事例Ⅲ ~平成23年度 解答例(2)(第1問)~

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今回は、「事例Ⅲ ~平成23年度 解答例(2)(第1問)~」について説明します。

 

目次

事例Ⅲ ~平成23年度試験問題一覧~

平成23年度のその他の試験問題に関する解説は、以下のページを参照してください。

 

第1問

第1問(配点20点)

 

C社の創業からの事業変遷を理解した上で、生産技術面の特徴を(a)欄に、営業面での特徴を(b)欄に、40字以内でそれぞれ述べよ。

 

中小企業診断協会Webサイト(https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

 

解答の方向性

第1問では、金属パネル加工事業、屋内用電力制御盤事業、オフィス用金属製家具事業へ至るC社の創業からの事業変遷を把握し、生産技術面と営業面での特徴を分析する能力を問われています。

 

今回の問題では、事例Ⅲの第1問でよく出題される単なる「C社の強みや弱み」ではなく、「C社の生産技術面と営業面の特徴」を求められています。

「C社の強みや弱み」を解答するときと同じように、与件文から該当する文言を抜き出して列挙していくこととなりますが、「特徴」を解答するよう求められており、問題文を読んだ段階では、それが「強み」なのか「弱み」なのかを判断することができないため、慎重に与件文を読んでいく必要があります

 

与件文で関連しそうな箇所

与件文では、1ページ目の前半から後半に渡って記述されています。

 

「C社概要」に相当する内容が記述されている「1ページ」から「C社の生産技術面と営業面の特徴」を抜粋していきます。

 

問題文の中では、以下の部分が該当します。

 

詳細に示すと以下の通りとなります。

 

  • C社は、ビルの屋内用電力制御盤メーカーの協力企業として創業した。切断加工機と曲げ加工機を使用して金属パネルを加工する企業としてのスタートであった。その後、溶接設備の導入により組立工程を、さらに塗装設備の導入により仕上げ工程を備え、制御盤の筐体完成版の受注ができる企業として成長した。この間最も苦労したのが塗装技術のレベルアップである。塗装技術に関しては外部の専門家に指導を依頼し、顧客が満足する塗装仕上げの技術レベルに到達する努力を重ねた。その改善活動が実を結び制御盤筐体の受注量は増加したが、建設業界の動向に影響されて受注量の変動が大きく、工場の操業度も大きく左右される状態が続いた。
    ⇒当初は加工工程だけで創業したC社が、組立工程と仕上げ工程も対応できるようにして、制御盤の筐体完成版の受注ができる一貫生産体制を構築したことによって、制御盤筐体の受注量が増加しています。生産技術面の観点では、「制御盤の筐体完成版の受注ができる一貫生産体制を有すること」が、C社の特徴といえそうです。
    ⇒塗装技術のレベルアップに苦労したという記述は、次の段落への布石です。

 

  • 他業界からの受注獲得に努めたC社社長は、塗装工程の指導を仰いだ専門家から、OEM生産協力企業を探している大手事務機メーカーX社を紹介された。技術指導を通してC社の塗装技術レベルを評価しての紹介であった。X社による工場監査、製品仕様の確認、試作品の製作と加工方法の調整・変更などを経て、収納棚の規格品1品種の量産受注に成功してOEM事業がスタートした。その後オフィス用高級家具規格品などの受注品種も増加し、X社向けのOEM事業は拡大を続けた。
    ⇒塗装工程の指導を仰いだ専門家がC社の塗装技術レベルを評価して、X社に紹介してもらったことによってOEM事業がスタートしています。生産技術面の観点では「塗装技術レベルの高さ」が、C社の特徴といえそうです。

 

  • しかし約10年前よりオフィス用金属製家具業界は、官公庁での予算の減少、民間企業での業績の悪化などによって低迷し、X社からのOEM製品の受注も頭打ちとなる。C社ではその対応として、X社製品および販売チャネルと競合しない学校、図書館、病院などの建築工事に付帯する金属製収納棚に特化した自社ブランド製品「ビルトインシリーズ」を開発して、規格品としてカタログ化し、X社の承諾を得てC社独自で営業展開を行う自社ブランド規格品事業をはじめた。この事業では、施主および設計事務所へのカタログを用いた製品紹介などの営業によってC社製品「ビルトインシリーズ」の採用を売り込み、建築工事時に工事会社と契約して納品している。
    ⇒X社からのOEM製品の受注も頭打ちとなり窮地に陥ったC社は、自社ブランド製品「ビルトインシリーズ」を開発して、規格品としてカタログ化して、C社独自で営業展開を行っています。営業面の観点では「自社ブランド製品を開発してカタログ化して、C社独自で営業展開できること」が、C社の特徴といえそうです。

 

特徴

「生産技術面の特徴」と「営業面の特徴」を以下に示します。

 

生産技術面の特徴

  • 制御盤の筐体完成版の受注ができる一貫生産体制を有すること
  • 塗装技術レベルの高さ

 

営業面の特徴

  • 自社ブランド製品を開発してカタログ化して、C社独自で営業展開できること

 

解答例

ここまでに整理してきた内容に基づき、40文字以内にまとめます。

 

(a)生産技術面の特徴

特徴は、制御盤の筐体完成品を受注できる一貫生産体制と塗装技術レベルの高さである。(40文字)

 

(b)営業面の特徴

特徴は、自社ブランド製品をカタログ化して独自で展開して受注を獲得する営業力である。(40文字)

 

事例Ⅰ~事例Ⅲは正解のない試験なので、あくまで解答例として参考にしてもらえればと思います。

 


 

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