増えてきたという問題点を抱えていた。

そこで、ものの流れに関する問題点の発見のためにPQ分析を行った。その結果が下図の[ A ]であったので、[ B ]を作成した。それに基づいて工程編成を見直し、設備のレイアウトをジョブショップ型レイアウトに変更した。

 

 

[解答群]

ア A:タイプⅠ B:多品種工程図表
イ A:タイプⅠ B:流れ線図
ウ A:タイプⅡ B:多品種工程図表
エ A:タイプⅡ B:流れ線図

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

考え方と解答

「SLP(Systematic Layout Planning)」による工場レイアウトの改善に関する知識を問う問題です。

 

問題文を要約すると以下の通りです。

—-

製品の種類が多様化してきたため加工方法が複雑になり、工程間の搬送の手間が増えてきたという問題点を解決するため、「SLP」を用いて分析した結果、各設備を製品ごとに直線に配置したレイアウト(製品別レイアウト)から「ジョブショップ型レイアウト」に変更した

—-

「ジョブショップ型レイアウト」とは、「機能別レイアウト」による設備編成の1つであり、すべてのジョブ(製品)の加工経路が異なる場合に工程を編成する方法のことをいいます。

 

 

PQ分析

「PQ分析」では、「製品(Product)」と「生産量(Quantity)」の関係をグラフで示し、製品の生産形態から、最適な工場レイアウトを決定していきますが、選択肢の「タイプⅠ」は「少品種大量生産」であることを、「タイプⅡ」は「中品種中量生産」または「多品種少量生産」であることを示しています

 

 

今回、「SLP」を用いて分析した結果、「ジョブショップ型レイアウト(機能別レイアウト)」に変更したということは、「PQ分析」の結果、製品の生産形態が「中品種中量生産」または「多品種少量生産」の「タイプⅡ」であったということを示しています。(仮に、「タイプⅠ」であったとしたら最終的に「製品別レイアウト」を選択しているはずです。)

なお、製品の生産形態が「中品種中量生産」または「多品種少量生産」であるということは、問題文の中に記述されている「製品の種類が多様化してきたため加工方法が複雑になり」という表現とも合致しています。

 

物の流れ分析

「物の流れ分析」では、生産工程を通じて「物」が迂回したり逆行することなく、効率的に流れていくための順序を決定する分析手法です。

「PQ分析」により区分されたグループ(生産形態や工場レイアウト)ごとに、「物の流れ分析」で使用する分析手法も異なります。

 

生産形態 最適なレイアウト 物の流れ分析
少品種大量生産 製品別レイアウト 単純工程分析
中品種中量生産 グループ別レイアウト 多品種工程分析
(加工経路分析)
多品種少量生産 機能別レイアウト フロムツーチャート

 

多品種工程図表

「多品種工程図表」は、工程(加工)経路が類似した製品や部品をグループ化するために作成します。
縦軸に製品名、横軸に工程名を取り、製品ごとに工程の順番を番号を記入した後、以下の基準で製品を分類してレイアウトを検討します。

 

工程経路 レイアウト
工程経路が全く同じである 製品別レイアウト
工程経路が同じ部分がある
一部の工程は経路が異なる
工程経路が同じ部分は流れ作業化する。
工程経路が異なる部分は個別に作業を実施する。
工程経路が全く異なる 機能別レイアウト

 

「PQ分析」の結果、製品の生産形態が「中品種中量生産」または「多品種少量生産」である「タイプⅡ」であったため、「多品種工程図表」を用いて「多品種工程分析」を実施した結果、それぞれの製品で工程経路が全く異なることが分かったため、「機能別レイアウト」を採用した。という流れとなります。

したがって、「空欄B」には「多品種工程図表」が当てはまります

 

流れ線図(フローダイヤグラム)

「流れ線図(フローダイヤグラム)」とは、設備や建物のレイアウトに工程図記号を記入したもののことをいい、人や物のムダな動きなどを分析する「流れ分析」において使用されます。

設備や建物のレイアウトに、物や人の動きと工程図記号を結ぶ線を描くことにより、ムダな移動などを視覚的に把握することができます。

 

答えは(ウ)です。


 

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